【休み方講座】後編:休日したいことを実現するために!疲れないために試せる3つのアイデア。

編集スタッフ 齋藤

全2話で「休み方」についての特集をお届けしています。

前編では、休日を過ごしたあと「なにか違った」と感じるわたしの悩みを受け、予防医学の研究をしている石川善樹(いしかわよしき)さんに「そもそも休みとは何か?」というお話をしていただきました。

そしてつづく後編でお聞きしたのは、「疲れない方法」について。疲れをどう回復するかではなく、そもそも疲れないためにできることがあるそう。

わたしは「疲れ」といえばてっきり「体の疲れ」だけだと思っていました。でもどうやら、そうではないらしいのです。

 

疲れていたのは、カラダではなく感情?

▲石川善樹さん。

石川さん:
「疲れには主に『肉体の疲れ』『知能の疲れ』『感情の疲れ』の3つがあります。疲れといえば『肉体の疲れ』だと勘違いされやすいのですが、実はもっとも大きいのは『感情の疲れ』。そして原因のほとんどが人間関係です。

例えば子どもがまだ幼く、ご機嫌だと思ったら急に泣き出してしまったり、旦那さんや上司、部下が自分の理想通りに動いてくれなかったり。

感情に振り回されてすごく疲れたという経験、みなさんも思い当たりませんか?」

 

疲れをとるには、寝るのが1番!

石川さん:
「でも、疲れの種類は違っても回復方法は一緒です。それはとにかく寝ること。

睡眠は最初の3時間で『肉体の疲れ』、そして次の3時間で『知能の疲れ』、さらに次の3時間で『感情の疲れ』をとっているんです。

なので原因になりやすい『感情の疲れ』をとるためにも、7時間以上は寝た方が良いと思います」

疲れの原因とそれを解消する方法がわかりました。では、そもそも「疲れない方法」は? 

石川さんに、3つのアイデアを教わりました。

 


疲れ知らずになるためには?
試してみたい3つのアイデア


 

急な対応はジャングルの中と一緒?
仕事をルーティン化しよう。

石川さん:
「仕事でもプラベートでも、突発的な対応を求められやすい状況は、ジャングルの中を歩いているようなもの。とても疲れるんです。小さいことと思っても、その疲労が蓄積されていってしまう。

なので、できるかぎり仕組み化した方が良いと思います。

時と場合によっては、感情の揺れが大きくルーティンをこなすことが難しいと感じる方もいるかもしれません。その場合はルーティンの部分と、自由にできる部分を持つようにして対応しましょう」

 

切り替え上手になるために!
前日にシミュレーションを。

石川さん:
「休みの最終日の夜は、仕事に向けてシミュレーションをしておくといいと思います。

仕事から完全に離れると、リラックスはするんです。ただし次の日の仕事をすごく憂鬱に感じ、それが感情の疲れになってしまいます。

なので会社に着いたらあれを準備してなど、段取りを頭の中でイメージしておく。それだけでもオフとオンの切り替えがスムーズになり、疲れを感じにくくなりますよ」

 

カラダの疲れは脳の勘違い?
思い込みを壊せばラクになる。

石川さん:
「先ほど体の疲れは実はそんなにない、という話をしました。ではどうして体が疲れていると感じるのかというと、原因は脳。脳が『ここが限界』と勝手に決めているんです。

なので少しずつ限界を超える試みをすることで、『体が疲れた』と感じにくくなりますよ。

例えば重い荷物を持つのに10分で精一杯と思っているのなら、試しに20分持ってみる。そうして脳のリミッターを外していけば、自分がたいへんだと思い込んでいたことが、案外ラクだと感じられるようになるんです」

 

「進歩」と「進化」は違う。目標のない人生だってアリ!

石川さん:
「『そもそも休みとは』という話(前編はこちらから)の中で、僕は老後をどう過ごすかなど長期的なプランを立てれば、おのずと今週末何をすればいいか見えてくる、という話をしました。

でも子育てをおえた女性たちを見ていて、そればかりではないなと思うようになったんです。

彼女たちは子どもが手を離れたので、比較的自由な時間があります。その時間で手芸を習ったり、英会話を習ったりしている。

僕はそんな様子を見ていて、一体どこに向かっているんだろう、目的は何なのだろうと不思議だったんです。でも考えていくうちに、『どこかに向かっている』という発想そのものが違うんだ、と気づきました」

石川さん:
「それを僕は『進歩』と『進化』の違いだと思うんです。『進歩』というのはまず目標があって、現在地からそこにたどり着くというアプローチ。それに対し『進化』は、そもそも目標なんてないんです。

ただいろんなインプットをして、いつの間にか独自のものになっている。それが『進化』。

企業でいえば、『進歩』をしている企業は早く大きくなることを目指しているので、短命におわりがちです。そしてその逆に、『進化』をしているほとんどが長寿企業。かれらは今の自分にないものを取り入れる、ということを、地道にやっているんです。

だから例えどこに向かうのかわからなくても、興味のあることや刺激をどんどん取り入れて輝きを増す人生も、あるのだと思います」

全2話を通し、休み方についてお送りしました。

仕事の仕方は会社などで周囲の人を参考にできるため、自然と覚えることができています。でも休みとなると各々ベールに隠れているし、「これでいいのかな」とずっとスッキリしない日々でした。

前編でもご紹介した通り、何を休みと思うかは、人それぞれ違うもの。

まずはわたしも自分にとっての「充実」が果たして何なのか考えるところから、はじめてみたいと思います。

みなさんも、どうぞ自分にとってのステキな休みを見つけてください。

(おわり)

【写真】岩田貴樹(2,3,7,8枚目)、クラシコム(1,4~6,9枚目)


 

もくじ

 

 

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石川善樹

1981年、広島県生まれ。東京大学医学部健康科学科卒業、ハーヴァード大学公衆衛生大学院修了後、自治医科大学で博士(医学)取得。「人がよりよく生きるとは何か」をテーマとして、企業や大学と学際的研究を行う。 専門分野は、予防医学、行動科学、計算創造学など。2017年7月、子ども向け理系絵本『たす』〈白泉社〉が刊行。また近日『思想としての予防医学』が刊行予定。https://twitter.com/ishikun3

▽石川善樹さんの著書はこちら


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