【理由のある料理】後編:豚肉のうまみが野菜にじゅわり。手軽な「中華丼」とサバ缶の和え物
定番の料理が、ぐんとおいしく、そして気楽にもなるレシピを、料理家の上田淳子さんに教えてもらっています。
後編では、丼ごはんにもぴったりな中華風のうま煮「四宝菜」と、包丁いらずの大根と鯖缶で作るサラダを。家ごはんは食べたいけれど、手間は最小限にしたい。そんなときに覚えておきたい、献立の組み立て方についてもお話ししてくれました。
そのまま食べてもご飯にかけても。
食欲そそる四宝菜
材料(2人分)
豚肉…150g
白菜…300g
ピーマン…3個
にんじん…3cm程度
おろししょうが…小さじ1
鶏ガラスープの素…小さじ1
塩、こしょう…少々
ごま油…大さじ1
水溶き片栗粉…片栗粉小さじ2を水大さじ1強で溶いておく
作り方
1.野菜と肉を一口大に切る
▲白菜は3センチ幅、ピーマンは乱切り、にんじんは薄い半月切りにする
2.肉を炒める
フライパンにごま油をひいて中火にかけて、熱くなったら豚肉を入れます。塩、こしょう、おろししょうがを入れ、ほぐしながら香ばしい香りが立ち、あらかた火が通るまで炒めます。
上田さん:
「レシピでは伝えにくいことなのですが、火が通ったかどうかの判断には、鼻も使ってほしいところ。肉のいい香りがしたら次に進みましょう」
3.野菜を加えて蒸し煮にする
火の通りにくい野菜から入れて、葉物は最後に。水100ml(分量外)と鶏ガラスープの素を加えます。
蓋をし、蒸し煮にして野菜に火を通し、途中で上下をかえします。
上田さん:
「炒めるのではなく蒸し煮にするのは、火の通りを均一にするため。炒めると火の通りに差が出やすいので意外と難しいんです」
4.塩、こしょうで味を整え、片栗粉でとろみをつけて完成
上田さん:
「味見は必ずしましょう。ここで汁がおいしく飲める程度の塩分だったら、もうちょっとだけ塩を足したほうがいいです。そして、水溶き片栗粉を入れるときは、回しかけるのではなく、一点に注ぎましょう。ヘラの方を回して具材とかき混ぜると、だまになりません」
とろみが出たら、さらに10秒ほどしっかり煮立てます。
上田さん:
「今回は、最初にごま油でしょうがを香ばしくすることでコクやうまみをプラスする作り方にしました。さらに簡略するなら、最初から蒸し煮にする方法あります。その場合は、硬い野菜から火の通りやすいものの順に重ね、一番上に肉を乗せて、水や調味料を入れて蒸すだけ。肉のうまみが野菜に染み込むことでおいしくなります。
もっと具材が少なくても、他の野菜やきのこを加えてもいいですよね。
料理って、できあがりのゴールは一緒でも、坂道から登りたい場合もあれば、ショートカットの道もある。そのときの状況で、上手に使い分けられると楽しめる気がします」
さっぱり食感が止まらない味わい
優秀サバ缶と大根の和え物
材料(2人分)
大根…300g
サバ缶…1缶(200g)
A
めんつゆ…大さじ1
酢…大さじ1
サラダ油…大さじ1
作り方
1.大根をスライサーで千切りにする
2.しっかりと汁気を切って粗くほぐしたサバを、加える
3.Aを加えて、全体に調味料が回るようにしっかり混ぜる
上田さん:
「四宝菜にはさっぱりした味の付け合わせがいいと思ってのメニューです。調味料の油、めんつゆ、酢は1:1:1の割合でいろいろな味付けに使えますし、油やお酢の種類を変えてもいいですね。
保存したい場合は、大根は塩揉みしておくと水分が出なくていいですが、すぐ食べるなら、今回のようにそのまま和えれば手軽だし、シャキシャキ感も味わえます」
おいしく、普通を続けていけるように
上田さん:
「子どもたちが小さい頃は、四宝菜のような中華風のうま煮はよく作りました。ご飯にかければ、それだけでも忙しいときは十分だし、あともう一品あれば立派な献立になりますよね。
我が家の子どもたちは、肉じゃが、豆腐のうま煮、クリームシチューなどもご飯にのってるものだと思って育ったみたい(笑)。白いご飯だけだと食が進まない子にも試してみてほしいです。
付け合わせに使ったサバ缶やツナなどの缶詰も、手軽に使えるたんぱく質として便利なので常備しておくといいですね。日々のごはんづくりを無理なく、おいしく、普通を続けていけるように、自分に合った工夫を取り入れてほしいです」
***
手軽だけど、ちゃんと作る。上田さんに教わったポイントを振り返りながら料理を作ってみると、適度に集中力を使っている感じが心地よかったです。そうすると、なんだか楽しいし、漫然と料理するよりも、コンパクトな時間でできることも発見しました。
ありがたいことに、手に入れたレシピは家族にも好評。これができれば安心だし、喜ばれる。そんな心得を手にして、私の毎日の料理へのハードルは、ぐんと下がった気がしています。
【写真】上原朋也
もくじ
上田淳子
辻学園調理技術専門学校卒業後、同校の西洋料理研究職員を経て渡欧。スイスのホテルやベッカライ、フランスの星つきレストランなどで修行を積む。現在は料理研究家として独立し、テレビや雑誌などで活躍。著書に『フランス人は、3つの調理法で野菜を食べる。』(誠文堂新光社)、『レシピ以前の料理の心得』(青幻舎)など多数。ポッドキャスト番組「料理楽しくなる相談室」も人気。
Instagram:@ju.cook
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