【ゴミとの付き合いかた】第3話:リビングから洗面所まで。家で出るゴミはほかにもある!
編集スタッフ 齋藤
気負わずできる、家庭ゴミを減らす工夫って?
ゴミとの関係がよいものならば、居心地の良さにも影響するはず。
そんな思いのもと、ライフオーガナイザー®の中山あいこさんにお話をうかがいながら、ゴミとのモヤモヤを解決して、今よりもっと心地よい暮らしを探る特集。
1話目はゴミの分別、2話目では食材の話を中心にお届けしていました。最終回の第3話では気負わずにできる、家庭ゴミを減らす工夫に注目します。
食材をはじめとするキッチンゴミから離れてみたとき。わたし齋藤の自宅で多くを占めるのが「紙ゴミ」です。なかでもとりわけ、使用頻度が高いのが「ティッシュペーパー」。
子どもが何かをこぼしてしまった時。風邪や花粉で鼻水がとまらないとき。ちょっとしたものを「拭き取る」という動作は、暮らしのなかでとても多いんですね。
そんななか伺った中山さん宅。リビングや洗面所で出るゴミについてうかがった時にまず出たのは「ティッシュは置いていないんです」ということばでした。
それはもう、ドキーン!と驚いたわたし。でも、お話を聞くと「そうか、それならうちでも」と意識できる工夫だったんです。
ティッシュではなくて、布に頼る
▲使用頻度が多いガーゼは、キッチンとリビングの間のゴミ箱上に常備。娘さんも自分でこのガーゼを取るのだとか。
中山さん:
「家のなかで何にティッシュを使うかって、子どもの口の周りや鼻水を拭くことが大半ということに気がつきました。
そこで自宅にはティッシュ箱は置かず、そのかわりにガーゼを常備。ガーゼは子どもが赤ちゃんの時に使っていたもので、愛着もひとしおです。
ティッシュよりも肌触りの良いガーゼは、たくさん使っても、洗って何度も使えるのでゴミも出ません。
風邪を引いたときなど、ガーゼでは間に合わないくらい鼻水が出てしまうときには、手ぬぐいも活躍していますよ」
▲色とりどりの手ぬぐいは、見た目もかわいいですね。
中山さん:
「ポケットティッシュは、外出用バッグに万が一の為に入れいて、ストックは玄関の引き出しに。お客さんが来て必要になったタイミングは、そのポケットティッシュを差し出します(笑)
そのほか、日々ダイニングテーブルやキッチン周りのちょこまか拭きに欠かせないのが『びわこふきん』。
凸凹で編まれた糸が、汚れをよく拭き取ってくれます。すぐ乾くので、何度も洗ってボロボロになるまで使い倒したら掃除用の雑巾にしていますよ」
洗面所のゴミ箱は「ファイルボックス」
洗面所は、意外とホコリがたまりやすく、小さなゴミも出がち。それなのに、子ども用の踏み台やバスタオル掛けを置いたりと、スペースが狭いからどんなゴミ箱を置けばいいのやら……。
すがるような気持ちで中山さんの洗面所を拝見させていただくと。
中山さん:
「そうなんですよね、洗面所で出るゴミって結構多い! そして、ゴミ箱自体も汚れやすいですよね。
わたしは、洗面台と壁の隙間に『無印良品』の幅広タイプのファイルボックスを置いていて、これがゴミ箱代わりです。
うちでは、ゴミの日にゴミを取り出したタイミングで、シャワーでざざっと洗ってしまいます。水に強い上、シンプルなデザインで洗いやすく、乾きも早いです」
買うまでにたくさん悩むことも、ゴミを減らす一つの工夫?
中山さん:
「ゴミを出す生活って、ほんとうに、ゼロにはできないですよね。でも、自分の暮らしのサイズを思い浮かべた時に、必要以上に出ているかも?と感じるゴミは減らせると思うんです。
暮らしのなかで、面倒臭がりの自分でも、わたしのサイズでできる範囲で無駄はなくしていきたいなと思っています。
無駄をなくす心がけはものを購入するときにもあるかなと。『安い』というだけだったら、買わないようにしています。
それが家具などの大きなものだったら尚更、ずーっと先も使い続けたいと思うので、とことん悩みます。検索をしたり、足を運べる場所だったら出向いてみたり。
そうして買ったものは、ちょっとやそっとのことでは捨てられない。ルックスや素材のほかにも、そのアイテムができた背景も重視して買っているから、一度決めた使い方ができなくなっても、違う使い方を見つけて使い続けたい。
そうすると、モノとしても、自分の気持ちとしても『長持ち』がベースになってくれるんです」
ゴミとの付き合い方を「考える」ことで、暮らしは心地よくなるかも
自分が住む街のゴミ出しが有料化したことをきっかけに、お届けすることとなった本特集「ゴミとの付き合い方」。
中山さんにお話を伺ったその日の夜、あらためて自宅をぐるりと見回してみました。
レンジ棚の下からはみ出した、リサイクルゴミを仕分けした袋。そこから窮屈そうに顔を出す、牛乳パックやプラスチックトレー。ぎゅうぎゅうの冷蔵庫。
毎日、こうかな?ああかな?と試行錯誤してみていたけれど、それは、本当に自分の暮らしのサイズに合ったものだったのかな。わたしの日々の行動に沿った方法だった?
なにをゴミと考えるのか。自分がしたくない無駄は何なのか。
「ゴミと暮らし」を考えるきっかけができたのだから、我が家で心地よく暮らす方法は、これからじっくり自分のサイズでつくっていこう。
ああわたし、第一歩を踏み出せたかもしれない。そう感じたのでした。
(おわり)
【写真】鍵岡龍門
もくじ
中山あいこ(ライフオーガナイザー®)
フルタイムの会社員として長年勤務の後、独立。書籍や雑誌、ブログ『生活のメモ』などで暮らしのアイデアを発信中。2歳と12歳の子どもの母。
『生活のメモ』http://seikatsunomemo.com
▼中山あいこさんの著書は、こちら。
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