【自分へのご褒美に】永く愛せるバッグや憧れの北欧雑貨など>>

連載エッセー|『お星さんがたべたい』

連載エッセー|『お星さんがたべたい』

《なにかをたべるときはいつも「元気をだそう」とおもっています。スーパーマリオブラザーズのマリオはお星さんにぶつかると、からだじゅうを光らすほどの元気をだすけれど、あれの、もっとささやかな感じが、わたしにとってのごはんです。つまり、ごはんは、わたしのお星さんです。》

カルチャー
【最終回|お星さんがたべたい】12:花を吸う
2025/02/12
 小学校の帰り道、道端でつつじの蜜を吸ったり、小さいぶどうのような実をたべるのが一時期、流行った。 はじめはつつじの蜜をちゅうちゅうと吸うともだちをみて、あの子はたしかにわたしのた...
カルチャー
【連載|お星さんがたべたい】11:明日、地球が終わるとすれば
2025/01/24
ひとりでいるのは、好きだ。近所でも、知らない道でも、ひとりで歩くのが好きだ。ひとりでなにかを食べることも好きだ。ひとりで映画をみるのも、本を読むのも好きだ。ひとりでいるときの自分が...
カルチャー
【連載|お星さんがたべたい】10:あんぱんの看板
2024/12/23
 出かけた帰りに電車を乗り換えていたらぼんやりしていたのか知らないけれど地下鉄のホームから階段を上りいつの間に外に出ていた。二十一時過ぎ、銀座一丁目である。それはそうと気温と風がこ...
カルチャー
【連載|お星さんがたべたい】09:おまじない
2024/11/16
 おまじないというか、願掛けというか、祈りというか、ルーティーンというか、習性というか、プラシーボというか、こうするとこうなる、ような気がする、みたいなのってあるものだ。私の場合は...
カルチャー
【連載|お星さんがたべたい】08:スーパーマーケットの風景
2024/10/24
 スーパーに駆け込むのはいつも閉店前の頃だから、果物やら野菜やら魚やら肉やらの棚はがらんとして、お惣菜なんかもすかすかとして、ぽつんぽつんとある割引されたお寿司のパックを疲れ顔の社...
カルチャー
【連載|お星さんがたべたい】07:急焼肉
2024/09/26
 昼の仕事ですっかり元気がなくなって、振り返れば振り返るだけ気分が沈む。蕎麦屋に入って、せいろを食べて、生ビールを飲んでみたけれど、うれしい気持ちにはさっぱりならない。もちろん0に...
カルチャー
【連載|お星さんがたべたい】06:なに食べる? なに食べたい?
2024/08/16
 だれかとごはんへ行ったとき、それが喫茶店なら無難にホットコーヒーを頼めばいい。 けれどたとえば居酒屋のような、ふたりで一緒に食べるものを頼むところでは「なに食べる?」「なに食べた...
カルチャー
【連載|お星さんがたべたい】05:浅い夏のやわらかいもの
2024/07/19
 私には歩く、以外の趣味もないのだから雨が降っていなければ毎日せっせと歩いている。しかし桜が散ったと思えばもうこの蒸し暑さであるからかなわない。ベンチでひと休みしたりもするから、風...
カルチャー
【連載|お星さんがたべたい】04:オムライスとむせかえるような花の匂いと
2024/06/14
 まったく料理の経験などないのに「まあ、結構料理はするほうかな」と嘘をついたことがある。 はじめてできた恋人に「料理とかはするの」と聞かれたのだったか、自分から言い出したのかは覚え...
カルチャー
【連載|お星さんがたべたい】03:ポップコーンはからから
2024/05/17
 突然、ひとりにたえられない夜がくる。 なげいたり、泣いてみたり、怒ってみたりしたっていいけれど、そういう気分にもなりきれない、からからかわいたさびしさが、心に腰を下ろすとき、どう...
カルチャー
【連載|お星さんがたべたい】02:昼過ぎのパンとコーヒー
2024/04/19
 ごろごろと困難がつみかさなると部屋をでる。 部屋をでると、小雨がふっているような、ふっていないような感じである。傘はもたず、フードをかぶって、街をあるく。吐く息はまっしろ。平日の...
カルチャー
【新連載|お星さんがたべたい】01:唐揚げと、いつまでもなかよくね
2024/03/18
 短いスカートを揺らしてコンビニへ走り、唐揚げ弁当を買う。友だちはほっぺたよりもちいさなパウンドケーキと午後の紅茶を買っている。教室に戻り、わたしたちのほかに誰もいなくなった教室に...