【本日お披露目】「KURASHI&Trips PUBLISHING」からメイクアップシリーズが誕生しました
バイヤー 竹内
このお知らせをできる日が来ました。オリジナルブランド「KURASHI&Trips PUBLISHING」から当店での取り扱い自体が初となるメイクアップシリーズを発表させていただきます。
アイカラー5色とリップカラー3色。
本日はこれらメイクアップシリーズの記念すべき誕生日。これまで一年以上の長い時間をかけてきましたので、私たちもこの日を迎えられたことにまずは安堵しています。
商品ページだけなく、発売記念特集、メイクアップシリーズご注文で限定ミラープレゼントなど、盛りだくさんな内容でお客さまに楽しんでいただけるようスタッフ一丸となって準備しました。
ぜひじっくりとご覧いただき、この新しい取り組みに一緒に参加するような気持ちで楽しんでいただけたら嬉しいです。
どうして私たちが化粧品を?
「KURASHI&Trips PUBLISHING」ブランドマネジャーも兼任する当店の店長佐藤から「化粧品をオリジナルでつくりたいと思っている」と話があったのは2019年の春先。「私たちが化粧品?」という驚きはありつつも、実は数年前から密かに考えていたという、そのときの佐藤の熱い気持ちが伝わってきて、まだ見ぬ楽しみが潜んでいるようにも感じました。
私・竹内が開発プロジェクトのリーダーとして進めていくことだけは決まり、あとはまだ何も決まっていないまっさらな状態。
まず何から手をつけたらいいのやら……という状態でしたが、私はクラシコムに入社してからずっとバイヤーとして商品のセレクトのこと、どんな風にご紹介していくべきかなど、佐藤と一緒にたくさんの試行錯誤をしてきたことをふりかえり、今度は新たな挑戦を一緒にやろうと言われてるように感じました。
たくさんのモノを見て選んできた自分の経験の中に何か役に立てることがあるかもしれないと、佐藤と一緒に新たなチャレンジしていく決心をしたのを覚えています。
▲ガラスの色に惹かれて迎えた花瓶。これにより花を飾る習慣ができたのもちょっと嬉しい「非日常」な体験。
今まで、北欧雑貨から日用品、洋服やアクセサリー……こうしたものやコトを通じて、日常の中のほんのひとさじの「非日常」を感じられる体験をお客さまと共有してきた私たち。
化粧をすることも暮らしの中に溶け込む日常。ならば、インテリアやファッションと同じように、メイクについても私たちらしい「非日常」を見つけることが使命のように感じたのです。
そんな希望をお守りに、開発がスタートしました。
渾身のアイカラー5色とリップカラー3色
数ある化粧品のカテゴリーの中から、今回私たちはあえて、アイカラーとリップカラーの展開からスタートしようと決めました。
いろんな色彩、つけ心地が楽しめて、まるで雑貨のように選ぶのが楽しそうと思えたから。
目元、口元だけという部分的な変化だけで、その人の顔の印象、さらには気持ちに前向きな変化をもたらしてくれそうなアイテムだと思ったからです。
アイカラーは普段から馴染みのある定番カラーも、はじめてだけど思わずチャレンジしたくなるようなカラーも取り揃えたくて、全5種に。
1色だけを指でつけるだけでも完成するし、2つ3つと色を重ねて組み合わせの発色も楽しめる色展開です。
リップカラーは、その人が本来持っている唇の色にしっくりと馴染むよう、透明感と絶妙な色の見え方にこだわった全3種です。
例えば、「02 ウィッシュオレンジ」をスタッフ2人がつかってみると、唇の色はそれぞれ違って見える。けれど、2人ともちゃんとしっくりと似合う発色に。
「こういう系統の色は私には似合わないんだよな〜」と、普段感じている方でもつい手にとってみたくなる、そんな3種になったのではないかなと思います。
まずは1色、自分はこれ!と気軽に選んでいただき、次にアイカラーのこの2色を合わせてみようかな、このアイカラーとリップカラーの組み合わせにチャレンジしてみようかなと、どの色とも何通りも楽しんでいただけるように、それぞれの色の組み合わせにもこだわって試作を重ねました。
