【店長コラム】日めくりカレンダーがくれた、あたらしい習慣。
店長 佐藤
日記を、ノートに手書き文字で書く。
いつからこの習慣をやめてしまったのでしょう。
若い頃から長く続いていた習慣だったはずなのに、いわゆる「Blog(ブログ)」というものを多くの人がウェブ上に公開するようになり、わたしもそちら側に移行するようになったタイミングからのような気がします。
昨年末、自宅の引越しに備えて断捨離をしようというときに、押入れの奥深くに潜んでいた昔の日記帳と向き合うタイミングがありました。
それはもう、勇気を出して、ぱらりぱらりとめくってみたわけです。
23歳だった自分は、なにを考え、なにを悩み、なにを楽しんでいたのか。
25歳の頃の恋愛は、どんなふうにしていたのか。
「文字」というかたちで対面すると、ぶわーっと当時の情景やその頃の自分の気持ちみたいなものがリアルに蘇ってきました。
「こわい、こわい」とパタッと日記帳を閉じては、「いや、やっぱりもうちょっと」とまた日記帳を開いておそるおそる目を通す。そんな時間でした。(いやなら読まなきゃいいのに、笑)
基本どうでもいいようなことばかり書いてあるのですが、42歳の現在の自分への手紙のように感じる文章があったりも……。
「このとき書いているコレ、いまも全く一緒じゃん。全然、変わってない」と驚いたり、「この日に書いている仕事へのモヤモヤ、今はずいぶん晴れてるな」と思える部分もあったり。
点と点が、いま改めて読みかえすことで線になり、変わりたくない部分があるから変わり続けてきたんだと確認して安心できるような体験でもありました。
10年、20年後に実際に手にとってページを繰れるっていいな、手書きの文字っていいものだな、と。
あらためて日記というものの手触り、文字に残されているエネルギーみたいなものの価値を感じることになりました。
この10年、パソコンやスマートフォンで文字を残すことは増えたけれど、「文字を紙に書く」ということは本当に減ったなぁと思います。
だからこそ、書いておこう。50代、60代の自分がおそるおそる読みかえせるように、またちゃんと手書きで書いてみたい。
でも続かなければ意味がないので、負担にならない程度の方法を考えよう。
そう思って2018年、導入してみたのが「日めくりカレンダー」です。
夜、子どもも寝静まりひと通り家事が終わったあとに、一杯お酒なんかを飲みながら今日の一枚を切り離す。
明日の日めくりカレンダー、こんばんは。明日はこんな絵なんですね、明日もいい一日になりますように。そんな気持ちで「明日」を眺めます。
そのあとで、切り離した「今日」の日めくりカレンダーの裏面に簡単な日記をつける。これが今年の新習慣になりました。
若い頃そうだったように、基本どうでもいいことを書いています。
眼科で眼圧をはかったけどあの「シュポッ」て風が目に当たるのが毎度毎度こわすぎて怯えるだったり、兄(代表の青木)と喧嘩しただったり、いま自分がやりたくなっているのはこんなことなのかもしれないみたいな仮説だったり、今日はちょっとスタッフにいろいろ細かく言いすぎたなぁだったり。
とにもかくにも「いいこと」を書こうと思わない、ロジックに気をつけようなんて思わないことを意識しています。制約をもうけた途端に、きっと続かなくなるから。
毎日、夜おそい時間にその日一日を振り返り、簡単にその日あったことや感じたことを「あたま言葉」じゃなくて「からだ言葉」でそのままのびのびと言語化しておく。飲み会なんかで帰りが深夜になった日は、それを翌朝にやる。
そんな今年の新習慣。たんたんとした日常に、ちょっとした小気味よさを加えてくれています。
果たしてこの「からだ言葉」でつけている何てことない走り書きの数々は、未来のもっと年齢を重ねた自分の目にどう映るのか。それもまた楽しみです。
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