【あの人のバッグ】海辺の宿で巡り合うもの。ひとつひとつに物語が宿るオーナーのカバンの中身

【あの人のバッグ】海辺の宿で巡り合うもの。ひとつひとつに物語が宿るオーナーのカバンの中身

編集スタッフ 山本

リップに手帳、お財布、ポーチ。お出かけに欠かせないものとして選び集めてきた「バッグの中身」には、そこかしこにその人らしさが詰まっている気がします。

「あの人のバッグ」は、気になる方のバッグやポーチの中身を見せてもらう連載。

今回ご登場いただくのは、富山県氷見市の海辺で、1日3組の宿・ギャラリー・喫茶店の複合施設「HOUSEHOLD」を営む 笹倉奈津美 ( ささくらなつみ ) さんです。

笹倉さんは「勝手口からの旅」というコンセプトで、料理を通してまちの日常に触れる旅を提案していらっしゃいます。

今回は、そんな氷見での暮らしを彩るバッグとその中身を見せていただきました。



− バッグとその中身 −
シンプルでミニマム、だけど小物で彩りを添えて。
失くしてもダメージが少ない持ち物選び


写真左上から時計回りに

 水筒 / 無印
 充電器 / lightning
 スマホ / iPhone
 キーケース / 100円ショップ
 ホイッスル付きの懐中電灯 / 100円ショップ
 財布 / IL BISONTE
 海辺で拾った石たち
 ウェットティッシュ, ティッシュ
 ハンカチ / 後述
 ポーチ / 無印


笹倉さん
「普段持ち歩く物については、もし旅に出てしまっても(失くしてしまっても)心のダメージが少ない物を選んでいるということに、最近気がつきました。

タンブラーは、普段お店や事務所、家を行き来することが多いので、ポケットに入るサイズを。お客様からお土産でコーヒーやお茶をいただくことがあるので、このタンブラーにいれてよく飲んでいます。

また財布は、結婚する前に夫からもらったもので、気づけばもう12年くらい愛用しています。こちらはまだまだ現金商売も多いので、まとまった現金やレシートなどをしっかり保管できるこの長財布を重宝しています」

笹倉さん
「わたしのワードローブはミニマムで、普段からシンプルな服で出かけることが多いため、カバンやハンカチが装いのアクセントになっています。

右端は、友人が最近つくりはじめたもの。ポップな色使いに一目惚れしました。部屋着のようなラフな格好で息子と散歩に出ることがありますが、そんなときに服装のワンポイントになりますし、斜めに肩掛けし、両手があくのもありがたいです。

またUFOと猫のトート(左から2つめ)は、宿の常連のJasonさんが、わたしが好きそうだからと、隣町の宇宙科学博物館へ行ったお土産に買ってきてくれました。自分ではあまり手に取らない柄だけれど、アメリカのB級映画っぽくておもしろいなと感じています」

笹倉さん
「ハンカチはその日の気分で、カラフルな色や、息子の服に合わせた差し色を選ぶことが多いです。頭や首に巻いて日除けにしたり、お散歩先のベンチでお菓子を広げたり、即席のレジ袋にしたり、とさまざまに使っています」


「ことばの泉を満たす」 本を持ち歩いて

▲宿のライブラリーにある本は、宿泊客が自由に楽しめます。笹倉さんも遠出の時には、ここで本を探されるそう

笹倉さん
「普段スマホを見てしまいがちですが、出先でまとまった待ち時間ができれば、なるべく本を読むようにしています。インターネットやSNSで簡単に情報に触れられるようになり、それはそれで大切なことだと思っています。でも誰かの頭の中をじっくり巡るような、誰かが体験して感じた心の機微を感じるような読書体験は、ページをめくるという行為に宿るもの。紙媒体ならではの良さだと感じています。

自分のなかのことばの泉みたいところを満たす読書があってこそ、わたし自身が、誰かにまちの出来事や宿のことをお伝えできるんだなあ、と思います。

最近は、友人で岐阜県高山市で民藝店を営む『やわい屋』の朝倉くんが書いた本や、柴田聡子さんの詩集を持ち歩いています」



− 日々を彩るもの −
何千万年の時を経て巡り合う
海辺の小石たちを拾い集めて


笹倉さん
「物心ついたときから海などの水辺に行くことが好きなのですが、ついつい石を拾ってしまいます。

何千万年も前にどこか遠くの山の一部だった岩が、川や海を流れるうちに水に削られて、角が取れ、丸くなり、そして自分の手のひらにおさまってしまうほどになったことを愛おしく感じます。

箸置きとして実用的に使うこともありますが、実用関係なく玄関やテーブルなど部屋中に転がっていて、気づいたらまるで小鳥のように撫でていることがあります」

▲開業時は何もなかった壁や棚も、今では賑やかに。ここを訪れた人の時間と愛着が染み込んだ空間になっています

海辺を歩き、時間も場所もこえて巡り会った小石をひとつひとつ拾い集めるように、氷見のまちで、各地から訪れる人々との出会いを、大切に育まれている笹倉さん。シンプルで飾らないお持ち物の中にも彩りを楽しまれ、また、そのひとつひとつに、巡り会った人々との物語が織り込まれていました。

穏やかでさりげない日々を、手のひらで撫でさするように慈しむ。そんな笹倉さんのように、毎日をささやかに楽しめたらと思いました。

次回はどんなバッグが登場するでしょうか。お楽しみに。


photo:笹倉奈津美さん



笹倉奈津美

富山県氷見市の海辺にある古いビルを夫とともにリノベーションし、1日3組の宿・ギャラリー・喫茶店の複合施設「HOUSEHOLD」を営む、広報・宿マネージャー。「勝手口からの旅」というコンセプトで、料理を通してまちの日常に触れる旅を提案し、喫茶やギャラリーで地元の人と訪れる人が自然に交わる場や企画をつくる。

Instagram: @householdbldg

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