【楽ちんお掃除レッスン】後編:掃除がイヤでたどり着いたコツ。実はほとんどの掃除は「5分以内」でおわるもの?
編集スタッフ 野村
年末が近づき、いよいよ大掃除シーズン。
「やらなきゃ」という気持ちはあるけれど、大変さに諦めてしまったり、見えるところだけをとりあえず掃除して、あとは来年の自分に責任を投げてしまうことも。
そこで今回はナチュラルクリーニング講師の本橋ひろえさんに、掃除のために知れると心強くて、嬉しい知識やアイデアを教えていただきました。
前編では、掃除の基本と必要な洗剤について教わりました。
後編の今回は、その知識を活かした窓掃除やキッチン掃除の方法、コツコツ掃除継続の秘訣について、詳しく教わりたいと思います。
大掃除のいらない家の近道は、「3分掃除」
本橋さんのお家では、大掃除はどのようにされているのでしょうか。
本橋さん:
「我が家では、コツコツ掃除の積み重ねの結果、大掃除が不要の家になりました。
実は、私はもともと掃除嫌いな人間なんです。なるべく掃除に時間も手間もかけたくないと思っています。
そんな掃除嫌いの私がたどり着いたラクで時間がかからない掃除法は、5分以内で終わるちょこちょこ掃除を、なるべく毎日積み重ねることでした」
本橋さん:
「私が毎日やっている掃除は、トイレと玄関の掃除。それからハンディワイパー片手に家中のホコリ掃除。
また、1日1回は蛇口やシンクの水滴を拭き上げる、お風呂から最後に出る人になったら、浴室全体をシャワーで流して、スクイージーで水気を拭き取る。
こうして挙げていくとたくさんやっているように見えるかもしれませんが、どの掃除もかかっている時間は3分だけです。
どの場所も久しぶりの掃除だと3分で終わらないかもしれませんが、毎日やればたったの3分で掃除ができます」
本橋さん:
「3分で終わる掃除、と聞くと気が楽になる気がしませんか?
こんな風にかかる時間が具体的に何分か分かると、掃除に手がつけやすくなります。
たとえば10時から観たいドラマがあるけれど、まだあと10分あるという時。3分で終わる掃除があると思えると、じゃあやってしまおう、という風に動けるかもしれません」
窓掃除だって、1日1枚でいいんです
本橋さん:
「5分以内で終わる掃除であれば、取りかかるハードルがぐっと下がると思います。私自身も5分以上かかるような掃除がある場合は、大きな山を切り崩すイメージで、掃除を小分けにしています。
たとえばキッチン全部を掃除するとなると、1時間以上はかかるかもしれません。
でも排水口の周りだけをキレイにしようとか、コンロの部分だけを拭こう、と考えると、それぞれの掃除には5分もかからずできると思います」
本橋さん:
「なので、掃除のコツは、一気にたくさんやろうとしないのが、まずはじめの第一歩ですね。
窓掃除も、一度に家中の窓を全部キレイにしようと思うと大変ですよね。でもガラス1枚にすれば、3分ほどで終わるので、1日1枚ずつキレイにしていくだけでいいと思うんです。
今日から毎日1枚ずつ掃除すれば、年末までには家中の窓がキレイになると思いますよ」
窓掃除、実践するならどんなふう?
窓も1日1枚でいいんだと考えると、何だか気が楽になってきました。ではその窓掃除はどんな風に実践すればいいでしょうか?
