【私にちょうどいい美容】第3話:目指すのは、“その人らしさが透ける肌”。
美容ライター 長田杏奈
第3話:らしい肌で、快適に過ごす
毎日、どんな肌で過ごしたいですか?
軽やかな素肌でいたい、透明感やツヤがほしい、シミや毛穴など隠したいものがある……。ファンデーションを選ぶとき、つい顔や肌だけを見て選びがちです。
でも、たくさんある中から一つだけ選ぶなら、全身で見たときにしっくりと雰囲気に合うものを選んだ方が、その人らしい魅力がより引き立つと思うのです。
具体的に言うと、よく着る服の素材感や厚み、肌を見せる面積がとても参考になります。例えば、コットンやリネンなど薄手の素材をよく着る人なら、薄づきのファンデーションが似合います。ニットやウール、ツイードの季節は肌にも少し厚みがあったほうがバランスよく見えるでしょう。カジュアルな装いが多いなら素肌っぽくてソバカスが透けるくらい透明感のあるもの、きちんとした服装が多いなら肌もある程度カバー力の高いものがしっくりきます。
デコルテや肩・腕など上半身の肌見せ面積が多ければ健康的なツヤ肌が似合うし、ハイネックや襟のあるシャツやジャケットには、すりガラスのようなハーフマットな肌の方が知的で清潔な印象になります。
「ライフスタイルに合ったメイク」と言うと難しく感じてしまいすが、メイクが苦手な人も「暮らしにあったファッション」については自然に選べていることが多いもの。だから、洋服に合う肌作りを意識すると、全体で見ていい感じの、「らしい肌」が手に入るのです。
今度ファンデーションを選ぶ時は、少なくともバストより上ぐらいまでを鏡に映して、素材感や雰囲気を合わせる感覚で見てみてください。
自分らしい風通しのいい肌に仕上げるには、どう塗るかも大切です。
例えば、下地やファンデーション、BBクリーム、CCクリームなどの「透明に馴染まない、色のついたもの」に関しては、フェイスラインまでしっかり塗ってしまうと顔がのっぺりと見えてしまい、もったいないなと思うのです。
最初は、肌全体の印象を決める頬に伸ばすことで、いちばんしっかりつくようにします。次に、おでこの眉間よりちょっと上、鼻筋、あごに少量を置いて内から外に伸ばします。このとき、頬杖をついて隠れる部分は塗らずに空けておきましょう。余った分で目尻や小鼻の赤み、口角のキワを整えます。最後に、頬杖ゾーンを手で軽くぼかせば完成です。塗る量やぼかす範囲を調整すれば、同じアイテムでも仕上がりの濃度を変えることができます。
とはいえ、メイクをお休みしたい時ってありますよね。リラックスして過ごしたい日は、馴染ませると透明になるタイプのスキンケア効果の高い日焼け止めを顔全体に塗って、テカりやアラが気になる部分にパウダーを馴染ませるぐらいで十分だと思います。頑張らない日の風通しの良い肌、私は結構気に入っています。
肌を装うことに関して、私たちの心の中には相反する気持ちがあるようです。例えば、「ファンデーションなしでこの美肌!」みたいな広告を目にする一方で、「社会人ならば、ファンデーションを塗って当たり前」という意見も。ベースメイクは「本来の自分」を誤魔化す、後ろめたいものなのでしょうか? 自分の顔のアラを隠す、マナーとしての塗装のようなものでしょうか? そんな気持ちでメイクをするのは気が重いし、楽しくありませんね。
私は、ある程度ベースメイクをした方が、素肌でいるより肌にいいと考えています。紫外線や、大気汚染によるダメージを防ぐには、ベースメイクのひと膜が大きな助けになってくれるからです。そしてその時、アラを完璧に隠すよりも、「あえて透けさせて軽く整える」ぐらいのゆるい姿勢でいたいと思っています。世界的に見ても、シワやシミを必要以上に隠さず、ありのままの肌を誇りに思うかっこよさが見直されています。
私が味があってお洒落だなと感じるのは、年齢なりにシワやシミがある「履歴の見える肌」。
完璧じゃないその人らしさが透ける肌、素敵だと思いませんか?
(つづく)
【写真】安川結子
長田 杏奈(おさだ あんな)
美容ライターとして「MAQUIA」、「BAILA」、「SPUR」など多くの女性誌で記事を執筆。プライベートでは息子 (11歳)と娘(8歳)を育てる。モットーは「美容は自尊心の筋トレ」。趣味は美容、園芸、セレブウォッチ、女子プロレス観戦、禅、北欧ミステリー。Instagram:@osadanna
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