少しずつアイテムを集める楽しさや、新しい自分の表情との出会いにワクワクできる。このポイントメイクだけで、そんな「非日常」な体験を味わっていただけたなら。
それぞれの商品ページ、スペシャルムービーでも組み合わせについてたっぷりご紹介しているのでぜひご覧くださいね。
プロフェッショナルとチームを組んで
今回の化粧品開発には、多くの実績をもつ製造メーカー、化粧品事業に長年関わって仕事をしていらっしゃる専門家の方たちにご協力いただき、チームを組んで進めていきました。
開発のスタートラインからアドバイザーとして一緒に並走していただいたのは、コラムを執筆しているビューティライターのAYANAさん。
AYANAさんと店長の佐藤は、共通の知人を介して2年ほど前から親交があり、出会った当初からメイクのこと、自分自身のことを腹を割って話すほど。AYANAさんのことを佐藤は「正直で、ウソがない。そして知らない世界をちゃんと言葉で説明してくれる人」と信頼を寄せています。私も出会った初日に、今まであまり誰にも打ち明けたことのなかったメイクのこと、コンプレックスのことなどをつい打ち明けて相談してしまったほどです。
そもそも化粧品とどう向き合えばいいのかということ自体にくすぶっている、私たちの切実な悩みに対して、真正面から向き合い、最終的には「私たちの好きな雑貨やインテリアのある暮らしと同じように考えて良いんだ」というテーマを一緒に導き出していただきました。
開発の終盤、サンプルを試しぬりした私たちスタッフを見てAYANAさんはこんなコメントをくださいました。
「スタートからずっと見ているけれど、だんだんと表情の明るさが増したような! 理屈なく、化粧品にワクワクしている気持ちが伝わってきました」
メイクにくすぶっていた開発メンバー自身の気持ちが高揚する、そんなアイテムに近づいてきたのだと、AYANAさんの言葉を聞いて素直に嬉しかったのを覚えています。
完成したアイテムの中から厳選して2つほど、開発にいたった経緯を少しだけご紹介しますね。
考えが逆転した、グリーンの秘密
以下は開発中のやりとりの一部です。
スタッフ
「アイカラーに、グリーン……? 今まで寒色系のアイカラーは使ったことがほとんどないんです……」
AYANAさん
「肌にのせたときに、その人の肌本来の色と混ざって、グリーンもグレーやカーキのように見えるから、キレイな陰影を作ってくれて、目の立体感が上品にでるんですよ」
(実際に色をまぶたの上にのせてみる)
スタッフ
「ほ、ほんとだ〜! 実際はグレーのようにも、深みのあるシルバーのようにも見えると思うと馴染みのある色にも感じる!」
別のスタッフ
「伏目になったとき、まぶたにのせた色がふわっとさりげなく見えて素敵〜」
▲右からAYANAさん、店長佐藤、開発メンバーのスタッフ市原、波々伯部、高尾。最終サンプルの仕上がりにホッと笑顔になった2019年末。
このやりとりをきっかけに生まれた、アイカラー「05 フォレストグリーン」。
自然の森の中。気持ちいい風が吹いていて、まといたくなる空気がそこにはあると思えるようなイメージからそう名付けました。
▲本当にしっくりとくるグリーンに出会うまで、サンプルの微調整。ほんの少し配合を変えるだけでこんなにも印象の違いが。
このフォレストグリーンは、ほんのりグレイッシュな色味だからこそ目元に透明感を与えてくれる魅力をもっています。さらに、体感としてはわからないくらい小さなパールの粒にゴールドの色が付いているため、肌にのせた時にも浮きません。しっくりその人の肌色に馴染んでくれるよう、調整を繰り返しました。
グリーンっていつもなら自分はつけないかなあと感じるような方にも、ぜひ気軽にチャレンジしていただきたいカラーです。
特別じゃないピンク色のリップを
▲一番下が「03 トーンアップピンク」私たちの中でピンク色って「可愛すぎてしまう」印象があり、大人になってから特にピンク色のリップを積極的に選ぶことができなくなっていました。
ピンク色のボトムスが自分の定番!リビングのカーテンをピンク色にしよう!というように、身につけたり、自分のものとして考えるとなんだか気恥ずかしくなってしまい、いつしか遠いものになっていたピンク色という存在。
