【ケの日のこと】コンプレックスがあったから出逢えた、わたしの相棒服。
「家族と一年誌『家族』」編集長 中村暁野
第2話:ワンピースは相棒
わたしは身長が低いです。148センチしかありません。
7歳の娘は現在120センチほど。先日わたしたちが並んでいる姿を見た夫が「ねえ、ちょっと。足の長さがほとんど変わらないんじゃない」と恐ろしい一言を放ちました。
薄々気づいてはいたことを、白日のもとにさらした夫と、我が身の足の短さを恨んだ昼下がりでしたが、もうずっと前からわたしは足に自信がありません。足首らしき箇所が見当たらず歩いたらテテテテと効果音でもなりそうな形をしているし、蚊に刺された無数の跡が点々と残っているし。
身長が低い上に足に自信がないとくれば、着たい服が似合わなくて肩を落とした経験も一度や二度じゃありません。たとえば膝丈スカートとか、ハイカットのスニーカーとか、素足にバレエシューズとか、かわいいなと思っても身につけるのを結局あきらめたアレコレ。でも、わたしは思うのです。コンプレックスは味方だと。
▲Pollin(ポーリン)のワンピース
現在わたしのクローゼットにはワンピースが並んでいます。基本は無地。丈は長め。ストンとしたシルエット。9割がそんな感じなので、夫には「もっと違う服きてみたら?」と言われもしますが、何を言われようともワンピース一択。見て可愛いものと、着て心地よいものは違うのです。
着ていて落ち着く服、しっくりくる服。特別じゃないけれど、ありのままの「ケ」の日の自分にちょっとだけ胸を張らせてくれる服。それがわたしにとっては無地の、長めの、ストンとしたワンピースだと気づいた10年前。10着似合わなくっても、1着似合う服があればいい。だってその1着が似合っているんだから。以来流行もなんのその。ひたすらワンピースを着続けてきました。一見同じようでも袖や素材やステッチ使い……似ているようでまったく違う1着1着。吟味を重ねて手に入れた大事な大事なワンピースたちは一生着続けたい、まさに人生の相棒と言える存在です。そしてそんな相棒に出会えたのも、コンプレックスがあったからこそだと思えば、コンプレックスよありがとう、と感謝すら湧いてくるのです。
▲この日は、atelier naruse(アトリエナルセ)のタイツを合わせて
ちなみにワンピースには柄もののタイツ、もしくはハイソックスを合わせて履くのが好きです。柄と丈、その両方に満足できるものという厳しい条件をクリアしてやってきた、アトリエナルセやアンティパストのタイツや靴下たち。どれもこれも一生履き続けたい相棒小物。そんな思いで5年ものの靴下を取り出し履こうとしたら、親指に穴……。忘れていましたが、反り気味ですぐに穴をあけちゃう足の爪も、コンプレックスのひとつだったのでした。このコンプレックスに感謝できるよう、当て布をして刺繍するスキルでも身につけたいものです。
【写真】馬場わかな(1枚目)、中村暁野(2,3枚目)
中村暁野(なかむら あきの)
家族と一年誌『家族』編集長。Popoyansのnon名義で音楽活動も行う。7歳の長女、0歳の長男を育てる二児の母。現在は『家族』2号の取材を進めている。2017年3月に一家で神奈川県と山梨県の山間の町へ移住した。http://kazoku-magazine.com
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