編集スタッフ　松田

特集「わたしたちが北欧に惹かれる理由」

第七話：「自分」を求められるとは？

6月9日から毎日更新で、
特集「わたしたちが北欧に惹かれる理由」
をお届けしています。

■私がデンマークに惹かれた理由
第一話：プロローグ
第二話：自由と豊かさの手がかりを探しに
第三話：デンマークでみつけたもの
■デンマークに暮らす、針貝さんへ聞いてみました
第四話：憧れのデンマークの第一印象
第五話：デンマークでみつけた本当に贅沢な時間
第六話：暮らしてはじめてみえる、デンマークの内側
第七話：「自分」を求められるとは？
第八話：やっぱり高い税金のコト。
第九話：デンマークに暮らす一人の女性として
■私たちが北欧に惹かれる理由
最終回：編集後記

 

デンマークで国際結婚し、
子育てをされながら、ライターとして
情報を発信されている
針貝有佳さんのお話をお届けしています。

本日は、デンマークの人々の
自立心についてのお話です。

 

私がデンマークへ行ったときに
感じたことですが、
デンマークの同世代の子って
とっても大人びて見えるんです。

どんな話に対しても、
自分の意思や主張を持っていて、
自立心が強いというか。

実際、日本の若い人たちに比べて
寮や一人暮らしなど
両親から離れて暮らす人が
多いとも聞きました。

針貝さんは、デンマークの人びとについて
どう感じますか？

 

自分で意思決定をする習慣

針貝さん：
こちらに来てすごく面白いと思ったのが、
デンマーク人が初対面で会った人に
聞く質問です。

デンマーク人って初対面で会ってすぐに
｢職業は？｣と尋ねるんです。
それで、相手が失業中だったり、
まだ学生の場合は
｢教育は？｣と教育に話を移すんです。

なぜそんなことを聞くのかというと、
デンマーク人は、職業や専攻を聞くことが
相手を知るための
最も手っ取り早い手段だと
思っているからなんです。

そこには｢好きな仕事をするために、
好きなことを学ぶ｣という
大前提があるんですよね。

これは私にとって新鮮な驚きでした。

デンマーク人は
｢仕事は仕事。稼ぐために働く｣と割り切らず、
本当に好きなことを仕事にするために、
好きなことを学ぶんだなって。

でも、そんなことができるのは、
低収入の人を支える福祉制度が
あるからなのかもしれません。

そして、就職活動をする際には
会社ではなく、
特定の職務内容に
応募する仕組みになっています。

もちろん、やりたくない仕事を
しなきゃいけないことはあるでしょうが、
会社から一方的に全く希望外の部署に
回されることはありません。

｢デンマーク人は好きなことを
追求できていいな｣と思う反面、
｢ちゃんと自分のアイデンティティと
専門分野をもっていないと大変そうだな｣
と思ったりもします。

でも、少なくとも
私が知っているデンマーク人は、
自然にアイデンティティを確立して、
専門を深めていっているように感じます。

それはきっと、子どもの頃から、
家庭や学校で個人として
尊重されてきたからだと思います。

デンマークでは、
子どもの進路、恋愛、結婚などについて、
親はあまり口出ししません。

子どもの意思を尊重するんです。

だからこそ、子どもに
自分で意思決定する習慣が身につき、
子どもが自律した人間に
育っていくのではないかなと思います。
*************************************
本日はここまでおしまいです。
「好きなことを仕事にするために
好きなことを学び追求していく」
というデンマークの人々の生き方って
やっぱり魅力的だなと思います。

明日は、気になるデンマークの人々の
税金観について聞いてみました！

ではまた明日！

 

 

もくじ

■私がデンマークに惹かれた理由
第一話：（6月9日更新）
プロローグ

第二話：（6月10日更新）
自由と豊かさの手がかりを探しに

第三話：（6月11日更新）
デンマークでみつけたもの

■デンマークに暮らす、針貝さんへ聞いてみました
第四話：（6月12日更新）
憧れのデンマークの第一印象。

第五話：（6月13日更新）
デンマークでみつけた本当に贅沢な時間

第六話：（6月14日更新）
暮らしてはじめてみえる、デンマークの内側

第七話：（6月15日更新）
「自分」を求められるとは？

第八話：（6月16日更新）
やっぱり高い税金のコト。

第九話：（6月17日更新）
デンマークに暮らす一人の女性として

■私たちが北欧に惹かれる理由
最終回：（6月18日更新）
編集後記

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