本橋さん:
「窓ガラスにつく汚れは、室内側だとホコリとアブラ汚れ。外側だと、砂や泥など洗剤が特にいらない汚れ。道路沿いのお家であれば、排気ガスなどのアブラ汚れがつくことはありますね。
なので窓掃除の流れは、この通りです。
・室内側と外側を、水で拭き掃除。
・水をはじく箇所(アブラ汚れ)があったら、洗剤を使って掃除をする。
これだけで十分キレイになります。
アブラ汚れは、重曹もしくはアルコールが効果的なので、重曹水*に浸したクロスなどで、水をはじいていた箇所を拭き上げる形でOKです」
*……重曹水の作り方は、前編でご紹介しています。
本橋さん:
「アブラ汚れは、水よりもお湯の方が落としやすいんです。食器洗いを思い出してもらうとイメージしやすいと思います。
なので窓についた手垢などのアブラ汚れも、お湯で絞ったクロスで拭くと、すばやくキレイになりますよ。
『あたたかさ』は気温にも言えることで、空気が冷たいとアブラ汚れは固まって落ちにくくなります。だから、実は年末の大掃除は向いていなくて、ゴールデンウィークごろなど、初夏に行う方が適しているんです」
30分で終わる、キッチンの楽ちん大掃除
本橋さん:
「冬は大掃除に不向きな季節、とはいえ家の中はキレイにしたいですよね。
そこで私がご紹介している掃除法でも、いつでも実践しやすいキッチンシンクを使った掃除法があるので、そちらをご紹介しますね。
キッチンの蛇口は給湯器のお湯が出せるので、アブラ汚れの掃除に効果的なんです」
使う洗剤
・過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)
掃除の仕方
・キッチンのシンクに、60℃のお湯をためる
・大さじ2〜3の過炭酸ナトリウムを溶かす。
・洗いたいもの(換気扇の部品やコンロの五徳、オーブンの天板など)をつける。
・30分ほど置いて、お湯が冷めてきたら、ためたお湯を捨てる。
・つけ置きしていたものたちを、クロスやスポンジを使って洗う。
ポイント
・お湯の量は洗いたいものが浸かる程度の高さになるまでためてください。
・アルミ製品にアルカリ性の洗剤を使うと変色の恐れがあるので、アルミ製のものはつけずに、中性洗剤で洗うようにしてください。
△シンクにお湯をためるにはビニール袋が1枚あればOK。排水口の口にビニール袋をしき、その上から受け皿を被せる。お湯をためると水圧で密着して栓をしてくれます
本橋さん:
「この掃除のいいところは、つけ置き洗いしたものだけじゃなくて、シンクや排水口の掃除も兼ねられるところです。
過炭酸ナトリウムの力で、シンクの汚れも一緒にキレイにできますし、排水口から一気に大量の水が流れることになるので、水圧の力でパイプ内の詰まり防止の効果も期待できます。
1〜2ヶ月に1回でも、定期的につけ置きをしてお湯を落とすという掃除をしておくと、洗いたいものだけじゃなくて、シンクと排水口もキレイに保ちやすいですよ」
本橋さん:
「つけ置きしている間に余裕があれば、蛇口やコンロ周りもあわせて行ってもいいですね。
蛇口にはクエン酸水*をスプレーして拭く。1週間に1回程度、この掃除をしておくとピカピカの蛇口を保てます。
コンロ周りは重曹水*に浸したクロスで拭き掃除をしてあげると、アブラ汚れがすっきりキレイになりますよ」
*……クエン酸水と重曹水の作り方は、前編でご紹介しています。
***
どこか腰が重かった大掃除も、家の中の汚れについての対処法を知り、大掃除を小分けにしてみるだけで、自分の手にも負える仕事のように感じられてきました。
年末まではまだ少し日にちがあるので、ちょっとずつの掃除を積み重ねて、家の中に今よりもきれいな場所を増やしていきたいなと思っています。
(おわり)
【写真】井手勇貴
もくじ
本橋ひろえ
ナチュラルクリーニング講師。北里大学衛生学部化学科卒業後、化学薬品企業に就職。出産後、専業主婦となるが、自身と子どものアトピー体質をきっかけに、掃除や洗濯、洗剤を化学的に解説するナチュラルクリーニング講座をスタート。著書に『ナチュラルおせんたく大全』(主婦の友社)など。
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