【私の宝石箱】09 : 縁があったものを少しだけ。自分らしいジュエリーとの向き合い方
編集スタッフ 齋藤
▲Ryui(リュイ)
誰もが持っていそうな洋服だとしても、ジュエリーを合わせるだけで、ふいにその人らしさがあふれだす。まるでおぼろげだった輪郭が、急に鮮明になるように。
それは例え、一目惚れで選んだものでも、誰かが選んでくれたものでも、等しく。
私はなんだか宝石箱の中には、持ち主の大切な人生が詰まっているような気がしてならないのです。例えおもちゃの指輪であったとしても、何かが揺り動かされて選んだのであれば、その人にとっては何にも替えがたいもののはずだから。
あなたの宝石箱には、何が入っていますか。
そんな質問を、当店スタッフにしてみました。誰かが集めた物たちの愛しさに、ちょっとだけ、触れてみたくて。
Episode 09:Nomura
落ち着いていて、やわらかな物腰。そしてショートカットの似合う中性的な雰囲気。それでいてどこか芯はしっかりありそうで、なんだか日向にいる猫のようにマイペースそう。
当店でデザイナーを勤めている野村への、私のイメージです。
どんなアクセサリーを持っていますか?という質問に対し、「説明できるほど持っていなくて、結婚指輪を抜いたら、3つだけしか手元にないんです」との答え。
3つだけしか持っていないというのも、なかなか珍しいかもしれないと思ってしまった私。その3つは、一体どうやって選んだのだろうと気になってしまいました。
そこには、野村らしい人生哲学があったように思います。
ジュエリーは縁があったものだけ
▲Ryui
野村:
「宝石とかに、そんなに興味がないんです。小さい頃からキラキラしたものとか、装飾品にはあまり目がいかず、男の子のおもちゃの方が好きでした。
洋服はたくさん失敗しているから、大体の予想がつくけれど、アクセサリーの知識は全然なくて。ブランドもほとんど知りません。
だから自分で選べなくて。持っているものは縁があったものだけ」
野村:
「Ryui(リュイ)と出会ったのは、結婚指輪を探していたとき。こんな性分だから、選ぶのがたいへんだったんです。結婚指輪もいらないのではと思っていたほどで。けれどたまたま家の近くにRyuiのお店があって。これも縁と思い、あちらこちら見ることもせずに決めました。
そうしたら夫が花の形のピアスをくれたんです。
そしてもう一つは、金沢のクラフトフェアで購入したブローチ。6〜7年前に購入し、今でもたまに使っています。アクセサリーをつける習慣がなかったので、洋服の延長で着けられるブローチに惹かれたんです」
結婚式のために買った、作家もののイヤリング
▲AOKI YURI
野村:
「AOKI YURI(あおきゆり)さんのイヤリングは、結婚する時に写真を撮るからと購入しました。
ウェディングプランナーさんが『好きそうですね』と教えてくれたんです」
▲AOKI YURI
野村:
「素敵なんですが、これも写真の撮影の時につけたっきり。買えばもっとつけるかなと思っていたのですが、どうも私はそうではないみたいで」
必然性があったものを、受け入れていきたい
野村:
「私はものに対して、あまり執着がないのかもしれません。集めているものもない。その時その時で自分の興味の対象が変わるから、アクセサリーを集めたいとか、洋服を集めたいとか、あまり感じたことがないんです。
そして年齢を重ねてどういった買い物をすると自分が後悔するのかがわかってきました。
違ったら手放すという選択もあるかもしれませんが、それも私にとってはストレスなのでなるべくしたくありません。必需品以外は、できるだけ買わないようにしています」
野村:
「だからアクセサリーも、必要な時に、必要な分あれば良い。
そうしてタイミング良く繋がれたアクセサリーを、大切にしていけたらと思います」
Photo : Kazumasa Harada
Styling : Maki Taniyama
野村
昨年末に引越しをして以来、生活に必要な道具やキッチン用品などを長く愛せそうなお気に入りのものに買い換え中。今欲しいのは、ご飯を美味しく炊ける鍋。尊敬する作家は型染め作家の柚木沙弥郎さん。
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