【雑貨のはなしをしよう】空間を、そして、暮らしを整える〈プラスラック〉
渡辺平日
「ううむ。どうしたものか」
僕はそう呟きながら頭を悩ませていました。いまからおよそ4年前の話です。
当時、僕は1DKの部屋に住んでいました。調理スペースは十分でしたが、収納がとにかく使いづらく、食器や調理器具の整理にはいつも一苦労。特に不便だったのが吊戸棚ですね。仕切り板が無いタイプで、鍋や調理家電を置いたらもうなにも入りません。
収納用品をチェックしたものの、これといったものは見つからず……。仕方なく棚を自作しましたが、素人の工作だからいかにも見すぼらしい。それでも背に腹は代えられないと我慢して使っていました。
そんなある日。バイヤーとして参加した展示会で、プラスラックというアイテムに出会ったのです。
ちょうどこんな棚が欲しかったんです
まず、そのスタイリッシュなデザインに心惹かれました。木材の厚さはわずか6mm程度。身近なものと比較するとよく分かりますが、これは木製の棚としては驚異的な薄さで、洗練された印象を与えてくれます。
角部にもご注目。実に端正な仕上がりとなっています。素材の裏側に切り込みを入れて折り曲げる〈Vカット工法〉によるもので、どんな空間にもスマートに馴染んでくれます。
それでいて耐荷重は4kgと申し分なし。食器や鍋はもちろん、ミキサーやコーヒーメーカーなんかも載せられます。ただし、中央に重いものを載せるとたわむこともあるのでご注意を。
素材には住宅設備などに利用されるMDF(中密度繊維板)を採用。軽くて扱いやすい素材ですが、水分に弱いという短所があるため、水回りでも使えるよう表面に樹脂シートを貼り合わせています。
シート自体のクオリティーも高く、木目がしっかりと表現されています。内側も丁寧に処理されているので、ひっくり返して使用しても違和感がありません(写真のようにブックエンドとして活用するのもおすすめですよ)。
暮らしを「一段」と便利に
プラスラックをすっかり気に入った僕は、発売開始と同時に購入。すぐに設置したところ、あれだけ不便だった吊戸棚が劇的に使いやすくなり、キッチンがずいぶんスッキリしました。
大皿を使う頻度も増えました。というのも、それまでは取り出すのがめんどくさく、無精して惣菜をパックのままでいただくことも……。でも、プラスラックを導入してからはちゃんとお皿に移して食べるようになりました。「優れた収納用品は空間だけではなく、生活をも整えてくれるんだな」と感心したものです。
この感動を伝えねばと思い、収納でお悩みのお客様にも積極的に紹介するように。これがかなりの好評でして、なかには2個3個とリピートされる方もいましたし、新築や引っ越しのお祝いにされる方もいらっしゃいました。
そうそう。プラスラックに関して、忘れられないエピソードがあります。
ある常連のお客様がキッチン周りの収納用品を探されていました。そこでプラスラックを勧めたところ、「2000円以上もするのはなあ。便利だとは思いますが……」と。たしかに、使ってみると価値を実感できますが、売り場で見ただけでは即決は難しいと思います。
しばらく迷われたあと、「渡辺さんのイチオシだから、ためしにひとつ買ってみます」と購入されていきました。どうだろう、気に入ってくださるかな……。
すると、次の日にまたお見えになって。「すっごく良かったです。もうひとつ買っていきます!」と、ありがたいお言葉をいただきました。ものを紹介する仕事をしていて、これ以上に嬉しいことって他にはないです。思い出すたびに胸が暖かくなるし、もっと頑張らないとねと気が引き締まります。
あれから時間も経ち、仕事や住む場所も大きく変わりました。でも、「ほんとうにいいものを、自分の言葉で紹介する」というスタンスは変わっていません。2020年も淀みなく、いいものを追求していきます。今年もどうぞよろしくお願いします。
本日登場したアイテム
▼スリムタイプもご用意しています
【イラスト】イチハラ マコ
【写真】クラシコム
渡辺平日
日用品愛好家。海の見える小さな町で生まれ育ちました。毎日が平日のつもりで、日夜せっせと文章を書いています。趣味は町歩きと物件探しと民話収集。そういう話題が耳に入ると、反応して振り返ります。主な寄稿先は『LaLa Begin』『和樂web』『goodroom journal』など。Twitterアカウントは@wtnbhijt。
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