【ただいま、ワタシ時間】後編:部屋から一歩踏み出して、好きな服着て散歩しよう。

ライター 小野民

当店オリジナルドラマ『ひとりごとエプロン』で夏希を演じた、松本妃代さんにお話をうかがっています。

先日公開されたファイナルシーズンの中の夏希からは、これまでとはひと味違う魅力を感じました。団地の一室、「自分のお城」から一歩踏み出すストーリーについて、松本さんはどのように感じたのでしょうか。

自身のこの2年間の変化や近況と合わせてお話ししてくださいました。
前編からよむ

▲シーズン3 第12話『ふわふわ卵焼きのサンドイッチ』より

 

だんだんカラフルになっていく、そんな大人もいいじゃない?

シーズン3の季節は春。松本さんは、どんな心持ちでこのシーズンに取り組んでいたのでしょうか。

松本さん:
「夏希の気持ちがこれまでとは少し変化して、外に出ていくシーズンです。これまで『外用の装い』といえば、会社帰りの黒いスーツ姿に収まっている感じでしたが、ある休日、完全に自分らしい格好で外に出るんですよね。

ハイライトはなんといっても桜並木の下を歩くシーン。自分らしい状態で、リラックスできてる夏希の姿が見せられたらと考えながら演じました」

▲シーズン3 第12話『ふわふわ卵焼きのサンドイッチ』より

たしかに、これまでも家の中ではカラフルな着こなしが印象的だった夏希の着こなし。今シーズンでは、彼女らしい装いへの想いのひとりごとも出てきます。

松本さん:
「彼女のファッションは、シーズン1からずっと、私には想像つかないような組み合わせでしたね(笑)。でも、それがすごくかわいくて、彼女のファッションはいつも楽しみでした。

歳を重ねると、周りの目を気にして派手な色を着ないとか、大人しい服装にしてバランスを取っちゃうこともあると思うんです。

でも、夏希は大人になるにつれて解放されていく。シーズンを重ねて、家の中だけでなくて外でも自分らしくいられるようになっていくのが素敵です」

たしかに、自分のことを考えてみても、歳を重ねるにつれて無難な服装になっているような。夏希がやっていた「姿見の前でのファッションショー」だって、子どもの頃や今より若かりし頃にはうきうきしていたことだけれど、ずいぶんご無沙汰なことに気づかされます。

でも、それで良かったっけ? とも思うのです。歳を重ねてカラフルなコーディネートを楽しんでいる人生の先輩たちに、いつも見惚れているのだから。

▲シーズン3 第12話『ふわふわ卵焼きのサンドイッチ』より。夏希の服は、カラフルで遊び心がいっぱい

松本さん:
「夏希
が、自分の心地いいスタイルで外に出かけていく姿を見ていて、私も嬉しくなりました。ドラマとしては完結したけれど、彼女はこれからどういう風に変わっていくんだろうと、今後のことを想像するのも楽しいんです」

松本さん:
「『ひとりごとエプロン』で描かれるような好きなものに囲まれた部屋でお料理をすることや、自分らしい服装でいることが、彼女にとってのストレス発散やリズムを整える方法だったんじゃないかな。そんな日々を2年間積み重ねて、大人になっていったんだと思います」

ドラマの中で、たびたび出てくる夏希のひとりごとが「〜したっていいんじゃない?」というもの。確かに、過去の自分や凝り固まった考えに、手を動かしながら向き合ってみるのは、自分の中のモヤモヤを消化していくひとつの方法かもしれません。

▲シーズン3 第9話『私には甘い玉ねぎ餃子』より

 

 じぶんごとで精一杯から、周りを見渡せるようになって

松本さん:
「『ひとりごとエプロン』の撮影が始まった2年前、私は24歳でした。なので、この2年で20代前半から20代後半になりました。

そうなってみて感じるのは、20代前半は自分のことをこなすことに精一杯で、常に目の前に超えるべきハードルがあるような気がしていたこと。頑張らないといけないって肩肘を張っていたんです。

それが最近は、自分だけでなくて周りで起こってることに目を向けて、誰かのために自分ができることを考える気持ちが芽生えてきました」

松本さん:
「そういう風に考えるようになったのは、ここ3年間、自分が描いた絵で個展を開催させてもらっていることが大きい気がします。

単純に、好きだから描いている感覚が強かったんですが、個展に来られた方が絵を見て『気持ちが穏やかになった』と伝えてくれたり、グッズのカレンダーを購入してくださった方が『毎月楽しみ』と言ってくれたりして、直接反応をもらえるのが嬉しくって。

演じることでもそれ以外でも、自分の表現で喜んでくれたり励まされたりする人がいる。その実感を持てたことで、自分がやりたい仕事にはどんどん挑戦していきたいと思えるようになったんです」

 

極めずとも、小さな「好き」できっと大丈夫

松本さん:
「ファイナルシーズンを見てくださる人たちにとって、夏希のように外に一歩踏み出したり、自分らしくいたりするきっかけになったら嬉しいですね。

シーズン1から振り返って観てみたら成長も感じると思いますし、その中でお気に入りのストーリーを見つけてくれたら。落ち込んだり、日常生活の忙しなさに心が追いつかないときに、『ひとりごとエプロン見よう』って思ってもらえたらいいなと強く願っています」

最後に、松本さん自身が最近一歩踏み出したことは何ですか? という質問を投げかけてみました。

松本さん:
「私はやりたいことがいっぱいあって、これまでは、手をつけたことは全部完璧にできないと落ち込んでしまっていて。

でも、最近は、50%でもいいから好きなことをやり続けようと考えるようになりました。細切れの時間でもいいと割り切ってからの方が、集中して取り組めるんですよ。

ひとつを極めなくても、好きなことを少しずつ長く続けるのもいいと思えるようになって、躊躇せずに『これが好きなんだ』と宣言して楽しめています」

どうしても大人になると、仕事が第一になったり、服装にしても、ジャンルをしぼらなくちゃと思ったりするけれど、全部好きでいいじゃない? と松本さん。

松本さん:
「『ひとりごとエプロン』は、私にとってはお守りのような作品になりました。夏希を演じたことで、すごく自分が強くなれたんです。

今までも、自分が感じていたモヤモヤやしんどい気持ちを自分なりに解消してきたつもりだけど、これでいいの? これで合っている?って不安もありました。

でも、夏希を通して『自分なりのやり方で自分らしくやってていいんだ』って。たぶん、これからもっと大人になっても、事あるごとに見返す作品だと思います」

(おわり)

 

ファイナルシーズンはYouTubeで公開中です

ファイナルシーズンは全4話。 どうぞお楽しみください。

9話 :公開中 https://youtu.be/YpXWkE9h2ko
10話:公開中 https://youtu.be/z0v-9K76M-k

11話 :公開中 https://youtu.be/ceSORfIh1bc
12話:公開中 https://youtu.be/4o02Ike1NPA

 

公式プレイリストができました!

ドラマに欠かせない要素である音楽を、ぎゅっとひとまとめにした公式プレイリストもできました。ぜひこちらもお楽しみください。

プレイリストを聴く
(Spotify)

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(Apple Music)

 

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松本妃代

1995年、兵庫県生まれ。「北欧、暮らしの道具店」のドラマ「ひとりごとエプロン」に主演。ドラマ「おちょやん」「やんごとなき一族」などに
出演し、その他映画や舞台などでも活躍中。近年、絵画アーティストとしての活動も精力的に行なっている。
オフィシャルサイト
・Instagram:@kiyomatsumoto


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