【BRAND NOTE】前編:チューブわさびが進化中?フルタヨウコさんと行く「理想のわさび」と出会う旅
ライター 長谷川賢人
「わさび」は、大きく分けて2種類があります。上の写真で男性が手にしている「本わさび」と、ホースラディッシュとも呼ばれる「西洋わさび」です。
多くの家庭にあるチューブ入りわさびは、理由はさまざまながら、その2種類をブレンドしているものが一般的でした。でも、近頃はどうも事情が変わってきたようです。
高価である「本わさび」だけをつかった、チューブ入りのわさびが登場。添加物を減らすなどの努力も続けられ、「採れたての本わさび」に近づこうと進化しています。
1987年の発売以来、改良を続けてきたエスビー食品の「本生 本わさび」も、そのひとつ。原材料は本わさび100%(※)。新鮮なわさびのみずみずしい香りを求め、30周年の節目に味わいをリニューアルしました。
まるで採れたてのわさびを擦ったときの鼻に抜けるような香りを、チューブ入りわさびでも体感できないか。その「本物志向」とも呼ぶべき試行錯誤の末に、今回の「本生 本わさび」は生まれました。
(※使用するわさび原料中の割合)
▲(左)エスビー食品・中島さん (右)料理家・フルタヨウコさん
スパイスのプロフェッショナルとして数々の香辛料を発売し、研究するエスビー食品。今回のリニューアルには自信をのぞかせますが、究極のゴールにはまだ道半ばのようです。彼らの胸のなかには、ある目標が息づいていました。
エスビー食品の中島さんは言います。「僕たちにとって 『自然の本わさび』 こそゴールなんですよ」
なかでも理想の本わさびを作る農家があると聞き、今回のBRAND NOTEでは中島さんとともに旅へ出ることにしました。
味のプロフェッショナルであり、クラシコムの社員食堂をはじめ、お世話になっている料理家のフルタヨウコさんにも声をかけてみると、興味をもって快諾してくれました。
そして私たちは一路、電車へと乗り込んだのです。
(この記事は、クライアント企業さまのご依頼で制作する「BRAND NOTE」という記事広告コンテンツです)
「理想のわさび」を求めて、山をのぼり、沢を歩く。
訪れたのは静岡県のとある町。駅から車で30分ほど山を登り、さらに沢のそばを歩くこと15分。
道中では、ヤモリやモンシロチョウに出会い、野生のシカも見かけました。訪れたときは絵に描いたような夏日でしたが、清流のそばは温度が3℃は変わるだろうと思える涼しさ。
水の流れを横目に歩を進めると、わさび畑のなかに、その人はいました。理想的なわさびを育てる、土屋さんです。
山の斜面を切り開き、大きな石を敷き詰め、さらに砂利を積んでつくるわさび園。
土屋さんは「こんな場所じゃ重機は入れないだろう? 昔の人はつるはしひとつで斜面を崩していたんだからすごいよなぁ」と笑います。
父親から受け継いだわさび園は、見えている範囲でも20段以上はあるでしょうか。この場所以外にもあるそうですが、棚田のようになっており、1段で約500本の本わさびを栽培しています。
機械が入れない場所ですから、収穫も手作業。鍬(くわ)で根ごと抜き取り、まとまった量が取れたら背負って降ります。
本わさびが高級品である理由は、それだけ人の手が必要だからでもあるのです。
「採れたて、擦りたて」の本わさびはどんな味?
土屋さんのわさびは自然農法。1本のわさびを育てるのにかかる日数は、なんと18ヶ月ほど!
