【わたしの腕時計】美しい青空のもと、ともに旅した腕時計(内田彩仍さん)
商品プランナー 斉木
美しい青空のもと
ともに旅した腕時計
北欧へ取材旅行に出かけるときのことだったと思います。お気に入りのセレクトショップを流し見ていると、手元の腕時計が止まっていることに気づきました。「あ、電池切れだな。旅立つ前でよかった」。以前、旅先で腕時計の電池切れで、困ったことがあったからです。
あとで電池を入れ替えないと……。そんなことを考えながら、ふとショーケースを覗くと、ある時計が目にとまりました。もうセールも終盤で、価格もとてもお手ごろで。私のために残っていると思ったほどです。実は、そのときしていた時計も、ここで見つけたもの。好きなものが変わらないからか、見た目は、ほぼ同じなのだけれど、前のものはベルトに少しだけゴールドが入っているのが、どうしても気になっていたのです。
普段は、気に入ったものを見つけても、じっくり考えてから手に取るほう。けれど、「この時計なら、長く付き合えそう」そう直感して、これも何かの巡り合わせだと思い、購入することにしました。すぐに腕に通してみると、アクセサリーもシルバーだからか、着ているものにもしっくり馴染んで。とてもうれしく、心躍らせながら旅へ出かけました。
北欧を旅するときの私の時間の使い方は、何度か訪れてもほとんど同じなのです。まずは、到着したらすぐに腕時計を、現地の時間に合わせます。北欧へは、どこか習い事に通うような心持ちで。何かを学びに出かけるから、いつもあるわけではない憧れの場所での時間を、大切に使おうと思います。ホテルで過ごすわずかな時間でも、段取りが頭の中にあるほうが、物事がスムーズに進むから、心にゆとりも残せるよう。次の日に思いを馳せながら、翌日のスケジュールを確認したり、着るものにアイロンをかけたり。その日にあった出来事や感動したことも、おさらいしながらノートに書き込んで……。この土地に居られることに感謝して、旅先でのひとときを、楽しみながら過ごすようにしています。
「あと何分あるからあの店に寄ろう」とか「もう少しだけこの場所で過ごそう」とか。腕時計を見ながらの時間配分は、出かけた先でのわくわく感を、高めてくれる手立てにもなっています。この腕時計との出合いは偶然だったけれど、旅のいいお守りになったようで、ずっと美しい青空のもと、旅することができました。
最初の直感が当たったのか、旅から帰ってからも、変わらず使い続けています。のんびり散歩をするときも、ちょっとした近所への買い出しも、いつもこの腕時計を身につけて。今、持っている時計は、これともうひとつ、記念日に揃えたもの。歳を重ねた物選びは、“気負わず使える”のもポイントのようで、ついこの時計のほうが手に取る機会が多くなっているようです。日々、腕時計とともに過ごしながら、慌てることなく時間が穏やかに流れるよう、いつも支度をしています。
【写真】内田彩仍
内田 彩仍(うちだ あやの)
福岡県在住。夫と愛猫・クリムと暮らす。ナチュラルでていねいな暮らしぶりが多くの支持を集め、最近ではライフスタイルだけでなく、ファッションや手作りの分野にも活動の幅を広げている。著書に『季節の暮らしと服支度』(主婦と生活社)、『幸せのしたく』(宝島社)、『重ねる、暮らし』(マイナビ出版 )、『暮らしのつなぎ方』(宝島社)など。
▼今回腕時計との物語を綴る、3名の詳しいご紹介は、こちらから。
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