【ランニングはじめ】後編:ポイントは「腹八分目」?ラクに走るコツと、長続きの秘訣
編集スタッフ 石川
毎日軽やかに過ごしたいから、ずっと始めたいと思っていた「ランニング」。とはいえ、手を出すたびどうしても三日坊主に。
ランニングを、今度こそ暮らしに根づかせたい。そんな想いから、無理しない「ランニングのはじめかた」を、ランニングアドバイザーの真鍋未央さんに、全2話にわたって教えてもらっています。
後編では、具体的な走りのフォームや、これから長く続ける秘訣について、お話をお聞きしました。
走る前に!まずは「体のコリほぐし」から
真鍋さん:
「いきなり走り出す前に、まずは柔軟で体をほぐしておきましょう。
実はランニングというのは、体全体を使った運動。なので、体のこり固まっているところを、先に動かしてあげる必要があるんです。
特にやってほしいのが、肩甲骨と股関節のコリほぐし。走る前に取り入れると、動きのスムーズさが変わってきますよ」
姿勢づくりに効果的な
「肩甲骨ほぐし」
軽く歩きながら、写真のようにテンポ良く腕を上下させる。
ポイント
・おへそを薄くするイメージで。
・上にあげたときは手のひらを内側に、下ろしたときには手のひらを外側に向ける。ぐっと肩甲骨が寄る感覚があればOK。
▲肩甲骨が寄っている状態。
足の運びが変わる
「股関節ほぐし」
①片足を後ろに引き、軽く上げる。
②上げた足を大きく横に開く。
③足を前に出す。
④前に出た足を軸にして、今度は逆の足で始める。
ポイント
・頭から足までが一直線になるよう、姿勢はわずかに前傾を意識。
・体の横にある障害物(ハードルなど)をまたぐイメージで。
真鍋さん:
「肩甲骨ほぐしは姿勢づくりに効果的。また股関節ほぐしには、脚全体を使えるようにする目的が。
実は、足先だけを使って走ってしまうと、ふくらはぎだけが太い『ししゃも脚』になりやすいんです。脚を付け根から動かせるよう、はじめにしっかりとほぐしておきましょう」
心地よく走れる「正しいフォーム」って?
自己流に頼らずきちんと正しいフォームで走れば、想像以上に苦しさを感じず、予期せぬケガも防げるのだそう。
完璧に再現できなくとも、まずは意識してみるだけで走りが変わってくるとのことですよ。
▲左:着地したところ、右:重心を前に移動し次の足を出そうとするところ
姿勢は?
・体全体はやや前傾する意識で。
・上半身を起こし、胸を張る。これで呼吸がしやすく、息が上がりにくくなる。
着地のポイントは?
・足は体の前ではなく、体の真下につく。
・足の裏全体で地面をとらえるようにし、その後つま先の方へと重心を移動。
▲足の裏全体で地面をとらえられている状態。
真鍋さん:
「スピードがないと完全に前傾姿勢になるのは難しいため、ゆっくり走る場合は意識だけでOK。あくまで姿勢を正すイメージが大事です。
着地については、つま先やかかとから足をつかないように注意。初めからできなくても大丈夫なので、反復して、感覚を覚えるようにしましょう」
雨の日にも◎ 「ながら」体幹トレーニング
体の軸がぶれにくくなると、よりスムーズに長く走れるのだそう。そこで、簡単な体幹トレーニングを教えてもらいました。
TVを見ながらできるようなシンプルな動きなので、雨の日には、ランニングの時間をこの筋トレにあてても良さそうです。
腹筋やインナーマッスルをきたえる
「プランク」
▲「誰でもできますよ〜」とのやさしい励ましの声に、私・スタッフ 石川もチャレンジしてみました。
うつ伏せになった状態で、前腕、肘、つま先を地面につき、
ポイント
・背中は板のように平らに。腰が落ちたり、上がったりしないよう。
・目安:1回30〜60秒 × 3セット
(秒数は自分のレベルに合わせて変えてOK)
もも、お尻を引き締める
「お尻上げ」
体育座りの状態から寝そべり、お尻を持ち上げる。
ポイント
・太ももの内側とお尻をしっかり締めるように。
・目安:10〜15秒× 3セット
(秒数は自分のレベルに合わせて変えてOK)
真鍋さん:
「太ももの内側を意識するのが難しい場合は、膝の間に小さく軽いものを挟んで、落とさないようにしてみるのも手。ペットボトルや水筒でもOKですが、タオルを使うのが1番のおすすめです」
続けるコツは「もうちょっと走りたかった」と思うこと?
