【新米って、おいしい。】第3話:野菜嫌いでもパクパクいけちゃう? 栄養満点の青菜入りおむすび
野菜を使ったおにぎりのレシピを紹介。新米を使用し、春菊やディルなど青菜を使った混ぜご飯をおむすびにしました。同じ具材入りのごはんでも、新米の味わいを生かすには、炊き込みごはんより混ぜごはんが向いているといわれています。
ライター 片田理恵
新米の季節がやってきました。今しか味わえないそのおいしさを存分に堪能すべく、お米農家 やまざきの山﨑宏(ひろし)さん・瑞弥(みずや)さん夫妻に、新米ならではの食べ方・楽しみ方を伺っています。
第1話で教えていただいた基本の炊飯をもとに、第2話~4話では山﨑家の定番メニューが続々登場。今回はおむすび名人の瑞弥さんが作る、子どもたちも大好きな絶品おむすび2種を紹介します。
新米は、炊き込みよりも「混ぜこみ」向き
おむすびの中でも、瑞弥さんがよく作るのは「混ぜごはんむすび」。
同じ具材入りのごはんでも、新米の味わいを生かすには、炊き込みごはんより混ぜごはんが向いているといいます。
瑞弥さん:
「新米はもともとの水分量が多いので、具材やだし汁を一緒に炊き込むと水っぽく仕上がってしまったり、味が思うように染みなかったりしがちなんです。
炊き上がった後に具材をシンプルに混ぜ込む方が、手軽な上に新米らしい食感が残っておいしく仕上がりますよ」
そんな混ぜごはんで作る、山﨑家定番のおむすびとは? さまざまなバリエーションの中から、今回は青菜を混ぜ込んだ2種類を教えていただきました。
ハーブの香りがさわやか ディルむすび
地中海沿岸や西アジアが原産のセリ科のハーブ・ディル。さわやかな香りと風味が魅力ですが、実は熱々のごはんに混ぜても変色しない貴重な青菜なのです。
(STEP1)炊きたてごはんに、ディルを混ぜこむ
炊きたての新米3合をボウルに移し、5mm幅に刻んだディル10~15本分を加えます。
塩少々をふり、しゃもじで全体をさっくり混ぜます。
瑞弥さん:
「混ぜ込むときはお米の粒が潰れないよう、できるだけ少ない手数で混ぜます。
『均等に混ぜよう』としすぎなくても大丈夫。多少具がかたよっていても、それもまたおいしいもの。混ぜ終わったら、ごはんの粗熱がとれるまでひと呼吸置きましょう」
(STEP2)おむすびを握る
手のひらに水と塩少々をつけ、全体になじませます。
しゃもじひとすくい分のごはんをのせ、右手と左手を交互に下にしながら手の中でごはんを転がすように三角に握ります。
瑞弥さん:
「ここでもお米の粒がつぶれないよう、力を入れすぎないよう意識して。3〜4回ギュギュッと握ったら形を整えましょう。外はしっかり、中はふっくら食感の三角むすびになります。お米3合で、約90gの小さめおむすびが10〜12個できます」
彩りが美しい 春菊と桜えびのおむすび
少し苦味のある春菊も、桜えびの旨味と合わせると食べやすい味わいに変身します。栄養バランス満点なので、お弁当やおやつにもおすすめ。
(STEP1)具材の下準備をする
春菊1束(200g)は塩少々を入れた熱湯でサッと茹で、冷水で冷やします。水気を絞り、葉の部分は5mm、茎は3mmのざく切りにします。
瑞弥さん:
「春菊は、少し固めに茹でておくのがポイント。茹ですぎると水気が増して、混ぜ込むときにごはんが水っぽくなってしまいます」
ごはんを蒸らしおわるタイミングにあわせて、桜えび15gをフライパンで乾煎りします。火力は弱火。2~3分でいい香りがしてきたら火を止めます。
(STEP2)炊きたてごはんに、具材を混ぜ込む
炊きたての新米3合をボウル(または飯台)に移し、春菊と桜えびを加えて塩を少々ふり、全体をさっくりと混ぜます。
ひと呼吸置いて、ごはんの粗熱がとれたところで、ディルむすびと同様ににぎります。ディルむすびと同じく、お米3合で、約90gの小さめおむすびが10〜12個できます。
瑞弥さんのように「ふっくらおいしく」握りたい!
ひと口食べて驚くのは、型くずれせずしっかりと形成されているのに、ごはんのふっくらとしたやわらかさがしっかり残っている、その絶妙なむすび具合。
ごはんに生のハーブやちょっぴりクセのある春菊を混ぜ込むという組み合わせも新鮮です。
瑞弥さん:
「上手に握るポイントは、『お米を触りすぎない』こと。できるだけ少ない手数で手早く形を整えると、ふんわりしたおにぎりに仕上がります。また、ごはんは完全に冷めきるとでんぷん質で固くなってしまうので、まだ温かいうちに握るのもコツ。
はじめは難しく感じるかもしれないですが、あとは回数を重ねること! なんども握るうち、きっと上手に握れるようになりますよ」
大好きなおむすびが、味の可能性を広げてくれる
ハーブや春菊は子どもにはちょっと苦手な味。瑞弥さんのおむすびは、そんなイメージや思い込みをひょいと覆してしまうアイデアとおいしさに満ちていました。
ほかにもパクチーや三つ葉、青じそ、小松菜など、さまざまな青菜を用い、趣向を凝らした混ぜごはんでおむすびを試しているそう。青菜を子どもたちの大好きな新米と組み合わせることで、おいしく食べやすい味を実現しています。
瑞弥さん:
「味や香りに変化があるほうが子どもたちも食事をより楽しめるし、いろんな味覚を刺激できる。そう考えて、我が家ではハーブもスパイスも子どもだからと控えずに使っています。
『こんないい香りがするんだ』『こんなおいしさもあるんだ』という驚きや楽しさを知って、食べることに喜びを感じられる人になってほしいですね」
最終回の第4話では、新米が食卓の主役になる、山﨑家ならではの「手巻き」レシピをご紹介。おもてなしにもなるごちそうですが、実はお母さんにもうれしい楽ちんメニューなんだそうですよ。
(つづく)
【写真】馬場わかな
もくじ
お米農家やまざき(山﨑宏・瑞弥)
江戸時代末期から続く米農家の6代目。現在は茨城県・筑波山麓で米作りに励む。手仕事の台所道具への造詣が深く、料理家やクラフト作家との交流も。田んぼ仕事と子育ての合間に全国各地のギャラリーなどで「お米の魅力」伝導活動にも努めている。著書に『お米やま家のまんぷくごはん』(主婦と生活社)。
ライター 片田理恵
編集者、ライター。大学卒業後、出版社勤務と出産と移住を経てフリー。執筆媒体は「nice things」「ナチュママ」「リンネル」「はるまち」「DOTPLACE」「あてら」など。クラシコムではリトルプレス「オトナのおしゃべりノオト」も担当。
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