【まめまめしい暮らし】第3話:豆カレーも、豆サラダも。実はとってもカンタンに作れます

白いんげん豆を使った豆カレーのレシピと、サラダの作り方をご紹介。外で食べるものだと思っていた外国風の豆カレーも、豆サラダも、ゆでた豆さえあれば実はとってもカンタン。余りものや買い置きの食材を賢く使って、憧れの味にトライしましょう!

ライター 片田理恵

憧れの “外国風” 豆料理、実は難しくないんです

料理家・按田優子さんに聞いた、豆で自炊を楽にする方法をまとめた全3話の特集です。第1話では白いんげん豆の下ごしらえについて、第2話では、余り野菜に豆を加えたかき揚げと味噌汁のレシピをご紹介。

第3話でも引き続き、取材時に按田さん宅にあった「使い切りたい食材」と、下ごしらえした豆を合わせたレシピ2つを取り上げます。

外で食べるものだと思っていた外国風の豆カレーも、豆サラダも、ゆでた豆さえあれば実はとってもカンタン。余りものや買い置きの食材を賢く使って、憧れの味にトライしましょう!

 


油もルーも使わず煮るだけ
鶏肉とトマトのうまみたっぷり豆カレー


按田さん:
「豆は、切ったり皮をむいたりせずに使える手軽なじゃがいもみたいなもの。煮込むととろみがつくので、カレーにぴったりなんです。ほかの具材は何でもOKですが、骨付き肉はいい出汁が出るから特にオススメ。材料をなベに入れて火にかけたらあとは放っておけるところも気に入っています。

豆のゆで加減は野菜と同じ。箸をさしたり食べたりしながら好みの硬さを探してみてください。個人的には、カレーは煮くずれてとけてしまうくらいがおいしいかなと思います」

 

今回、按田さんが使い切りたい食材

(分量は3人分の目安)
ふやかした白いんげん豆…1カップ
水…2カップ
野菜(今回は玉ねぎ1/2個、生姜大さじ1、トマト1個)
骨付き肉(今回は手羽元3本)
塩…小さじ2
クミンシード…小さじ1
ターメリックパウダー…小さじ2
青唐辛子…1本

※仕上げにバターやオリーブオイルを加えてもおいしい
※スパイスではなくカレー粉を入れてもおいしい

 

(STEP1)
一晩水につけてふやかした白いんげん豆を火にかけ、ゆでる。

 

(STEP2)
白いんげん豆にあらかた火が通ったら手羽元を加え、さらに10分煮る。

 

(STEP3)
肉に火が通ったら刻んだ玉ねぎとトマト、生姜、塩、クミンシード、ターメリックパウダーを好きなだけ加えて、10〜15分煮る。

 

(STEP4)
好きな煮詰め加減で火を止め、刻んだ青唐辛子を添える。

 


常備しているツナ缶と合わせるだけ
ハーブが香るさわやか豆サラダ


按田さん:
「今日はもう買い物に行きたくない!という時に助かるサラダです。常備しているツナ缶と玉ねぎだけで5分もかからずできてしまうから、わりとよく作りますね。味付けのアクセントに、台所の窓辺で育てているローズマリーを入れました。

酢が入っているので、1週間はこのまま冷蔵庫で保存することもできます。酢はゆでた豆をとっておく際にも助かる調味料。少量かけておくだけでもちがよくなるのに、味にはほとんど影響しません」

 

今回、按田さんが使い切りたい食材

(分量は3人分の目安)
ゆでた白いんげん豆…1/2カップ
常備食材(ツナ缶1缶、玉ねぎ1/4個)
ローズマリー…少々
塩…少々
酢…小さじ2

※好みでオリーブオイルを加えてもおいしい
※ローズマリーはパセリやバジルで代用可

 

(STEP1)
玉ねぎを荒みじん切りにして水にさらす。ローズマリーを細かく刻む。

 

(STEP2)
ゆでた白いんげん豆に水気を絞った玉ねぎ、刻んだローズマリー、塩、ツナ缶、酢を加えて混ぜる。

そうそう、これこれ!と思わず嬉しくなってしまう豆料理が、あっという間に完成しました。

見た目はもちろん、味もしっかり“外国風”。余り物や常備食材で作ったとは思えない本格的なおいしさで、これなら「わざわざ」作りたくなってしまうほど。急なお客様へのおもてなしにもぴったりです。

 

豆料理は、まめまめしくなくていい

按田さんに教わった豆の下ごしらえと料理は、私たちが抱いていた「豆」のイメージを大きく覆すものでした。

使う分だけふやかせばいい、ふやかしてもすぐ食べなくていい、ゆでた豆はいつもの料理にプラスしてみればいい。うれしい驚きと、そうだよねという安堵の気持ちが、凝り固まっていた「難しそう」というハードルを越えさせてくれたような気がします。

まめまめしくなくて大丈夫。ゆでた豆をそのままおやつ代わりにしたっていいじゃない。こうやって好きな味を身近にかんじる経験を重ねていくことで、自炊それ自体をもっと私らしく楽しめるようになるのかもしれません。

いつもは通り過ぎてしまうスーパーの乾物売場。今日はちょっとのぞいて帰りたい気分です。

(終わり)

【写真】馬場わかな

 


もくじ

 

按田優子

料理家、『按田餃子』店主。1976年東京生まれ。菓子・パン製造、乾物料理店などを経て独立。土地の気候を生かした保存食についての探求がライフワークで、その土地独自の食品開発の仕事でペルーのアマゾンに通ったこともある。著書に『たすかる料理』(リトルモア)、『冷蔵庫いらずのレシピ』(ワニブックス)など。

 

ライター 片田理恵

編集者、ライター。大学卒業後、出版社勤務と出産と移住を経てフリー。執筆媒体は「nice things」「ナチュママ」「リンネル」「はるまち」「DOTPLACE」「あてら」など。クラシコムではリトルプレス「オトナのおしゃべりノオト」も担当。

 


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