【残暑とスパイス】第2話:残暑に食べたい、冷水さんのスープレシピ
編集スタッフ 寿山
料理家の冷水希三子(ひやみず きみこ)さんに、残暑を乗り切るコンディション術やレシピを教わる、全4話の特集「残暑とスパイス」。
第1話では、あまり無理はしないと話す冷水さんが食事や体調管理、スキンケアで気をつけていることをインタビューしました。
つづく2話目では、残暑におすすめという、スパイスを効かせたスープのレシピを教わります。
残暑は「スープ」で乗り切れる?
「疲れたときほど、誰かに作ってもらったスープを飲みたくなる」と話す冷水さん。
食欲が落ちる残暑の時期こそ、噛まずにスルスル飲めて、栄養も摂れる温かいスープがおすすめなのだとか。
材料や作り方はシンプルでも、丁寧に作ったスープとパンがあれば、お腹も心も満たされるといいます。
四季折々の食材を、ひと皿にぎゅっと凝縮したスープのレシピをいくつも開発している冷水さんに、残暑におすすめというスパイシーなスープを教わります。
夏の定番スパイス「クミン」を使った
トルコの豆のスープ
クミンは、カレーに使われることが多い、夏の定番スパイス。夏野菜との相性も抜群で、隠し味にもなれば、アクセントにもなり、広く使えるのだそう。
今回ご紹介するレシピは、クミンを隠し味にした、トルコ風の豆スープです。
材料(4人分)
赤レンズ豆(皮なし)…120g
トマト(小)…1個
玉ねぎ…1/4個
オリーブオイル…大さじ1/2
クミンパウダー…小さじ1/3
塩…適量
水…800ml
※オリーブオイルはエクストラバージンオリーブオイルがおすすめ
[A]
バター…30g
粉唐辛子…小さじ1/2
ドライミント…ふたつまみ(なければフレッシュミントのみじん切りでも)
01:下ごしらえ
冷水さん:
「赤レンズ豆は洗ってザルに上げておきます。トマトは皮をむいて種を取り出し、実はみじん切りに。玉ねぎもみじん切りにします。
スパイスは必要な分量を用意しておきましょう」
02:材料を炒める→煮込む
冷水さん:
「鍋にオリーブオイルを入れ、玉ねぎと塩少々を加えて混ぜ、弱火で蓋をして5分ほど蒸らし炒めます。
そこにクミンパウダーを加えて炒め、さらにトマトを加えて混ぜたら、再び蓋をして5分ほど蒸らし炒めます。
蒸らし炒める間は、焦げ付かないよう、ときどきかき混ぜてください。
そこに赤レンズ豆と分量の水、塩ひとつまみを加えて中火にし、沸いたらアクをとって弱火にして、蓋を少しずらして20〜30分煮込みましょう」
03:ミキサーにかけて塩で味を整える。
冷水さん:
「レンズ豆が煮えたら、ミキサーにかけて鍋に戻し、塩で味を整えます。粒感を残したければ、鍋にそのままハンドミキサーを入れてスープ状にしても。
塩は適量です。好みの塩気に調えてみてください」
04:トッピングを作る
冷水さん:
「小鍋に[A]を入れ、少し傾けて中火弱で、香りが立ち、バターが溶けるまで火にかけます。
このトッピングはチリミントバターといって、トルコ料理を代表するソースのひとつ。
スープや肉料理のほか、割とどんな料理にもよく合います。冷蔵庫で10日ほどは保存できますよ。
お皿にスープを盛り付け、トッピングをかけたら完成です」
冷水さん:
「夏野菜はスープにしやすいものが多くて、スパイスとの相性もいいんです。
たとえばカボチャにシナモン、トマトにクミン、ズッキーニにミントなど、好相性のスパイスと組み合わせてスープにすると、味により広がりが生まれます。
スパイスだからと堅苦しく考えず、自分の好みの味を探して。見つかったら、気に入った1種類をいろいろな料理にかけてみるなど、ラフに楽しんでみてください」
教わった豆スープは、とてもシンプルな工程なのに、スパイシーで本格的な味わい。それでいてやさしく体に沁みわたるひと皿でした。
暑くて食欲がないときでも、食事を楽しめる気がします。
つづく3話目では、夏に欠かせない「ミント」を使ったハーブティーのレシピをお届けします。
(つづく)
【写真】加藤新作
もくじ
冷水希三子(料理家/フードコーディネーター)
季節の素材を生かした料理を心がけ、雑誌や広告などで幅広く活躍している。
http://kimiko-hiyamizu.com/
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