
人生でいちばん美味しかったチョコチップクッキーがあります。それは以前、インテリア取材で訪れた「THUMB AND CAKES」山本菜々子さんが、お茶と一緒に出してくださった手作りのもの。
軽やかな食べ心地なのにカカオの風味がしっかりあって、刻んだチョコレートがゴロゴロ。チョコは口溶けがよく華やかな余韻もあって、なんだか忘れられない味でした。思わずパクパク食べてしまったのに、お腹もそう重たくない。歳を重ねて甘いクッキーはたくさん食べられなくなっていたのに...
こんなに美味しいクッキーが家で作れたら、もう一生ハッピーかもしれない。そんな思いから、山本さんに前後編でクッキーの作り方を教わります。

ほんのりビター。カカオの香り際立つ
大人の「ショコラサブレ」

材料(50枚分)
(A)
・塩...3g
・グラニュー糖...40g
・ブラウンシュガー(きび砂糖でも)...80g
(B)
・中力粉...160g
・カカオパウダー...20g
・ビターチョコレート(カカオ70%以上)
※中力粉は薄力粉に置き換えても大丈夫。中力粉はザクザクとした食感、薄力粉は軽い仕上がりになるのでお好みで
下準備
・Aの砂糖類は混ぜ合わせておく。
・Bの粉類はビニール袋に入れておく。
・ビターチョコレートを刻んでおく
1. バターを温めマヨネーズ状にする
常温に戻したバター100gをボウルに入れて、ホイッパーでマヨネーズ状になるまで混ぜる。
そこへ<A>の塩と砂糖類を一気に加え、空気を含ませながら白っぽくなるまで混ぜ合わせる。
山本さん:
「バターをマヨネーズ状にすると、砂糖や粉としっかり混ざるので、口当たりも風味もよくなります。
ブラウンシュガーはコクがある甘さ、グラニュー糖はさっぱりとした甘さなので、私は2:1の割合で入れています。ホームメードのお菓子は『自分の美味しい』が正解なので、お好みでアレンジしても◎」
2. (1)にBを混ぜ合わせる
ポリ袋に入れておいた<B>を振り合わせ、(1)にふり入れ、ゴムベラで切るように混ぜ合わせる。
生地の色が濃くなってきたらカードに持ち替え、チョコレートを全量入れて、生地がまとまるように少し力を加えながら、ときどき底からすくい上げるように切り混ぜる。
3. 生地を四等分して棒状にし、ラップで包み冷蔵庫へ
出来上がった生地を4等分にして、直径3cm程の棒状に成形し、ラップで包む。バットに並べて冷蔵庫で1日寝かせる。
山本さん:
「わたしはキッチンの作業台を消毒して生地を丸めるのですが、粉が多めのレシピなのもあって、この方法だと打ち粉なしでも生地がくっつかないんです。小さめのカッティングボードで転がすとまとまりやすいですよ」
4. 1〜1.5cm厚にカットして、170度で焼く
オーブンを180度に予熱する。生地を1〜1.5cmの幅でカットし、天板に均等に並べたら170度で15分ほど焼く。焼き上がりは柔らかいのですぐに取りあげず、天板の上で冷ます。
山本さん:
「ご家庭のオーブンによって、焼き上がりの時間に少し差が出るかもしれません。不安なときは、さらに2〜3分ほど焼くか、オーブンに入れたまま余熱で火を通すのもおすすめです。ジャーや瓶などに入れたら1週間ほど保存でき、冷蔵庫で冷やして食べるのも美味しいですよ」

パクッと一口で食べられるショコラサブレは、ちょっぴりほろ苦さもありながら、噛むほどチョコレートの甘さと余韻が口に広がって、もう1枚、あともう1枚だけ...と、まさに後を引く美味しさです。
こんなに美味しくなるのに、絶妙に力を抜いて無理せず作ってらっしゃるのもうれしい発見でした。クッキーのようなシンプルなレシピほど、素材や工程のコツが味を左右する気がして。いつも材料を身近なものに置き換えがちなのですが、今回おすすめしてもらった材料で作ってみたら、私が作ってもホームメイドとは思えない美味しさでした。
つづく後編では、アールグレイが香る「絞り出しクッキー」を教わります。
【写真】鍵岡龍門
山本菜々子
20年ほど前からシュガークラフトを学び、独立後は「THUMB AND CAKES」の屋号でさまざまな雑誌の撮影でシュガーケーキやアイシングクッキーなどの菓子制作に携わる。幼少期にチューイングキャンディーで小さなカゴを編んでいたのがシュガークラフトの原点。材料や技術を学ぶ為、渡英するうちにスコーンやクッキーなどの焼き菓子も製造・販売するように。現在はユニット「SWEEP」としてオリジナル雑貨のデザインも手がける。
Instagram: @thumb_and_cakes
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