でもピンク色自体はとても素敵だし、身につけている人を見るたび魅力も感じます。自分たちの心の奥底まで探ってみると、とてもとても好きな、身に付けたい色なのです。
そんな私たちが普段使いしたくなるピンク色ってなんだろう?と、色と質感を追求していきました。
▲参考のピンク色のリップを片っ端からぬって観察して……を繰り返しました。
話したり、笑ったり、口元が動くたびに知的な印象に。小さなシルバーラメを隠し味に、唇がじんわりと血色よくみえるような、自然なつけ心地にたどり着きました。
開発スタッフは一足お先にサンプルを使用しているのですが、一番使用頻度が高いリップカラーが実はこの「03 トーンアップピンク」になったくらい。ずっと苦手と思い込んでいたピンク色を頻繁に使いたくなっている自分たちがいます。
店長の佐藤も「月曜日からつい手に取りたくなる色。よし今週もがんばるぞ〜!と軽やかな力で自分の背中を押してくれるような感じがして」と、週のはじまりを気持ちよくスタートするための定番に仲間入りさせたそうです。
この感覚、ぜひお客さまとも早く共有したいと感じています。
化粧品とともにオリジナルテキスタイルも誕生しました
▲メイクアップシリーズのプロモーションで商品モデルが着用している衣装。今回撮影のためだけに作った特別な1着です。
今回の化粧品開発プロジェクトでは、もう一つの新たなチャレンジもしました。
それは、開発チームで話している際に出たアイデアで「これらのアイテムを表すテキスタイルをつくろう」ということ。
「雑貨のように、インテリアのように、洋服のように」。メイクも暮らしのことをイメージするのと同じ感覚で付き合えたなら。
そのメッセージを表現するのに、インテリアやファッションにおいて身近に感じるテキスタイルを化粧品のイメージに起用するのはどうかとなりました。
ご協力いただいたのはフィンランド在住のテキスタイルデザイナー吉澤葵(よしざわあおい)さん。
「足元の水たまりに映る景色、寒い朝の空気に混じる霧、窓の結露……自然がつくる様々な現象とともに何気なく暮らしているけれど、実はそれらがとても美しい表情をみせてくれることにふと気づいて、こんなに身近なものに感動することがある。そんなインスピレーションから『DROP(ドロップ)』という模様が出来上がりました」と吉澤さん。
模様がつくる色の重なりは、色彩が重なる楽しさを表しているようにも見えるし、みずみずしい水滴のきらめきとも受けとれる。また、その濃淡を光と捉えて木漏れ日のようにも見える。
そんなふうに捉え方は人それぞれ色んな解釈ができる「DROP(ドロップ)」という模様。
「肌にのせたときにその人に似合う発色を何通りも楽しめるように」
「その人にフィットした心地よさが見つかるように」
私たちもこの柄をみたときに、そんなメッセージが想像できました。
▲”DROP”コンパクトミラーを発売記念としてつくりました! 今回のメイクアップシリーズをご注文の方へプレゼントいたします。(※オリジナルのミラーは、数量に達したためプレゼントを終了いたしました)
この”DROP”のテキスタイルについて、開発メンバーのひとりだったデザイナーの波々伯部(ほほかべ)のコラムでじっくりと秘話をご覧いただけます。吉澤さんによるフィンランドの風景とともにぜひご覧くださいね。
これから起きたら嬉しいと思っていること
自分たちでも納得感を持ち「自分たちも使いたい」「使っていただきたい」と心から思えるものが出来上がったものの、当店のメイクアップシリーズはまだまだスタートを切ったばかり。
実際にお客さまに使っていただくまではどう感じていただけるのかわからなくて、正直ドキドキしている今です。
多くのお客さまに愛用いただけるようになったなら、今回を第一弾として、続いて第二弾、三弾……と続けていきたい。
雑貨や洋服、暮らしの中の「好き」をたくさんシェアしあってきた今までと同じように、メイクの分野においてもお客さまと一緒に「好き」を共有しあえる場をつくることができたなら。
そんな夢も膨らんでいます。
【写真】 1、2、4、6枚目:滝沢育絵、8枚目:市原慶子
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