最も苦労するのは「水の管理」だといいます。わさびは繊細な植物で、水温が高くなると育ちが悪くなり、根が腐ってしまうことも……。
落ち葉や石が詰まって水がいきわたらないことがあれば一大事。土屋さんは雨が降っても山に登り、田を見回ることはやめません。さらには野生のシカに食べられないように気も払います。
「わさび農家は、自分が育てているものが、いちばん良いわさびだと思ってるよ」
そんなふうに力強く言葉をくれた土屋さんに、これから収穫を迎える1本を見せてもらいました。
ふしぎな頼もしさを抱かせる、土屋さんの本わさび。
ちなみに、チューブ入りのわさびは全体を均一に使いますが、実はわさびも大根と同じく根のほうへいくほど辛みが増すのだとか。
味わいの話を聞くと、やはり食べてみたくなるもの……。土屋さんが貴重なわさびを譲ってくださいました。手頃な石をタワシでよく洗い、おろし金の代わりにして、早速擦ってみることに。
擦り始めてすぐ、一行から「わぁ!」と声が上がります。3メートルばかり離れていたでしょうに、風下にいる私たちの鼻にも、わさびの爽やかな香りが届いたのです。
土屋さんのわさびは身が詰まっており、見るからに丈夫そう。当然、辛みも強いのかと思いながら舐めてみると、フルタさんは驚きの表情を浮かべました。
フルタヨウコさん:
「わぁ、まろやかな甘みがありますね!あと、辛みがくるまでに時間差があるんです。わさびらしい爽やかな香りと辛みのバランスがほどよくて、フルーティな感じがする」
わさびといえば「辛い」や「鼻にツンとくる」というイメージが先行しがちですが、土屋さんのわさびはそれよりも「香りの豊かさ」に心が奪われました。
おかずはいらない!わさび飯にトライ。
するとフルタさん、カバンからこぶりな曲げわっぱを取り出しました。「おいしいわさびがあるならやってみたかった」という「わさび飯」にトライ。
ごはん、おかか、醤油、擦りたてのわさびというシンプルな組み合わせながら、その組み合わせの正しさはかんたんに想像できます。
これには中島さんも思わず「もう、おかずいらない!」宣言。
かつお節が入ることで味が深くなり、ついついご飯が進むようです。わさびの味も醤油が加わることでより引き立ち……なんて、野暮なことを書かずともふたりの表情を見れば、その美味しさを伝えるのにはじゅうぶんですね。
(「わさび飯」には、現地で採れた本わさびを擦りおろしたものをのせております。ご家庭にて「本生 本わさび」でおためしになる際は、使用量を調整しながらお召し上がりください)
土屋さんがつくる「理想のわさび」を知り、味わったところで、あらためてエスビー食品の「本生 本わさび」を試食してみました。
辛みは「本生 本わさび」の方が強めに思いますが、驚いたのはフルタさんが感じた「甘みから辛みへの移り変わり」までの時間差がとても近しいこと。そして、何よりもさわやかな香りは、ひけをとらない心地よさがありました。
中島さんは「科学的な検証では、『本生 本わさび』と自然の本わさびの香り成分を比較すると、細かい数値に違いはあるものの、香りのバランスはほとんど同じでした。開発陣が努力を重ねた結果です」と胸を張ります。
味わってわかる「最香の贅沢」の意味。
「本生 本わさび」のことを話し出すと熱が入る中島さん。関わり始めて4年がたったいま、その原動力をこんなふうに話してくれました。
中島さん:
「エスビー食品のチューブ入りわさびは、常に業界のトップランナーであり続けています。だからこそ、僕たちのやるべきことは『採れたての本わさびに近づく』という、シンプルな目標に向かっていくことです」
一方、保存性を高めるための添加物や塩分を少なくする努力を続けながらも、手に取りやすい価格を実現することも両立しなければならない難しさが伴う挑戦です。
今回のリニューアルでは「香り」に着目。「最高」になぞらえた「最香の贅沢」を旗印に、そのバランスを徹底的に見直したといいます。
素材へのこだわりも並々ならぬものがあります。
富士の裾野にある研究所で開発した本わさびの種を、生産者の方々へお届け。現地の方々と協力しながら、高品質なわさびを安定して提供するための体制をつくりあげました。
今回は「本生 本わさびにとってのゴール」と話す自然の本わさびをあらためて味わい、中島さんにも新しい発見や思いが芽生えたよう。
私たちもその思いに触れ、これまでと同じ見方ではチューブ入りわさびを捉えることはできそうにありません。
本物を知り、本物を求め、努力を惜しまない。
スーパーマーケットで気軽に手に取れる「本生 本わさび」の裏側には、多くの知見と熱意が込められています。目指すべき本わさびの味に、すこしでも、一歩でも近づかんとする、その心意気がチューブの中に詰まっています。
日本に根付き、世界へも「WASABI」として広まりを見せる、わさび。
うつくしい水や空気があってこそできる「本わさび」を、手軽にまるごと味わえることは、ともすれば、日本で生きることの贅沢のひとつといえるのかもしれません。
明日公開の後編ではフルタさんに、こちらもリニューアルしたての「本生 きざみわさび」をつかったレシピを教わります。
わさびの茎がたっぷり入ったシャキシャキ食感を楽しめる、簡単お肉料理が登場します。ディナーやパーティ、さらにはお弁当にもよしという献立たちにご期待ください。
▼動画 『わさびのはなし』
【写真】佐々木孝憲
後編(10月3日)
「つけダレ」にも大活躍!本生 きざみわさびを使った、お助けレシピ
フルタヨウコ(料理家)
デザイン関係の企画編集、執筆、写真を手がける一方で、ケータリングを開始。オリジナルジャム制作の他に料理やイベント出店なども行う。現在はKURASHI&Trips JAM LABORATORYでのジャムプロデュースを務める。http://home-home.jp
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