【来年の私をラクにする大掃除】第2話:料理も洗い物もスムーズに!キッチンツールを見直す3つのポイント

編集スタッフ 岡本

何から始めたらいいか分からず、後回しにしてしまう大掃除。

今年は「やってよかった! 」と感じる瞬間が、掃除をしたあともずっと続く場所に限定して取り組むことにしました。

そこでこの特集では、日頃からきれいをキープするのが難しいと感じている、キッチンと洗面所の大掃除のコツをお届けしています。

「調味料と食材ストック」の大掃除をご紹介した第1話につづき、第2話では「キッチンツール」の片付けについて、ライフオーガナイザーの下村志保美さんにお聞きしました。

下村さん:
「第1話で実践した『調味料・食材ストック』のステップ同様、キッチンツールも一度すべて出した方が整理整頓しやすいですよ。

大掃除をいい機会に、戸棚の奥のものまで今の暮らしに必要かどうか見直してみましょう」

 


「やってよかった! 」がずっと続く
キッチンツールの見直し3つのポイント


いつ・なにに使うものか、言語化してみる

今回、手持ちのキッチンツールを見直す中で、どこに収納するか、捨てた方がいいのか、迷うことが何度もありました。

そのつど下村さんに問いかけられたのは、「いつ、何に使うものですか?」という言葉。

こう尋ねられてその物について考えてみると、どう対処すべきかがクリアになっていったのです。

下村さん:
「例えば、箸置きが家族の人数分以上あって、手放すか迷ったとしますよね。

普段の生活で、それをいっぺんに使うことはないはずです。でもいつ、何に使うのか聞くと『お客さんがきたとき、ご飯を一緒に食べることがあるので』と今ある数の箸置きが必要な理由が分かりました。

であれば、全ての箸置きを取り出しやすい場所に置いておかなくてもいいはず。来客分は「おもてなしセット」として、別場所にしまいます。こうして、同じカテゴリーの物でも、別々に収納した方がいい場合もあるんです」

 

使用頻度を3段階に分け、
収納を整える

▲休日に必ず使うホットサンドメーカー。よく使う割に取り出しにくい戸棚の奥にあったので、すぐ手に取れる場所へ移動。単純なことですが、毎週末のプチストレスから解放されました!

収納を整えるステップでは、「使う場所の近くへ」ということを前提に。

整える基準は、「よく使う」「たまに使う」「キッチンで使わないもの」の3つです。

ここで、はて?と、仕分ける手が止まりました。キッチンの戸棚からここで使わないものなんて出てくるのでしょうか?

下村さん:
「日常的に『よく使う』キッチンツールは、もっともその物に適した場所へ収納します。

ミキサーなど電源が必要なものはコンセントが近くにある棚へ移動するだけでも、動作がスムーズになりますよ。

次に、『たまに使う』ものですが、出番のタイミングが同じものはまとめて収納しておきましょう。例えば、ピクニック用として準備した弁当箱や水筒、紙ナプキンなどは、持っていることを忘れてしまうので、同じ場所で管理します。

こうやってよく使うものから収納場所を決め、その余白に優先順位の低いものを収納しましょう」

▲よく使うタッパーやボウルはシンク下1段目に収納。タッパー類は容器とフタをセットにしておくと、使うときにフタが見つからないなどのモヤモヤがなくなるそう。

下村さん:
「そして片付けていると、『キッチンに置いていなくてもいいもの』が出てくることがあるんです。コンビニなどでもらった割り箸やスプーンは、使わないでとっておくわりに、日々使う場面ってないですよね。

使わないなら捨てる、という選択肢もありますが、災害時などもしもの時にはあると便利なアイテムです。であれば、災害用リュックなど、それ専用の場所にしまっておきましょう」

 

平面ではなく、立体的に収納する

収納が少ない我が家のキッチン。スペース自体を広げることはできないから、収納量を増やすことは諦めていました。

けれど今回、もっとも使いやすい場所にあるシンク横の引き出しの容量を、約2倍に増やすことができたのです!

そのおかげで、2ヵ所の引き出しに入っていたキッチンツールを、ひとつの引き出しに集約でき、料理中や洗い物のあとの動線がスムーズになりました。

下村さん:
「平面的に使用していた引き出しを、2段にし立体的に使うことで、容量をアップすることができますよ。

あらかじめ備え付けられた仕切りはデッドスペースを生みやすい作りだったので取り外し、無印や100円均一の小さなトレーを組み合わせて、引き出しにぴったりの仕切りを作り直しました。

日頃よく使うものは上段に、使用頻度の低いものは下段にすれば不便さもありません。

収納が少ないキッチンはデメリットに感じる方が多いのですが、管理するスペースが少なく済むので、メリットでもあるんです。

空間を有効活用すれば、コンパクトなキッチンでも十分な量を収納することができます」

Before

▲これ以上物を入れると使いづらくなってしまうため、中途半端に分けて別の引き出しに入れていました。

After

▲手前に使用したのは、無印良品のポリプロピレンデスク内整理トレー、その他は100円均一です

 

自分に合う収納を考えるのが苦手です……

雑誌やSNSで便利な整理術を目にしては、いろいろ試すけれど、なぜか我が家のキッチンにフィットしないということが何度かありました。

「自分にとっての使いやすさ」を見つけるのって難しい!そう思ってしまいます。

下村さん:
「使いやすい収納は、人それぞれで違います。まず考えるのは、今一番困っていることは何か、ということ。

料理中、ボウルが取りづらいと感じているなら、その使いづらさの理由を深掘りして考えます。

引き出しの2段目に収納していて、出すまでのアクションが面倒だということが分かれば、1アクションで取れる場所に変えれば解決しますよね。

メディアなどで見るすてきな整理収納術を参考にして、真似するのはとても大切な一歩です。

でも合わないと感じたら、潔く手放しましょう。自分なりにカスタマイズを重ねることが、納得のいく『使いやすさ』に繋がっていくはずです」

▲毎日立つキッチンが自分仕様に。大掃除は体も頭も使うことを知りました。

2話にわたってキッチンの大掃除をお届けしました。

今回ご紹介したコツが「自分にとっての使いやすいキッチン」を作るヒントになれば、嬉しいです。

第3話は、洗面所の大掃除について。

家族みんなが使い、きれいをキープするのが難しい場所だからこそ、仕組みづくりが大切だそうですよ。

(つづく)

【写真】鍵岡龍門

もくじ

下村 志保美

投資顧問会社勤務後、出産を機に主婦に。友人へ整理・収納のアドバイスをしたことがきっかけとなり、ライフオーガナイザーの資格を取得。現在は、空間・情報・こころを整えてゆとりある暮らしをサポートする「PRECIOUS DAYS」を主宰している。夫と娘の3人暮らし。 https://rakulife.jp/


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