【スタッフコラム】”ただいま” の儀式
編集スタッフ 青木
お盆休みは一週間ほど大分県の実家に帰省してきました。これまでは長くても3泊4日だったので、こんなに家を空けるのも久しぶりのこと。
帰省した時の過ごし方はこうです。
草むしりをする。近所の海を散歩して、空いてるベンチに座ってパンやおにぎりを食べる。近所のお茶屋で甘味を食べる。お墓まいりに行く。夕飯を作ってみんなで食べる(おや?食べてばかりですね)。眠くなるまでバラエティ番組を見ながらしゃべる。日常の家事をしながら、いつもそこに暮らしているみたいに過ごすのが定番です。
でも今回はいつもより時間があるし、お出かけ嫌いな子供がめずらしく乗り気だったので観光してみることにしました。
私にとっては地元、でも子供にとっては知らないことだらけの場所なので、きっと楽しい時間になるぞとわくわくしながら。
旅行気分を高めるため、あえて路線バスに乗ったり、ふだん車で素通りしていた小道を歩いてみたら、思いのほか発見がいっぱい!
旅館だったところが素敵なカフェに変わっていたり、温泉を楽しみながら休憩できる場所がいくつもできていたり。
小さい頃は、おじいちゃんとおばあちゃんしかいないように見えていた地元は、私と同世代くらいの人たちが運営する施設やお店が増えているようで、この道の先はどうなっているのだろう?と、好奇心をくすぐられながらたくさん歩き、たくさん寄り道しました。
歩いてみないと気付けなかったことばかり。慣れ親しんだ故郷の新しい一面を見ることができて新鮮な気分になりました。
色々と変化していたんだな〜。私が地元を離れて19年もたつのだから、そりゃそうか。
知らない間に誰かが何かを始めていて、その場所を大事に手入れして磨き続けて、ふとした拍子に目が合って「わぁ素敵! ここにこんな場所があったなんて!」とワクワクする感覚が久しぶりで、胸がいっぱいになったのでした。
変わらないものの代表は、あちこちにある温泉と、道路脇の排水溝から立ちのぼる湯けむり。海に転がる赤みがかった石。国道沿いのフェニックス。
どれもホッとする故郷の景色です。
一週間もあるし、今回こそは時間をもてあますだろうと思っていたけれど、「もっと歩きたかったな、懐かしの “シネマ5” で映画を見たかったな」と、ほんの少し心残りが。次回の楽しみにとっておこうと思います。
***
さてさて、帰省や旅行などでしばらく家を空けると、いつもの日常に戻るのが難しいのは私だけでしょうか。家はどことなくよそよそしいし、冷蔵庫は空っぽ。いつまでも洗濯物を放っておきたくなるし、ご飯を作るなんてまっぴらごめん!という気持ちになるのです。
でも、そんなこと言ってられないので、帰宅して一番最初に作るメニューを密かに決めています。
それは焼きそば。シンプルな材料で簡単に作れるうえに、家族の好物。難しいことは考えずに豚バラを焼いて、出てきた油をキャベツとネギに回し、麺をほぐして入れる。キャベツに少し火が入るまで蒸し焼きにしたら、さっと味を入れて完成。
食べ終わったら洗い物をして……と動いているうちに、少しずつエンジンがかかってきて、いつもの日常が帰ってきます。
だから焼きそば作りは日常に戻るための大事な工程、心も体も、私の日常に帰るための ”ただいま” の儀式なのです。
さっ、私の毎日を頑張ろうっと。
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