【木曜日になったら、純喫茶】自慢のタマゴサンドをほおばりながら、読書の寄りみち


月1でおすすめの喫茶店をご紹介する連載「木曜日になったら、純喫茶」 第4回をお届けします。
7月。雨が続く季節も終わり、本格的な夏を迎えようとしています。太陽がまぶしく照りつける暑い日は、涼しい喫茶店へ避難しませんか?
お気に入りの本を片手に、しばし読書なんていうのも良いかもしれませんね。
そんな夏の日に私が訪れたいのは、こんな喫茶店です。
タマゴサンドを片手に。
小説を持って出かけたい純喫茶

今回おすすめしたいのは、四ツ谷の駅前に佇む純喫茶 「ロン」。
目をひく重厚な外観は、ある著名な建築家によるもの。建築を学ぶ人たちの間でも人気なお店で、外観の写真を撮っていく人の姿を頻繁に見かけます。


「ロン」 は、1階と2階をつなぐ吹き抜けがある、ちょっと珍しいつくり。
地下にもぐるタイプの純喫茶も好きですが、こうして2階席のあるお店に出会うと嬉しくなります。
「1階のほうがマスターとお話できるかな……」と思いつつ、店の奥にある螺旋階段をくるくる上がり、2階席に座るのが常。


赤い革張りの椅子、時代を感じる飴色の壁、そして、ほどよい明るさで照らすランプ……。
さらに1日を通して店内に流れているのは、マスターの大好きなザ・ビートルズにマイケルジャクソンの曲。
読書に没頭するには、うってつけの空間です。


読書のおともには、お店自慢のタマゴサンドもおすすめ。
パンに挟んだ卵焼きはさっぱりとした味わいで、女性もぺろりと完食してしまうはず。
コクを出すためネルドリップで丁寧に淹れた、少し酸味のあるコーヒーも、あわせて頂きたい一杯です。


「いらっしゃい!」
いつも笑顔で迎えてくれる優しいマスターに、純喫茶での過ごし方について尋ねてみました。

「お休みの日には、他の純喫茶へお出掛けすることもありますか?」
「自分の店を自分好みに仕上げてしまったから、出かけた時によそで珈琲を飲むことは少ないね。休みの日はビールを飲みたいしね笑」
「この空間で一番気に入っている席はどちらでしょうか?」
「2階の左側一番奥か、吹き抜けを眺められる特等席かな」

居心地の良い空間のポイントとして、マスターの小倉さんが注目しているのは、椅子の座り心地やテーブルの形、コーヒーカップに口をつけた時の感触など、様々な要素が店内で調和していることだと教えてくれました。
今では新しく建てることのできない 「ロン」 の建築は、昭和の文化遺産そのもの。
その美しい空間を珈琲一杯の値段で楽しめる贅沢。
さて、皆さんならどんな本を片手にこちらの扉を開けて、どんなことを考えながら喫茶時間を過ごされますか?

珈琲ロン
住所:東京都新宿区四谷1-2
TEL:03-3341-1091
営業時間:[平日] 9:00~19:45
定休日:土曜・日曜・祝日
7月に行きたい純喫茶、こんなところもおすすめ。
広島 中村屋
モダンな空間でゆっくり読書

中村屋
住所:広島県広島市中区堺町1丁目5-15
TEL:082-231-5039
定休日:日曜
大阪 キャビン
まるで船の中で過ごすよう…

珈琲艇キャビン
住所:大阪府大阪市西区南堀江1丁目4-10
TEL:06-6535-5850
定休日:無し
【写真】岩田貴樹(最後2枚をのぞく)
もくじ


難波里奈
東京喫茶店研究所二代目所長。東京生まれ。会社勤めを続けながら仕事帰りや休日を利用して足を運んできた喫茶店の数は、なんと1700軒以上。ブログ
「純喫茶 コレクション」 をはじめ、著書 『純喫茶へ、1000軒』 (アスペクト)、『純喫茶、あの味』 (イースト・プレス) を通じて喫茶店の魅力を伝えている。他にテレビや雑誌などで幅広く活躍中。http://retrocoffee.blog15.fc2.com/
▽難波さんの著書はこちら
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