キッチンには隙間収納として活用できる場所はたくさん。調理器具や食材などが集まるから、すきまを活かした収納でものを取り出しやすくすると家事の効率もアップ。シンク上のデッドスペースを使ったり、ファイルボックスで棚に隙間なく収納箇所を設けたりするアイデアを、お米農家やまざきの山崎宏さん・瑞弥さんに伺いました。

編集スタッフ　齋藤

 

家の中には、実は「すきま」がたくさん？

毎日の暮らしの中で「なんだか使いにくいなあ」という小さなストレスを抱えながら、それをスルーしてしまっている場面ってありますよね。それはもしかしたら「収納」の問題かもしれません。

実は、家の中を見回してみると、活用しきれていない「すきま（デッドスペース）」がたくさん。これらを賢く活用できれば、収納上手に、手持ちのアイテムの使いやすさも格段に上がるはず……。

とはいえ、どこにそんな空間が隠れているのでしょう。

そんな時、お米農家やまざきの山崎宏さん・瑞弥さんのご自宅を目にするタイミングがありました。

▲左：瑞弥さん、右：宏さん

大工さんと相談しながら作ったというご自宅の、キッチン、洗面所、リビングにも、空間を有効活用した収納があちらこちらに。家ができてから数年経った今も、使える場所を見つけては、収納の仕方を検討する日々なのだそう。

瑞弥さん：
「仕事と育児と家事をする中で、家族がスムーズにものを探せて、片付けられるのは必須でした。

だから、ちょっと使いにくさを感じたら、今あるスペースを使ってどう収納しようか？と考えるようになったんです」

そんな山崎家に、自宅の「すきま」を見つけ、収納を考えるコツを伺いました。ここでは、キッチンのすきま収納をお届けします。

 

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大量のアイテムを分かりやすく！
キッチンのすきま収納

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ファイルボックスがあれば
無駄な空間はゼロになる？

キッチンの収納棚は、仕舞いたいものは多くあっても、ただ雑然と並べてしまうとすきまが沢山できてしまいがち。

瑞弥さん：
「キッチンの背面収納には、ファイルボックスを並べて、無駄な空間が出ないようにスペースを丸々活用しています。このボックスだと、隣同士もぴったり合うので、収納量も最大限活用できている実感もありますね。

乾物、塩、ハンディブレンダー、お弁当グッズなど、食べ物に限らず『キッチンでよく使うもの』をジャンル問わずここへ。用途はバラバラであっても、入れ物を同じものにするだけで見た目もスッキリです」

取り出しやすさを考えると、アイテムを並べるだけだとある程度のすきまも求めてしまいますが、ボックスに入っているなら落ちる心配もなく、取り出しやすさもバッチリ。収納量もぐんと増えそうですね。

▲家族も分かりやすいように、ボックスにはジャンルを手書きでラベリング。ファイルボックス：ポリプロピレンファイルボックス・スタンダードタイプ（無印良品）

▲「買いすぎを防ぎ、ものが奥に入り込んでしまうことがないので、賞味期限切れも防げます」と瑞弥さん。

 

シンク上は絶好の収納スペース

「シンクの上は 絶好の “すきま” なんですよ」と山崎さん。

瑞弥さん：
「ここには、ステンレスのパイプを横に渡して、洗ったものを乾かす場所にしたり、S字フックを用いた掛ける収納スペースにも使っています。

洗った鍋（重くないもの）やザルを干すと、朝にはすっかり乾いていて気分もいいです。

パイプに掛けたフックには、料理に使った持ち手付きのザル、まな板、食器洗いスポンジなどを。他にも茶こし、計量スプーン、キッチンハサミ……など『フック1つにつき1アイテム』を基本に、調理アイテムはここに吊しています」

シンク上を活かして一つ場所を作るだけで、こんなにも収納できるものが増えるなんて。どれもよく使うものだから、コックピットのように、調理も片付けもしやすそうです。

 

おぼんは立てれば、場所いらず

▲おぼんが転げ落ちないようストッパー付き

瑞弥さん：
「建具のおさまりで無駄になるスペースが家づくりの際に出てきて、おぼん収納を作ってもらいました。

小さなスペースですが、毎日使うおぼんをするりと手に取れて気持ちがいいです。

横に倒して重ねると、下のお盆が取りにくくなりますが、立てるとその心配もありません。

おぼん一つとっても、我が家はなかなか数が多くて。好きな道具だからこそ、満遍なく使いたいので、取り出しやすいことは大事ですね」

▲この扉を開けると、ファイルボックスの収納が。

キッチンは使うアイテムが多い場所だからこそ、作り付けのキッチン収納のほか、デッドスペースを生むことなく空間を最大限活用することが大事なんだ、ということを、山崎さんのキッチンを拝見して感じました。

我が家でも、棚の奥行きや幅を活かし切れているかな？　シンク上にもすきまスペースがあるかも？と、改めて見直してみようと思います。

次回は、収納に悩みがちな洗濯機周りや、脱衣スペースのすきま収納に迫ります。

 

👉次の記事はこちら
洗濯機周り・洗面所の収納アイデア

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お米農家 やまざき　山崎宏さん・瑞弥さん

江戸時代末期から続く米農家の6代目。現在は茨城県・筑波山麓で米作りに励む。中学1年生の息子、小学2年生の娘と4人暮らし。手仕事の台所道具への造詣が深く、料理家やクラフト作家との交流も。田んぼ仕事と子育ての合間に全国各地のギャラリーなどで「お米の魅力」伝導活動にも努めている。著書に『お米やま家のまんぷくごはん』（主婦と生活社）。

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