【まめまめしい暮らし】第2話:余った食材をおいしく使い切る「かき揚げ・味噌汁」の豆レシピ

白いんげん豆を使ったレシピをご紹介します。かき揚げやお味噌汁に加えてみるだけでおかずがボリュームアップ!わざわざ買い物に行かなくても、いちいち包丁で切らなくても、豆があれば大丈夫。おいしくして、かつ調理時間も短縮させてしまいましょう。

ライター 片田理恵

買い物いらず、包丁いらずの豆レシピ

料理家・按田優子さんに聞いた、豆で自炊を楽にする方法をまとめた全3話の特集です。第1話は、白いんげん豆の下ごしらえについて伺いました。

ここからは下ごしらえした豆を生かしたレシピ2つをご紹介。取材時に、按田さんの自宅にあった「使い切りたい食材」と合わせて、どう食べるのか、按田さん流・食べつなぎ方を教えていただきます。

わざわざ買い物に行かなくても、いちいち包丁で切らなくても、豆があれば大丈夫。おかずをおいしくボリュームアップして、かつ調理時間も短縮させてしまいましょう。

 


余った野菜を刻むだけ
ボリュームたっぷり豆入りかき揚げ


按田さん:
「揚げ物は面倒くさいと思う方もいるかもしれませんが、実は余ってしまった野菜をおいしく食べる優秀な始末料理。余りものでメインのおかずができてしまうので、私はよく作ります。おつまみとしてもうれしいし、蕎麦やうどんにもぴったり。

今日のうちに何とかしたかった長ネギと人参の切れ端を使い切れてほっとしました。豆が入ることでボリュームがアップするから、量としてもこれひとつで十分満足。じゃこがあったのもラッキーでしたね。入れるとうまみが加わるので。安売りの時に買っておいてよかった(笑)」

 

今回、按田さんが使い切りたい食材


(分量は1人分の目安)
ゆでた白いんげん豆…大さじ1
野菜(今回は長ネギ5cm、人参2cm)
ちりめんじゃこ…大さじ1
塩…ひとつまみ
小麦粉…約大さじ2
水…約大さじ2

※豆は蒸して塩をふっておいたものがあると便利
※野菜はその時あるもの、何でもOK
※ちりめんじゃこの代わりに桜エビを使ってもおいしい。なくても可

 

(STEP1)
余っている野菜を千切りにする。

 

(STEP2)
ゆでた白いんげん豆、ちりめんじゃこを1とあわせ、全体に塩と小麦粉を振りかけてよく混ぜてから、少しずつ水を加えてもったりとするまで混ぜる。

 

(STEP3)
一口ずつすくって熱した油に入れ、揚げる。

 


あとひとつ具材が欲しい時に
“豆づくし”がうれしい豆入り味噌汁


按田さん:
「とにかく、いつもの味噌汁にゆでた豆を入れるだけ。豆腐と味噌の大豆に白いんげん豆を合わせた“豆づくし”です。

味噌汁って、あとひとつ具材が欲しい時がけっこうありませんか? そういう時にゆでた豆があると、すごくうれしいし助かる。ゆでた豆が汁ごとある場合は、そこに味噌を溶いて味噌汁を作ることもあります」

 

今回、按田さんが使い切りたい食材

(分量は1人分の目安)
ゆでた白いんげん豆…大さじ1
煮干し…3匹
水…250㏄
豆腐…1/6丁
味噌…大さじ1

※いつも通り味噌汁を作り、具を入れるタイミングで豆も入れて作ると思えばOK

 

(STEP1)
鍋に水と煮干しを入れて弱火にかけ、出汁をとる。

 

(STEP2)
豆と豆腐を入れて、食材が温まったら味噌をといて完成。

出来上がったかき揚げと味噌汁を試食させてもらって、ちょっと驚きました。何にって、そのおいしさに。食べ慣れたよく知っている味。なのにどこか新鮮で、いつもと違った満足感があるんです。特にホクホクした豆の食感はクセになりそう。

豆をゆでておくだけで料理のレパートリーが一気にふたつ増えてしまったような、なんだか得した気分。すぐにも試してみたくなりました。

 

豆があれば、自炊をもっと合理化できる

冷蔵庫の余りものを生かした豆レシピ、いかがでしたか?

豆をゆでて何かを作ろうという発想ではなく、ゆでた豆をいつもの料理に加えてみる。それが按田さんが実践する「食べつなぎ」の方法のひとつです。

食事の気分や状況はいつだって変化するもの。食べようと思って豆をふやかしたけれどやっぱり明日にしようとか、ゆでた豆があるからわざわざ買い物に行かなくても揚げ物と汁物は作れるなというふうに考えを調整できる「豆」は、確かに自炊を合理化するための大きな助けになってくれそうです。

次回も引き続きの豆レシピ。今度は和食とは打って変わって、憧れの外国風豆料理を教わります。スパイシーでみんな大好き、あの煮込みが登場しますよ。

(つづく)

【写真】馬場わかな

 


もくじ

 

按田優子

料理家、『按田餃子』店主。1976年東京生まれ。菓子・パン製造、乾物料理店などを経て独立。土地の気候を生かした保存食についての探求がライフワークで、その土地独自の食品開発の仕事でペルーのアマゾンに通ったこともある。著書に『たすかる料理』(リトルモア)、『冷蔵庫いらずのレシピ』(ワニブックス)など。

 

ライター 片田理恵

編集者、ライター。大学卒業後、出版社勤務と出産と移住を経てフリー。執筆媒体は「nice things」「ナチュママ」「リンネル」「はるまち」「DOTPLACE」「あてら」など。クラシコムではリトルプレス「オトナのおしゃべりノオト」も担当。

 


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