【クローゼットと私】デザイナー波々伯部(ほほかべ)の「洋服偏愛」ヒストリー

商品プランナー 斉木

デザイナー波々伯部(ほほかべ)の、クローゼット探訪!

「衣食住」という言葉があらわす通り、洋服はわたしたちの暮らしをつくるうえで欠かせないものです。

もしそれが自分にしっくりとフィットするものだったなら……。昨年から本格的に始めた当店のオリジナルファッションアイテムの製作も、そんな洋服を大切に思う気持ちがあってこそ。

そこで、当店のなかでもとりわけ「洋服が好き!」と声を大にするスタッフの、クローゼットを中心に、その洋服愛をひもとく不定期連載「クローゼットとわたし」。

第2弾に登場するのは、当店の読みもの「着用レビュー」最多登場⁉︎のデザイナー波々伯部(ほほかべ)です。

※登場するアイテムは、全て私物です。過去に購入したものを紹介しているので、現在手に入らないものもございます。どうぞご理解、ご了承いただけると幸いです。

身長148cmと小柄だからこそ、洋服のサイズ感や組み合わせに鋭い視点を持つ波々伯部。その意見は、オリジナルアイテムのデザインや丈感を決めるときにもよく取り入れられているんです。

まずは、そんな彼女の自宅にお邪魔して、話を聞いてみることにしました。

 

ほしい服はとりあえず描く!? 買えなくてもワクワクを高める方法

波々伯部に、はじめて「洋服好き」を自覚したのはいつかと尋ねてみると、その答えは、のちにデザイナーという職を選ぶことになる彼女らしいものでした。

デザイナー波々伯部:
「まだ幼稚園生だった頃、女の子の絵を描くのが大好きだったんです。どんなふうに描いていたのかは全然覚えてないんですけど、ひとつだけ鮮明に記憶しているのが、『タータンチェック』を異様な熱意で描いていたこと。

アイドルの衣装でよくみるようなタータンチェックを描きたくて、どの線とどの線が交差するのか、指で辿りながら必死で描いていた思い出があります。

絵を描くことも好きだったけど、その頃から洋服も大好きで。だから、女の子たちに何を着せるかは最重要事項だったんですよね」

そんなお絵かき好きの少女だった波々伯部は、中高生になってもやっぱり「洋服」と「お絵かき」をセットで楽しんでいたといいます。

デザイナー波々伯部:
「10代の頃って、お小遣いも限られているから、『ほしいけど買えない服』ばかりだったんです。雑誌やお店で見つけた『買えない服』をノートに描いて、自分ならどんなふうに着たいか考えていました。

色や素材、こんなところが可愛かったという感想も細かく書いていましたね。

『次のバイト代で買う服』もストックしていて、買ったらこんなふうに着よう、あれと合わせよう、と描くことがワクワクを高める方法にもなっていたのかもしれません」

 

はじめての仕事に選んだのは、「アパレルの販売員」

▲販売員時代に買った赤いカーディガンで、当時のスタイルを再現してくれました

芸術系の大学を卒業した波々伯部が最初に選んだ職業は、「アパレルの販売員」でした。洋服に関わる仕事がしたい、という気持ちのほかに、就職活動を通して気づいた自分の一面もあったのだとか。

デザイナー波々伯部:
「販売員を選んだのは、洋服が好きという気持ちがもちろん1番なんですが、それ以外の職種の面接も受けていました。

でも、販売員の面接は不思議とどんどん通るんです。もしかして向いているのかな?と思ったのも、理由のひとつでした」

▲販売員をしていた頃も今も、繰り返し読んでいる雑誌たち

彼女が配属されたブランドは、オフィスカジュアルな印象のあるブランド。大ぶりなピアスをつけて、ヒールを履いて、当時は “カジュアルなOLさん” といった雰囲気だったと話します。

デザイナー波々伯部:
「うれしかったのは、自分と同じように小柄なお客様に洋服を提案して、買ってもらえたとき。

でも思い出してみれば、高校生の頃から友達に『コレ着てみたら?』、『こういうの似合うと思うよ』なんてお節介を焼いていたんです。販売員もその延長線上のような気持ちだったのかもしれないですね」

 

ジャンルがばらばらな洋服には、ベーシックな小物が定番

メンズライクなアイテムから、無印良品などの定番品、一点ものの古着まで、普段から波々伯部は様々なタイプの洋服を着ています。

デザイナー波々伯部:
「コーディネートを考えるときは、夫の洋服も視野に入れています。ただでさえ背が低いのにと思われそうですが、『袖を折って長さが調整できるなら大丈夫!』と信じています。

だから、袖が折り返しやすいシャツは借りることが多いですね」

いろいろな雰囲気の洋服をひとつにまとめあげるのが、バッグや靴といった小物。

デザイナー波々伯部:
「小物はベーシックなものと決めています。だから、バッグの色は基本的に黒ですね。

1泊旅行などのときに持っていくmarimekkoのトートバッグも、柄物なのですがベースが黒なので洋服を選ばないんです」

 

「コーディネートができるまで」を、見せてください!

新しい洋服を何と合わせよう?と考えている時間が楽しくて仕方ないと話す彼女。幼い頃に女の子の絵を描いていた頃と同じくらいの純粋さで、いまも洋服と向き合っているのかもしれません。

次回は、そんな波々伯部が毎日のコーディネートを「どんなふうに」選んでいるのかをレシピのように順を追ってご紹介します。

洋服好きな彼女は、どんなふうにコーディネートを考え、どんなところで「う〜ん」と悩んでしまうのでしょう。お楽しみに!

(つづく)

 

【写真】平本泰淳


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