【揚げもの上手になりたい】第1話:大人もペロリ。胃もたれしらずの軽やかな「とんかつ」

編集スタッフ 壽山

いつ食卓に並べても家族によろこばれる揚げもの。できることなら気軽に作りたいけれど、あと始末や片づけのことを考えたら、やや気後れしてしまう。私にとっては気合いが必要な料理のひとつでした。

そんなとき料理家の 大庭英子 ( おおばえいこ ) さんの揚げものレシピに出会って、過去一番おいしい揚げものを、なんだかとってもラクチンに作ることができたのです。

大庭さんのレシピには、シンプルだけどちゃんと美味しくなる知恵や工夫が散りばめられていて。今回あらためて揚げもの上手になるための秘訣を教われたらと、全2話でレシピとコツをお届けします。


油に入れて4分。とんかつは、時短料理なんです

大庭さん:
「とんかつは4分もあれば揚げられるので、じつはかなりの時短料理なんです。下準備や片付けが気楽にできる流れをつかんでしまえば、忙しいときこそ夕飯づくりがラクになると思いますよ。

油がもったいないという声をよく聞きますが、揚げる素材の順番に気をつければ、油はくり返し使えます。出来合いのものを買うより経済的でおいしいですし、家で揚げると胃もたれもしづらいです。

揚げものが美味しくなるポイントをお伝えしますので、献立づくりの一助になればうれしいです」



大人もおいしく食べられる。
さっくり軽やかな「とんかつ」


材料(2人分)

・豚ロース肉...2枚
・塩、こしょう...各少量
・小麦粉、溶き卵、パン粉...各適量


1.肉の筋きりをする

豚肉は調理する30分〜1時間前に室温に戻しておく。素材を室温に戻すことで、揚げる時間が短くても、中までしっかり火が通る。

脂身を手前にしてまな板におき、脂身と赤身の間にある筋を切るように縦に切り込みを入れる。切り込みを入れると、肉の縮みや変形を防ぐことができる。


2.衣をつける

豚肉に塩・こしょうをして、衣をつける前に余分な水分をキッチンペーパーでふく。水分をふくと、衣がつきすぎず、軽やかな食べ心地になる。

小麦粉をたっぷりつけて、手ではたくように余分な粉を落とすと、衣が分厚くなりすぎない。

大庭さん:
「キッチンペーパーの上で小麦粉をまぶすと、そのまま捨てられて洗い物の手間が省けますよ」

溶き卵にサッとくぐらせパン粉をつけたら手で軽くおさえて衣を密着させる。


3.揚げる

深さのあるフライパンに1/2まで油を入れて熱し、時おり菜箸でかき混ぜてムラなく温度をあげる。

大庭さん:
「菜箸を油に入れて、ジュワッと気泡が出たら油が温まったサインです」

▲直径26cmくらいのフライパンなら2枚ずつ揚げるのがベスト。一度に揚げる量は、表面積の半分くらいを目安に◎

衣をつけた豚肉を入れて、きつね色になるまで2分ほど揚げたら裏に返し、さらに2分ほど揚げれば完成。

大庭さん:
「トータルで4分を目安にしてください。揚げすぎると肉が固くなりますし、肉汁が出て油がハネてまわりが汚れたりしますから。4分だと短いのでは?と言われたりしますが、余熱で火が通るので大丈夫ですよ」

▲分厚いロース肉も4分でしっかり火が通っていました

いつも火が通ったか不安で、焦げ茶色になるまで揚げていた私にとって、4分はかなり衝撃的な短さ。

試食すると、たしかに中までしっかり火が通っていて、お肉はしっとり柔らかくて、衣はサックサク! とんかつとは思えないほど軽やかな食べ心地でした。

家族はよろこぶけれど、正直、揚げものは重たいなあと思っていたのですが……大庭さんのとんかつはペロリと完食できて、翌日もまったく胃もたれせず、揚げ方でこんなに違うものかとびっくりしました。

大庭さん:
「油をしっかり熱して短時間でカラッと揚げれば、衣が油をそんなに吸わないので、大人もおいしく食べられます。衣が分厚くなってしまうのも、胃もたれの原因でしょうか。

肉の水分をしっかり拭き取り、小麦粉をはたいて薄づきにして、パン粉も余分なものを落として揚げれば、サクサクだけど軽やかなトンカツになりますので、ぜひ試してみてください」


油をくり返し使うためには「揚げる順番」が大切

大庭さん:
「油をたっぷり使うのは勿体ない気がするとよく言われますが、揚げカスをすくって、オイルポットで汚れを濾したら、2度3度とくり返し使えばいいんです」

▲日光は酸化の原因になるので暗所で保管するのがおすすめ

大庭さん:
「私は油が汚れづらい食材から順に揚げるようにして、3回くらいは使い回します。

たとえば『野菜のかき揚げ→トンカツ→からあげ(下味つき)』の順でしょうか。下味付きのからあげは油が汚れるので、最後に揚げるようにしています。魚介類も揚げると油に匂いがつくので最後にします。

捨てどきの目安は匂いの変化と、色が濃くなってきたときです。私はよく揚げものをするので、だいたい1ヶ月くらいは保管して使い回していますよ」

今回揚げものをラクにする流れを教わって、前より頻繁にとんかつを作るようになりました。きつね色に揚げられたときの喜びと、家族が手放しでよろこんでくれる場面が心に積み重なり、揚げものへの意識が変わりつつあります。

大人も美味しく食べられるとんかつレシピ、ぜひ一度お試しいただけたらうれしいです。


【写真】濱津和貴




もくじ

第1話(5月21日)
大人もペロリ。胃もたれしらずの軽やかな「とんかつ」

第2話(5月27日)
失敗しらず。カリっとジューシーな「からあげ」




大庭英子

料理研究家。身近な食材を使い、シンプルで、おいしい家庭料理を数多く提案。普段の料理がぐっと美味しくなるポイントやコツをおさえたレシピに定評がある。40年以上にわたり第一線で活躍し続け、料理の圧倒的な美味しさでファンも多い。著書は「おいしい家庭料理の作り方(学研)」など、多数。


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