【住まいは語る】第3話:相対評価よりも絶対評価。「豊かな暮らし」ってなんだろう?

ライター 藤沢あかり

誰かの部屋を訪ねたとき、住まいにその人の生き方や人生観が詰まっていると感じたことはありませんか?

それならば魅力的に生きる人の住まいには、これまで歩んできた道のりや、暮らしの哲学が潜んでいるはず。

そんな内側を見せていただけたらとご自宅を訪ねるこの特集。今回は、ライフスタイルや食にまつわる企業のブランドやディレクションにフリーランスで携わる、鈴木純子さんのご自宅へ。

最終話となる3話目では、部屋に散りばめられたフランスの思い出を拝見しながら、「好き」を重ねていく豊かな暮らしについて伺います。

 

ものの魅力は、「人」の魅力。自然派ワインが教えてくれたこと

第2話でご紹介した、鈴木さんのもの選び。作り手の顔が見えるもの、変化を楽しめるもの。そしてルーツがあるもの、受け継いでいけるもの。それは、鈴木さんが愛してやまない自然派ワインのあり方にも通じます。

自然派ワインに魅せられ、年に数回、フランスの生産者をたずねることがライフワークとなり8年が過ぎました。ものの選び方だけでなく、生き方、考え方にも影響があったという、フランスでの出会い。その地で知った、人や自然、ワインの魅力とはどんなものだったのでしょうか。

▲各地で出会うワインは、大きなワインセラーに。なんと120本収容サイズ。

▲自然派ワインのエチケット(ワインのラベル)は、作り手の個性やメッセージの表れでもあり、まるでアートピースのよう。

鈴木さん:
「自然派ワインとは、大きくは有機栽培されたぶどうを原料に、昔ながらの自然な製法で造られるワインのことをいいます。

農作物や酵母など、その土地の自然を原料に造られます。私たちの身近なものなら、味噌や醤油もそうですよね。

土壌や気候、カーヴ(ワインの貯蔵庫)など、その土地や各年の天候、造り手がワインを造っているので、同じ畑、造り手であってもその年を反映し味が異なるものなんです」

▲壁のポスターは、フランス・ロワールで毎年開かれる自然派ワインのサロンで買ってきたもの。画家、ミッシェル・トルメのサインが。

鈴木さん:
「自然派ワインは、産地や造り手によって個性がとても出るんです。ワインそのものの味だけでなく、そこに向き合っている人の魅力が詰まっている。だから魅力的だし、造り手を訪ねたくなるんですね。

その土地に赴き、彼らと話をし、寝食をともにする中で知ったのは、自然と共存し、家族と畑、家畜を愛しながら豊かに暮らしているということ。みんな、シンプルな暮らしをしていながら、すごく幸せそうだし満ち足りているんです。

また、思う通りにならない自然を相手に仕事をする彼らを見て、環境に悪いことはしたくない、と頭ではなく心から思えるようになりました」

 

ものの後ろにある “人” の魅力に、価値を感じます

鈴木さん:
「味やデザインの良さは、ひとつの通過点です。それを追求するよりも、思想に共感できる魅力ある人が作っているものを応援したい、その人がつくっているからこそ、もっと知りたい。ものの後ろにいる”人”を感じることができたら、できるだけ長くその造り手を応援していきたい、と思うのではないでしょうか。

人も物も、その瞬間の良し悪しよりも、長い目で見て付き合っていきたい。点のつながりではなく、線でつながっていけたら素敵です。

ワインを通して、そんなものの選び方や生き方、お金で計れない価値を教えてもらった気がしています。

もの選びは『ルーツ』があるものが好きだとお話ししましたが、フランスへの旅を重ねるごとに、そういう気持ちが強まっているかもしれません」

 

「絶対評価」で生きていきたい

鈴木さん:
「フランスで出会う人たちはみんな、はやりものだからと買うことはないし、見方によってはケチかもしれません(笑)。でも、自分が何を好きか、何が必要かをしっかり熟知しているんです。

彼らのように、『相対評価』よりも『絶対評価』で生きていくことが、豊かな人生を送っていくひとつのヒントかもしれません」

▲つくりつけの棚の上には、香りものや日常づかいのアクセサリーなどを。

幸せの「相対評価」と「絶対評価」。

つまり、誰かと比べて感じるしあわせではなく、自分自身のなかに、しあわせのバロメーターを持つということです。

鈴木さん:
「わたしは好きなことには、とことんなんです。もうオタクですよね(笑)。自然派ワインをとりまく時間が好きでたまらなくて、人生の大事なインプットの経験として造り手を訪ねています。

だから年に数回フランスに行きますが、その反面、どこかに行かなくてもいい、この家にいるのが一番好き。一日中部屋にこもって本を読んでいてもしあわせです。

自然派ワインは、私にとって何が豊かなことなのか、それを教えてくれたのだと思います」

▲本を読んでいるときがしあわせだという鈴木さん。食と旅にまつわる本を手に取ることが多いとか。

自然派ワインがきっかけで開いた扉は、次々と新しい世界を鈴木さんに見せてくれました。それは、ものの選び方やインテリアだけでなく、生き方にも影響を与えつづける人生のスパイスに。

あなたにとっての「豊かな暮らし」ってなんでしょうか。何をしているときが、一番しあわせだと感じるでしょう。

その気持ちがなびく方へ、素直にたどりついた先に、居心地のいい暮らしが見つかるかもしれません。

(おわり)

【写真】濱津和貴


もくじ

第1話(6月12日)
主役はキッチン。人生の真ん中に「食」がある暮らし

第2話(6月13日)
完璧じゃなくていい。「だれかの好き」より「自分の好き」を信じるもの選び

第3話(6月14日)
相対評価よりも絶対評価。「豊かな暮らし」ってなんだろう?

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鈴木純子

アタッシェ・ドゥ・プレス。家電ブランド「アマダナ」を経て独立。現在は、老舗だしブランド「やいづ善八」や今治の「藤高タオル」など国内外のライフスタイルブランドのPRを担当している。現在は浅草橋に6月オープンする「CAFE / MINIMAL HOTEL OUROUR(カフェ アンド ミニマルホテル アゥア)」の立ち上げPRも担当。一方、フランスの自然派ワインの生産者めぐりはライフワークとなっている。Instagram: suzujun_ark

ライター 藤沢あかり

編集者、ライター。大学卒業後、文房具や雑貨の商品企画を経て、雑貨・インテリア誌の編集者に。出産を機にフリーとなり、現在はインテリアや雑貨、子育てや食など暮らしまわりの記事やインタビューを中心に編集・執筆を手がける。


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