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【今日も明日もおしゃれ】第2話：小さな一歩が変えた、着こなしの幅

ライター　藤沢あかり

ちょっと気分があがる、なんだかうれしい。そんな気持ちをつくる、おしゃれの力。

毎日の暮らしのなかで、実験のようにおしゃれを楽しんでいるイラストレーターの堀川波さんをたずねています。

1話目では、髪色や体型の変化を味方につけて、新しいおしゃれを楽しむ様子をお届けしました。今回は、堀川さんの行動が変えたおしゃれの話。一体何が変わったのでしょうか。
第1話をよむ

どこまでも歩けるヒールが、新しい自分を連れてくる

前回、髪色の変化で選ぶ服の色も変わった、というお話をお聞きしましたが、靴もまた、おしゃれを変えるきっかけになったといいます。

堀川さん：
「最近はぺたんこ靴がメイン。ヒールは疲れるし、もう履くことはないと思っていました。でも、じっくり探せばあるものですね。履きやすくて、これなら1万歩でも歩ける！と思えるヒール靴に出合えました。わたしは背が153センチと低めなので、ちょっと高さを出せるとやっぱりうれしいです」

人間工学に基づいた靴作りをするメーカーなら、と試してみたら驚きの歩きやすさだったそう。ちなみにいまは、黒色と木のコンビネーションのデザインがお気に入りなのだとか。

▲運命のブーツは、ダンスコの「MARIA」。デニムは、当時高校生だった娘さんと一緒に、大阪の古着屋で見つけたもの。フリルのブラウスとヒールで、甘×辛バランスに。

靴が変わると、洋服にも変化がありました。

堀川さん：
「ロング丈のスカートばかりだったのが、ヒールがあればミモレ丈のような少し短いデザインも履けるようになりました。デニムとのコーディネートも楽しいです。ブカブカデニムとヒールの組み合わせが、最近のお気に入りです」

週に一度の庭仕事を、おしゃれに楽しむ

暮らしの新しい習慣も、おしゃれの世界を広げてくれました。写真は、庭仕事の日に着るオーバーオール。

堀川さん：
「友人の紹介で、近くにある施設の造園をお手伝いするボランティアを始めました。造園といっても、花を植えたり、伸びた枝を切ったりといった庭仕事です。

オーバーオールは、ちょっと手が出ない価格だったのでオークションで。見つけたときはうれしかったです。こちらはメンズですが、6分袖の薄手ニットやカットソーを合わせてゆったり着ています。

最近は、運動不足解消も兼ねて自転車で通うようになりました。でも自転車に乗るような服をあまり持っていなくて。だからいまは、自分が納得できて気分が楽しくなる、庭仕事や自転車にぴったりの服を探しているところです」

堀川さん：
「以前、ホットヨガを習っていたとき、ヨガそのものは楽しいのに、どうしてもヨガウエアになじめなくて……どこか気持ちに無理がありました。そういう意味でも、着るものって大事だと感じています。

ヨガは汗を流そうと頑張るという感じでしたが、庭仕事は自分の内側からやりたい気持ちが湧きでてきて、自然と動きながら汗をかけます。それに植物を触っていると楽しいんです。原っぱの草で遊んでいた小さなころの自分を心の奥に見つけたようで、うれしくなりました」

変わりゆく環境に、身を任せながら

堀川さん：
「ここ数年で、自分のまわりの世界が一気に変わりました。娘はこの秋からひとり暮らしを始め、息子も高校生。手がかからなくなり、新しいことに目を向ける余裕が出てきたのだと思います。

庭仕事を紹介してくれたのも、最近親しくなった方。子育てが落ち着いてきたいまだからこそ、やってみようと思えました。子育て以外の仕事や趣味を通じて、新たに仲良くなれたのもうれしいし、いまは昔の自分に戻って好きだった趣味を思い出したり、新しいドアを開いたりするような感覚です」

軽やかに行動を変えたら、おしゃれも気持ちもぐんと上向きに。堀川さんのお話を聞いていると、明日が待ち遠しく、ワクワクしてくるのを感じます。

次回は、メイクやアクセサリーなど、おしゃれを楽しむ小物選びをお届けします。

【写真】滝沢育絵

1971年大阪生まれ。イラストレーター、手工芸作家。等身大の暮らしや気づきをイラストやエッセイで綴るかたわら、各地に郷土玩具や手仕事を伝える活動も。『48歳からの毎日を楽しくするおしゃれ』(エクスナレッジ)、『かわいい背守り刺繍』『籐で作るアクセサリーと小物』(ともに誠文堂新光社)など、著書も多数。Instagram：@horikawa._.nami

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