【これからのおしゃれ】歳を重ねても「カジュアル」を楽しむ。パーマネントエイジ・林多佳子さんに聞く、着こなしのヒント
編集スタッフ 奥村
▲Permanent Ageの林行雄さん(左)、多佳子さん(右)夫妻
いくつになっても愛せる “定番着” を作りたい。本日発売のオリジナルブラウスを企画した時、頭に浮かんだのは、私たちも憧れのセレクトショップ「Permanent Age(パーマネントエイジ) 」の林多佳子(はやし たかこ)さんでした。
飽きのこないシンプルなアイテムを、年齢を重ねても自然に、そして垢抜けた印象で着こなしている林さん。その秘けつはどんなところにあるのでしょうか。
今回はおしゃれにまつわるお話と、ブラウスに込めた想いを伺いに、林さんを訪ねました。
「カジュアルなおしゃれ」ほど、年齢とともに難しくなるから
林さん:
「今回ブラウスの制作に携わるお話を頂いたとき、『年齢とともに、それまで好きだったカジュアルなアイテムがしっくりこなくなってくる』というスタッフさんの動機に共感したんです。
私自身、ずっとベーシックなアイテムが好きですが、年齢とともにカジュアルすぎる装いは合わないと感じるようになって。
たとえばブラウスも、オーバーサイズをメンズライクな印象で羽織ったり、ボタンを開けてラフに着るのも素敵ですが、今はちょっとした工夫で自分らしさを楽しみたい。なので今回のブラウスでも、そんな部分を意識しました」
▲店内にも、シンプルかつ長く着られるデザインの衣服が並びます
林さん:
「特にこだわったのは『小さな襟』です。襟付きシャツはメンズライクやフォーマルな印象になりがちですが、あえて襟を小ぶりにしたことで、ボタンを上まで閉じても、柔らかな雰囲気で着られるデザインにしています。
それから、首元の開き具合。年齢が上がるにつれ首回りの見え方が気になるようになったので、窮屈には見えず、けれど開きすぎていない、ちょうどいい塩梅になっていると思います」
林さん:
「後ろの赤いステッチや、袖幅のゆったりしたデザインもかわいらしくていいですよね。
年齢を重ねたからこそ、 “かわいらしさ” の要素を忘れないことも大事だと思っていて、今回のブラウスではディテールにそんなポイントを意識しました。
決して甘い印象ではないので、手持ちのカジュアルアイテムとのバランスもとてもいいと思いますし、少しだけかわいらしい要素があると、着る時の気分も上がります」
▲林さん(右)とスタッフの桃井さん(左)
こだわりの詰まったブラウス。では実際に林さんはカジュアルなアイテムとどうコーディネートするのでしょうか?
今回は身長155cmの林さんにSサイズを、158cmのスタッフ・桃井さんにMサイズを合わせていただき、着こなしのコツを伺いました。
定番のカジュアルアイテムは「サイズ感」が大事
▲チノパンツはPermanent Ageオリジナルのもの
林さん:
「ブラウスはオーバーサイズだとカジュアルになりすぎるので、あえてジャストフィットな丈感にこだわりました。私は155cmと小柄なので、今回はSサイズを着ています。
チノパンツは太すぎず、細すぎないストレートラインのシルエットで。丈も短すぎず、靴に少しかかるくらいの長さを選ぶと、きちんとした雰囲気になります。
今回は革のフラットシューズを合わせましたが、少しヒールのある靴を合わせてもいいですし、ここにカーディガンを羽織るのも素敵ですね。靴下は履かずに、少し素肌を見せて軽やかな印象もプラスしました」
▲ブローチ(林さん私物)はブラウスと同系色のものを選んで、ちょうどいい存在感に
林さん:
「このブラウスは襟のかわいらしさがポイントなので、あえて首元にはアクセサリーはつけず、ボタンは上まで留めるのが好みです。代わりに胸元に水牛のブローチをつけてアクセントにしました」
林さん:
「ブラウス自体がナチュラルなデザインなので、ここにシルバー系のアクセサリーを取り入れると印象が引き締まっていいアクセントになると思います」
▲スタッフの桃井さん(身長158cm)
桃井さん:
「身長158cmの私は、どちらのサイズでも違和感はなかったのですが、今回はMサイズを選んでいます。
Mサイズは身長によっては少し丈が長く感じられるかもしれませんが、そんな時は袖をロールアップして軽やかな印象で着るのもおすすめです。
柔らかな生地なのでまくったときもふんわりと女性らしいシルエットになり、また素敵ですよ」
▲首元がすっきり見えるデザインなので、小ぶりなピアスなど、華奢なアクセサリーも引き立つ
桃井さん:
「今回のようにデニムやスニーカーと合わせるときは、あえてボタンを上まで留めるときちんとした印象がプラスされてよいバランスになると思います。
反対にボタンを開けると一気にラフな雰囲気に変わるので、気分に合わせて楽しむのもいいですね」
トップスとボトムスを同素材にすると、シンプルでも垢抜ける
▲カーキ色のリネンパンツはPermanent Ageのもの
林さん:
「ブラウスと同じリネン素材のボトムスを合わせてみるのも素敵です。ベーシックなカラーでも、素材を揃えると垢抜けた印象になります。
ボトムスは少し太めのシルエットですが、ブラウスがコンパクトな丈感なのでバランスがとれています。
ラフな着こなしなので、シルバーの腕時計や白いスニーカーで、きちんとした印象をプラスしました」
▲白のスニーカーは「シューズライクポタリー」
歳を重ねるにつれて感じていた、カジュアルな装いの難しさ。
それは決してマイナスな変化ではなく「似合うアイテムが変わってきた」ということなのかもしれないと林さんにお話を聞いて気付きました。
“小さな襟のブラウス” も、今だから似合う新しいカジュアルアイテムなのかもしれない。そう思うとなんだかワクワクしてきませんか?
まずはお手持ちのアイテムと合わせて、ぜひ自分らしい着こなしを見つけていただけたら嬉しいです。
ブラウスの商品ページはこちらから
【写真】岡田久仁子
林 多佳子
兵庫県神戸市生まれ。夫・行雄さんと共に、西宮市苦楽園に、世代や性別を超えて支持されるセレクトショップ『Permanent Age(パーマネントエイジ)』を開く。シンプルながら、その人らしさを引き出すコーディネートアドバイスが人気。
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