【ノルウェー日記】わたしが一年主婦をしてみて、今思うこと。
ライター 桒原さやか
突如できた、わたしの時間。
就職をきっかけに東京に引っ越して、そこからおおよそ10年。
ずっと働いていましたし、これからも働くものだと思っていました。
ところが、ノルウェーに移住することが決まり、突如仕事をやめることに。時が過ぎるのは早いもので、気がつけばノルウェーで主婦になり一年がたちます。
今までバタバタとしていたのに、突然できた自分の時間。
もともと寂しがりやで、悶々と悩みがちな性格でもあるわたし。(ここで書くのもはずかしいのですが)
さみしくて心が病んじゃうんじゃないの……?と、親と友人からも相当心配されていました。
思ったよりも、元気にやっています。
友人に最近どう?と聞かれたら、こんな風に答えています。
「わりと元気にやっているよ〜」
なんともザックリしていますが、本当にこれが今の私の本音だなぁと思います。
もう少しくわしくお話しすると、こんな感じなのです。
ときどきは、ズーンと落ち込む日がある。
それはだいたい、朝の気持ちで決まるような気がします。
夫が会社に行くのを見送った後、なんだかやる気が起きず、思わずテレビをポチり。
一度ダラダラしてしまうと、そこからなかなか戻れずに、気づいたらもう夕方に……。
仕事をしていた時は、たまのご褒美だわ〜と思えていたものが、今はかなりの罪悪感を感じます。
そんな日は、明日こそは!と心にちかって寝るのです。
夫のひとことに、救われている。
わたしがお風呂場などを掃除したら、夫は大体気づいて「すごい!ピッカッピカ!新品かと思った〜」と、ちょっと大袈裟なくらい褒めてくれます。
家にいる時間が長いので、わたしが家事をするのは当たり前だと、私自身思ってます。でも、そこを当たり前にしないでくれることに(わたしが働いていたときと同じ反応をしてくれる)やさしさを感じます。
わたしも役に立てているかなと、嬉しくなります。
友人の価値観に、感謝しています。
北欧では女性も働くことが当たり前ですから、仕事に対するプレッシャーは少なからずあります。
でも、ここで出会った友人たちは、働くことに対して、大きく言うと人生に対しても「こうならなきゃいけない」という考えを持っていなくて、とっても楽なんです。
あなたがいいなら、いいじゃない。そういう考えがあってもいいよね!と。
そんな友人たちのおかげで、自分は自分だと焦らずに、のびのびとできている気がします。
わたし、ちょっと進歩したかも?
今は言語の勉強をしていて、ときどき、うれしい瞬間があります。
それは今までわからなかったことが、わかった!と気づいたとき。
小さくても自分の成長を感じるだけで、すごくホッとするんです。
ぐるぐると考えるのは、これからのこと。
そんなわけで、わたしの主婦生活は悩みつつも、思っていたよりも元気に楽しく過ごしています。
時間に余裕ができたからか、前よりも夫にやさしくなったような?
とはいっても、子育てをしているお母さんたちは、もっと慌ただしく一日が過ぎていくんだろうなぁとも思います。
でも、主婦になってわかったことは、仕事をしないと味わえない満足感があること。
そして、わたしの場合は、仕事をしている方が、自分が元気に過ごしていけそうだなぁということも。
というわけで、これからも自分にできることを根気よく探してみようと思っています。
まだまだ課題はたくさんありますが、諦めずに淡々と!が今の目標です。
白夜がはじまり、夜中も明るくて不思議。まだまだ慣れそうにありません。
ライター 桑原さやか
『北欧、暮らしの道具店』で、お客さま係として6年間働いていた元スタッフ。旅が好きで、冬の旅行で訪れたノルウェーの北極圏にある町、トロムソに一目惚れ。スウェーデン人の夫と共に、2016年6月より移住をはじめている。
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