真鍋さん:
「長く続けるためのひけつは、『腹八分目』でトレーニングを終えることです。
最初にお腹いっぱいまで走ってしまうと、それで満足して続かなくなりがち。でも『ああ、もうちょっと走りたかったな』で止めておけば、翌日も自然とまた走りたいという気持ちがわいてきますよ。
もう1つのコツは、目に見える、具体的な目標を持つこと。
例えば、なりたい体型を想像することでもいいし、ランニングアプリを活用して記録をつけるのも◎。走行時間や距離を自動で記録してくれるアプリも多く、たまに過去のデータを見返してみると、自分の成長を数字で実感できます」
真鍋さん:
「他の人と記録をシェアしあえる、ランニングのSNSアプリを使うのも良いですね。
ただ、他人と比較するとむしろ落ち込んでしまうという人は、自分で決めた『1日何分』という小さな目標を、コツコツクリアしていくだけでも十分。
ランナーは人それぞれですし、ランニングにもこれが正解!というものはありません。ランニングはあくまで自分のためにやるもの。だからこそ、自分に合っているやり方を選んでみてください」
体を動かす意識は、暮らしの中にも
真鍋さん:
「仕事や家事が忙しくなると、どうしてもランニングをしない日ができてしまう、というのもよくあるパターン。
私自身、ランニングに行けない期間が長引くときは、階段を使うようにしたり、自転車で行く場所に歩いて行ってみたりと、暮らしの中でなるべく体を動かすようにしています。そうした積み重ねがあれば、少し間があいたくらいなら問題ありません」
真鍋さん:
「とはいえ、体の感覚をなまらせないよう、できれば1週間に1回は短い時間でも走ることをおすすめします。
もしできない期間が長くなる場合は、『走れる体』を維持できるよう、前編でお話しした正しい姿勢づくりの習慣は続けてみてください。
体を動かす方法はそのときの自分の状態と相談しながら、無理のない範囲でOK。とにかくまずは『楽しいな』と思えることが1番です」
取材の後、まずは1日30分動き続けることを目標に、ランニングをはじめた私。仕事終わりに、その日の調子に耳を傾けて、走りや歩きの配分を調整しながら。
すると「ちょっとずつだけど、今日も走れた」という積み重ねからか、「なんだか私、いい感じ!」とわずかに自信を持てるようになったこの頃。
そうか、ランニングに「つらさ」を感じていたのは、自分で勝手にハードルを上げてしまっていたからなのかも。
「ランニングの気楽なはじめかた」を知れたら、走りに出かける足取りだけじゃなく、日々を過ごす心も今までよりずっと軽やかになった気がします。
(おわり)
※公園や公共施設でランニングを行う際のマスクやフェイスカバーの着用等につきましては、実際の施設のルールに従ってください。
もくじ
【写真】鍵岡龍門
真鍋未央
福岡県出身。学生時代は中・長距離の陸上選手として活躍し、卒業後は資生堂ランニングクラブに所属、マラソンに転向。現在はランニングアドバイザーとして、自身のランニングイベント「miobiRun」を定期的に開催するなど、初心者ランナーの裾野を広げている。
著書に『キレイになるランニング』(青春出版社)、『週1回のランニングでマラソンは完走できる!』(池田書店)。Instagram: @mio_manabe
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