【真夏のおしゃれ道場】ラフだけど素敵な人、に憧れて。初心者のための「Tシャツ入門編」
編集スタッフ 小林
おしゃれに自信がありません。その理由は価値観をアップデートせぬまま、年齢だけを重ねてしまった気がしているから。
30代に入って「周りからどう見られるか」は気にならなくなったけれど、はるか昔に買ったものをいまだに着ていたり、なんとなく同じような服ばかりを買い足したり。
ふと気づくと「そもそも私は一体、どんな自分になりたいんだろう?」という気持ちに、とんと鈍くなっていたようです。
けれど本当は、私だっておしゃれを楽しみたい!
と思ったものの、一体何をどう変えたらいいのかが、よくわかりません。心の中では「ラフだけど、なんだか素敵な人」に密かな憧れがありますが、その「なんだか素敵」が難しい。
そこでこの特集では、大人のおしゃれのコツを、プロに教えていただく「真夏のおしゃれ道場」を開催。スタイリストの植村美智子(うえむらみちこ)さんに、弟子入りさせていただくことにしました。
植村さんは雑誌や広告の現場だけでなく、パーソナルコーディネーターとしても活躍され、数々の方のおしゃれの悩みに応えてきた、いわば「おしゃれの師匠」。
今回の入門テーマは、真夏のおしゃれ。暑い季節ならでのラフな格好を、素敵に着こなす秘訣を全3話でお届けします。
初回の第1話は、ラフな夏服の代名詞「Tシャツ」について、おしゃれ道場の門を叩きますよ。
まずは準備体操。大人のTシャツ選び、どうする?
Tシャツはよく着るのですが、カジュアルになりすぎてしまったり、部屋着のようになってしまうのが悩みです。選び方にコツはあるのでしょうか?
植村さん:
「まずは生地をよくチェックしましょう。大人になるとデコルテが薄くなったり、身体のラインに丸みが出てきたりと、見た目に変化が出てきますよね。
そのうえTシャツのようなシンプルな洋服だと、生地によっては、自分の変化が如実に出てしまうことも。
大人であれば、柔らかくてくたっとしたものよりも、少しハリや艶がある生地だったり、肉厚だけどしなやかなものを選ぶと、身体のラインを拾いすぎずキレイに見せてくれますよ」
植村さん:
「また半袖よりも五分袖や、肘にかかるような長めの袖丈だと、やんちゃな印象になりにくく、バランスが取りやすいと思います。気になる二の腕カバー効果も抜群。
ネックラインは顔の形によっても変わるのですが、少し詰まったしっかり目のものを選ぶと、優しい印象のコーディネートにも締まりが出て、より今の時代にフィットすると思います」
いざ実戦。いつものコーデ、どうしたらいい?
▲わたしの普段のTシャツコーデがこちらです!
少しでも大人っぽく見せたいと思い、ブラックのTシャツをセレクト。パンツはオフホワイトのリネン素材のものをチョイスして、爽やかさを意識。
足元に迷いましたが、歩きやすさを重視したカジュアルなサンダルに。ただカラーは黒を選び、あわよくばの引き締めを狙っています。
普段はこれで外に出ており、決して日常に問題はないのですが、おしゃれかどうかと言われると、いまいち自信が持てていません。
一体どうしたら「なんだか素敵」な人になれるでしょうか?
おしゃれの技・その1
– 色のメリハリを意識せよ –
植村さん:
「このコーデ、先ほどと、どこが違うかわかりますか? これ、シャツをインしただけではないんですよ〜。
最初に小林さんが選んでくれたアイテムとあまり変わらないように見えますが、実はこの色づかいがポイント。
まずはパンツの色。小林さんのコーデより、はっきりとした明るいホワイトに変えています。こうすることで、真っ黒なTシャツとコントラストが生まれ、よりメリハリのある印象に」
植村さん:
「サンダルは同じブランドでも、色違いを選びました。これはパンツとサンダルの色合いを近づけるためです。
ボトムスと靴を同じトーンでまとめると、下半身に統一感が出るので目線が散らばらず、よりスッキリと見えるんです。
これでシャツをインすると上半身がコンパクトに見え、かつ目線が自然と上へ行くようになるので、ぐっと垢抜けて見えると思います」
おしゃれの技・その2
– ワントーン戦法で上品に –
植村さん:
「今度は先ほどと同じ黒Tシャツの上に、黒のワンピースを合わせてみました。
黒いTシャツだから爽やかにしようと思うと、つい白いボトムスを選びがちですが、こうして黒1色のワントーンでまとめても素敵です。
あえて色数を抑えることで、格好よく、シックな印象に。潔いコーデだからこそ、アクセサリーやサンダルできらめきを足したり、色のあるカバンを持って差し色を楽しんだりと、アレンジもしやすいと思います」
おしゃれの技・応用編
– ビッグTシャツは大人の味方 –
実はわたし、体型をカバーできる!と思って、嬉々として買った「ビッグTシャツ」が着こなせず……。どうしてもヤンチャになってしまうのが悩みだったのですが、師匠からすると、ビッグTシャツこそ大人の味方アイテムなのだそう。
植村さん:
「シルエットを隠してくれるビッグT、実は一番おすすめかもしれません。ゆとりがあるので、体を華奢に見せてくれる効果があります。
一番合わせやすいアイテムはロングスカートなのですが、パンツスタイルの場合、Tシャツ以外のアイテムをワントーンにまとめると、大人っぽく着こなせます。今までの応用編になりますね。
今回はチノパンとゴールドのサンダルで、色合いをまとめ、スッキリとした印象にしています。さらに小物にメガネを足すことで、よりきちんと感を。
もしボーイッシュになりすぎてしまうのが心配であれば、少しヒールのあるサンダルに変えるといいと思います」
植村さん:
「パジャマ感が気になるときや、カジュアルさが強すぎると感じたときは、袖を折り返すのがオススメ。ちゃんと気をつかっている感じが出て、お出かけモードの着こなしになります。今回はひとつ折にしていますが、鏡をみながら、ご自身にあうよう調整してみてください。
また小林さんは普段『裾イン』をしないとのことでしたが、ラフな服装でも『きちんと感』を出したい場合、裾インした方が締まりが出て、いつもよりぐっと大人っぽい印象に変わると思います。
恥ずかしかったら、まずはお家の中からでもOK。ぜひチャレンジして、コーデの違いを楽しんでみてくださいね」
ビッグTシャツの撮影をしているとき、日ごろ現場で一緒のカメラマンさんが「なんだかいつもよりスッキリして見える〜!」とたくさん褒めてくださったので(喜)、これからは今日の教えを生かして裾インにも果敢にチャレンジしたいと思います。
第2話では夏になったら着たくなるアイテム、「ワンピース入門編」をお届け。
楽ちんだけど、コーデがマンネリしがちなワンピース。飽きずに着るためのアイデアを、たくさん教えていただきましたよ。
Photo:濱津和貴
もくじ
植村美智子
スタイリスト。雑誌や広告などで活躍し、2010年より個人向けファッションコーディネートサービス「Liltin’(リルティン)」もスタート。著書に『洋服の選び方』(マイナビ出版)、『「今の自分」に似合う服』(天然生活ブックス)などがある。
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