【バイヤーのコラム】“いい波”に乗るために
商品プランナー 中居
転職して1年が経とうとしています。1年前のちょうど今ごろ、突如あらわれた“いい波”に乗って、今日まであっという間でした。
そう、人生の節目節目で、“いい波”が訪れるときがあるんです。
それまで道を塞いでいた障害がさーーーーっと脇に避け、目の前が開ける感覚。すべてのタイミングが整い、導かれるようにトントン拍子でうまくいくときが。
人生最大の崖っぷち期間
昨年3月末、次の行き先が決まらないまま前の会社を退職しました。
先々のことを考えたら、進路を決めてから辞めるのが普通。ですが当時は「このままじゃだめだ」と、いてもたってもいられず勢いで決断してしまいました。
ただ、大好きな職場だったので退職の意思を告げたあとも情けないくらいに迷い、揺れてしまって。
「崖っぷち」そんな言葉が頭の中をぐるぐるして連日悪夢を見たり、昔の日記や就活ノートを引っ張り出し、背中を押してくれそうな言葉を探したり。
挙げ句の果てには、会社の先輩に弱音を吐き、「あなたが決めたことでしょ」とたしなめられる始末(苦笑)
今考えると本当に恥ずかしいかぎりです。
そんな中はじまったクラシコムの選考。なんとか面接まで進んだものの、国立に来るのはこれでもう最後かも……などと後ろ向きな気持ちのままでした。
前を向くために、必要だったこと
とうとう退職の日。いざとなったら土下座して泣きつけば…なんていう甘えた気持ちも今日でおしまいです。
もう前に進むしかない。ここでうじうじしていても、何も始まらない。そう考えると、不思議と自分の中で区切りがついたような気がしました。
ようやく腹をくくったのです。
それから一週間後の最終面接では、その時間を楽しむ心の余裕すらありました。
「前を向くしかない」と腹をくくったことで、今この瞬間を精一杯楽しんで身を委ねてみよう、という気持ちになれたんです。
いい波を待って、来たら乗ればいい
▲神聖なドゥオーモに登って青空を見上げたとき、導かれてここへ来たように感じました
結果が出るまでは、友人に会うためイタリア・ミラノへ行くことにしました。
訪ねる機会をずっと逃していたのですが、ぽっかり空いたこの空白期間。いましかない、と決めました。
驚くほどすんなり出発の日を迎え、雨予報が外れてお天気にも恵まれ、久しぶりの親友との時間も笑いが絶えず、まるで神様からのプレゼントのような幸せな旅。
すっかり元気をチャージして帰国し、着陸後の機内でスマートフォンの電源を入れると、なんと採用通知が届いていたのです。
「これはすでに“いい波”に乗っているな」と思わざるを得ない経験でした。
* * *
これまでにも、自分で区切りを付けたあとで、人生が大きく動くような出来事が度々ありました。
今回ほど危ない橋は二度と渡りたくないしおすすめもできませんが、未練を断ち切って「前だけを向く」のは大切なことかもしれません。
進むと決めたら、腹をくくって波が来るのを待てばいい。波が来たら、我を忘れて身を任せればいい。そうすればきっと何が起こっても大丈夫。
そんな確信を心に留めて、新しい1年に立ち向かいたい、今日このごろです。
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