【キッチンからはじまる暮らし】第4話: いつもの部屋が違って見える。朝と夜のテーブルまわり

ライター 藤沢あかり

一日のなかでも過ごす時間が長い、キッチンやダイング。

料理を仕事にする人はさらにその時間が長く、自分が快適に動きやすい状態に整えているはずと、料理家のminokamo(ミノカモ)さんのお宅をたずねている今回の連載。

キッチンやダイニングに自分のお気に入りを散りばめながら、機嫌よく過ごすヒントをもらった1〜3話。そこに登場したうつわや道具は、どんなふうに暮らしに生かされているのでしょう。4話目となる最終回では、朝ごはんと晩酌の時間の食卓まわりをじっくり拝見します。

それでは、おじゃまします。

 


たっぷりの日差しを浴びながら
お気に入りを並べる朝ごはん


全国各地をたずね、その土地の郷土料理を紹介する著書もあるminokamoさん。毎年たっぷり仕込むという味噌を、日々の食事に取り入れています。

minokamoさん:
「日常的においしく味噌を食べて、元気に過ごせたらいいですよね。

平日の朝食はごはんと味噌汁の和食が多いのですが、週末はパンにすることも。そんなとき、味噌はサラダのドレッシングに混ぜたり、パンに塗ったりと調味料としてもおすすめなんです」

 

テーブルは窓際の特等席に

▲広いバルコニーに面したダイニングスペースには、気持ちのいい光が注ぎます。

minokamoさん:
「朝ごはんは、このダイニングテーブルで。暖かくなってきたら、バルコニーのテーブルで食事をとる機会も多いです。天気のいい日は、気持ちがいいですよ」

バルコニーにはプランター栽培の自家製野菜も。調理中にちょっと摘んで添える、なんていうのも日常だそうです。

▲一つひとつ異なる表情が集う椅子には、ノッティング織りの椅子敷きを。

 

道具は使って、たっぷり愛でる

朝ごはん作りに活躍するのは、キッチンとダイニングの間にある、このスペース。キッチンで調理したおかずをシェラカップに入れ、りんご箱から出したうつわに盛りつけていきます。

minokamoさん:
「この中間地点だとうつわを選びやすく、盛りつけにも便利なんです」

▲ネパールの鉄鍋で炒ったごまを、サラダにパラパラ。この鉄鍋は、コンロ上にかかっていたものです。

ランチョンマットやトレーも、りんご箱に収納してあるなかから、その日の気分やメニューに合わせてセレクトします。

minokamoさん:
「スープは、鋳物の鍋ごとテーブルに出して、その場で取り分けます。保温力もあるので、熱々を楽しめていいですよ。今日はstaub(ストウブ)を使いました。

朝ごはんの前には、第3話でご紹介した魔法瓶から白湯を注ぎ、スープ用のうつわで飲むことも。うつわが温まったところにスープをよそえば、さらに長く熱々を味わえるというわけです。

さぁ、テーブルの準備が整いました。

この日は、味噌を塗ったパンに、ゆでタマゴや青じそを入れたホットサンド。自家製リーフレタスを使ったサラダ、梅干しで酸味を効かせたキャロットラペを添えました。サラダのドレッシングの隠し味にも、味噌を使い、洋と和をつないでいます。そして熱々の野菜スープ。

「ゆっくりできる休日は、さらに、ここに白ワインを添える日も(笑)」とminokamoさん。なんだかわくわくしてきます。

 


夜は視点を低くして
さらにリラックスの晩酌タイム


さて、こちらは夜の晩酌時間です。

普段の食事はダイニングテーブルでとりますが、くつろぎたい週末や、少し気分を変えたいときはソファに移動してのんびり過ごします。

 

背の低いアイテムを置いたなら

▲「最近はこの火鉢に五徳と耐熱鍋を置いたスタイルがお気に入りです。火鉢がなくても、ティーウォーマーなどを使って卓上で楽しむことができますよ」とminokamoさん。

minokamoさん:
「ダイニングテーブルからソファに移動すると、同じ部屋なのに見える景色や視点が変わりますよね。それだけで、気持ちも新鮮になるんです」

テーブルにしているのは、火鉢が納められていた木箱。自由な視点で見渡せば、収納ボックスやスツールなど、小さなテーブルに代わるものが見つかるはずです。

 

居酒屋気分が盛り上がる、ちょこっとおつまみ

晩酌のおともには、冷蔵庫の作り置きなどを小鉢に少しずつ。この日は、だし巻きやポテトサラダ、青菜のおひたしです。

minokamoさん:
「料理が苦手な方も、残業で遅くなった方も、買ってきたお惣菜をこうしてちょこちょこと盛り付けるだけで、いつもと違った気分が出ますよ。ちょっと居酒屋っぽい気分が味わえて、楽しいですよね。

ソファだけでなく、直接床に座ってみることもあります。さらにくつろげるし、また雰囲気が変わるんですよね。ひとりの時は、本を読んだり映画を見たりしながら。今はじゅうたんですが、夏が来たら、ここにござを敷くのもいいなぁと思っているんです。

外食の機会は減りましたが、こうやってみたら家でも楽しい!って。この1年で知った新しい発見です」

 

いつものキッチン&ダイニングが、ちょっと違って見えてくる

取材中、minokamoさんからは「こうしてみるとちょっと楽しいですよね」という言葉がたびたび登場しました。

minokamoさん:
「生活のなかに、小さなお楽しみコーナーをつくるのが好きなんです。キッチンだったら、実用的なものが並ぶなかにも、ちょっとだけ花を飾るとか、家族のものがたくさんあっても、ここだけは自分のお気に入りのうつわを置くスペースにするとか。広い狭いにこだわらず、そういう『ちょっとときめく』というコーナーやシーンがあったら、きっと毎日楽しいですよね」

4話を通じて、minokamoさんのキッチンまわりの「ちょっと楽しい」が伝わったでしょうか。

肩ひじを張らずに、がんばりすぎず。「ちょっと楽しい」それくらいが、ちょうどいいのかもしれません。キッチンからうまれる時間に、ほんの小さな楽しみやお気に入りを散りばめてみる。「ちょっと楽しい」瞬間を重ねながら、「うんと楽しい」暮らしを歩んでみませんか。

(おわり)

【写真】市原慶子

 

もくじ

 

長尾明子

料理家、写真家。岐阜県美濃加茂市出身。祖母と一緒に料理したことが料理活動のはじまり。日本各地の郷土食の取材にも力を入れている。近著に『料理旅から、ただいま』 (風土社)がある。http://minokamo.info

ライター 藤沢あかり

編集者、ライター。大学卒業後、文房具や雑貨の商品企画を経て、雑貨・インテリア誌の編集者に。出産を機にフリーとなり、現在はインテリアや雑貨、子育てや食など暮らしまわりの記事やインタビューを中心に編集・執筆を手がける。


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