【もっと雑貨のはなしをしよう】ついつい集めたくなる。日用品愛好家が選んだ毛玉取り機
渡辺平日
僕は冬が好きです。ほかの季節も素敵ですけど、冬ってなんだか特別な感じがします。好物の魚がおいしくなるとか、いろいろと理由がありまして、「セーターが着られるようになる」のもそのひとつです。
僕は服に強いこだわりはありません。雑貨やインテリアを買うのに手一杯で、そこまで気を配れなかったのです。でもセーターは昔から好きでした。
一番のお気に入りは10年前に購入したビンテージのセーターです。伝統的な製法でつくられたもので、現時点で「40歳」くらいですが、くたびれた様子はほとんど見受けられません。衣替えをするたびに「やはり職人さんの技術はすごいな」と感心してしまいます。
ところで自分は子どものころ、セーターが嫌いでした。しかし、とある古着屋で出会ったセーターが、僕を変えてくれたんです。……などと語りたいところですが、その話だけで終わりそうなのでまたの機会に。
▲お気に入りの一着。襟や袖はピシッとしていて、年齢をまったく感じさせません。
「それにしても、毛玉を取るのってほんとうに大変だよね」
衣替えのシーズンになると、こんな意見をよく見聞きします(服が大好きな友人も憂鬱そうに同じことを言っていました)。
ただ、自分はそういう意見にはほとんど共感できません。僕は地味な作業が得意で、ことに毛玉取りに関しては、かなりの情熱を注げるからです。
これは生まれ持った性格によるものですが、「優れた道具」に出会ってからは、その傾向がさらに強まりました。
こちらは家電ブランドのrécolte(レコルト)が手掛けた「ケダマトリ」というアイテムです。
うーん、なんと愛らしいフォルムなんでしょう。いい意味で毛玉取り機らしくないというか……。おかげで空間に自然となじんでくれます。
ストラップが付いているのも特徴的。シェルフやハンガーラックなどに掛けておけば、必要な時に探しまわる必要がなくなります。
▲ストラップはやや長めの設計。指に掛けて使えば、不意の落下を防げます。
ちょっと話が変わりますが、日用品を買うときは、「目に入って嫌じゃないもの」を選ぶようにしています。
たとえば「使いやすいけど、目に入るたびに『うむむ』となる掃除用品」があるとしましょう。見た目がどうしても気になって、押入れの奥とかに追いやってしまい、いつしかホコリまみれに。……これってよくある話ではないでしょうか?
「デザインがよく、どこにでも気兼ねなく設置できること」は、特に日用の道具にとっては、とても大事な要素ではないかと僕は考えています。
▲動作音はそれなりに大きいです。少なくとも静かではありません。住環境にもよりますが、早朝や深夜帯の使用は避けたほうがいいでしょう。日中に使うぶんにはほとんど問題ないと思います。
見た目だけではなく、使い心地も良好。丸っこい形状は手によくなじみ、快適にお手入れできます。接触面は約8cmと大きめで、ブランケットやソファのカバーなどなど、「大物」のケアもバッチリです。
毛玉を取る力はけっこう強めですね。快適に毛玉を収集できますが、薄手のシャツやカーディガンを手入れする際にはご注意を(押し当てるのではなく、表面をなぞるように使うのがポイントです)。
そうそう。収集といえば、ブランド名のrécolteには、ずばり「収集」という意味があるようです。「集めたくなるもの」というニュアンスだと思いますが、たしかにケダマトリには、ずっと持っておきたくなる魅力があります。
▲お手入れが簡単なのもグッド。サッサッとブラシでこすれば、だいたいの毛玉は取り除けます。
繰り返しになりますが、僕は毛玉取りが好きです。手入れをしていると健やかな気分になるし、集められた糸くずを見ると「こんなに取れたのか」と嬉しくなります。
ケダマトリに出会ってからは、毛玉を見ると「よしよし。あとでまとめて収穫するとしよう」と感じるほどになりました。まあこれは極端な例として、こういう優れた道具には、人の意識や行動を変えるような力があると思います。
いやしかし、おすすめのアイテムを紹介しようとすると、どうしても話が長くなりますね。魅力はうまく伝わったでしょうか? ケダマトリを見習って、もっと話をまとめられるよう精進します。
ところでrécolteには「収穫」という意味もあるそうです。それにかこつけるわけではありませんが……。このコラムがみなさんにとって、実りのあるものになればと祈るばかりです。
本日登場したアイテム
【イラスト】イチハラ マコ
【写真】渡辺平日
渡辺平日
日用品愛好家。海の見える小さな町で生まれ育ちました。毎日が平日のつもりで、日夜せっせと文章を書いています。趣味は町歩きと物件探しと民話収集。そういう話題が耳に入ると、反応して振り返ります。主な寄稿先は『LaLa Begin』『和樂web』『goodroom journal』など。Twitterアカウントは@wtnbhijt。
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