【最終回|お星さんがたべたい】12:花を吸う
2025年2月12日(水)
小学校の帰り道、道端でつつじの蜜を吸ったり、小さいぶどうのような実をたべるのが一時期、流行った。 はじめはつつじの蜜をちゅうちゅうと吸うともだちをみて、あの子はたしかにわたしのた...
2025年2月12日(水)
小学校の帰り道、道端でつつじの蜜を吸ったり、小さいぶどうのような実をたべるのが一時期、流行った。 はじめはつつじの蜜をちゅうちゅうと吸うともだちをみて、あの子はたしかにわたしのた...
2025年1月24日(金)
ひとりでいるのは、好きだ。近所でも、知らない道でも、ひとりで歩くのが好きだ。ひとりでなにかを食べることも好きだ。ひとりで映画をみるのも、本を読むのも好きだ。ひとりでいるときの自分が...
2024年12月23日(月)
出かけた帰りに電車を乗り換えていたらぼんやりしていたのか知らないけれど地下鉄のホームから階段を上りいつの間に外に出ていた。二十一時過ぎ、銀座一丁目である。それはそうと気温と風がこ...
2024年11月16日(土)
おまじないというか、願掛けというか、祈りというか、ルーティーンというか、習性というか、プラシーボというか、こうするとこうなる、ような気がする、みたいなのってあるものだ。私の場合は...
2024年10月24日(木)
スーパーに駆け込むのはいつも閉店前の頃だから、果物やら野菜やら魚やら肉やらの棚はがらんとして、お惣菜なんかもすかすかとして、ぽつんぽつんとある割引されたお寿司のパックを疲れ顔の社...
2024年9月26日(木)
昼の仕事ですっかり元気がなくなって、振り返れば振り返るだけ気分が沈む。蕎麦屋に入って、せいろを食べて、生ビールを飲んでみたけれど、うれしい気持ちにはさっぱりならない。もちろん0に...
2024年8月16日(金)
だれかとごはんへ行ったとき、それが喫茶店なら無難にホットコーヒーを頼めばいい。 けれどたとえば居酒屋のような、ふたりで一緒に食べるものを頼むところでは「なに食べる?」「なに食べた...
2024年7月19日(金)
私には歩く、以外の趣味もないのだから雨が降っていなければ毎日せっせと歩いている。しかし桜が散ったと思えばもうこの蒸し暑さであるからかなわない。ベンチでひと休みしたりもするから、風...
2024年6月14日(金)
まったく料理の経験などないのに「まあ、結構料理はするほうかな」と嘘をついたことがある。 はじめてできた恋人に「料理とかはするの」と聞かれたのだったか、自分から言い出したのかは覚え...
2024年5月17日(金)
突然、ひとりにたえられない夜がくる。 なげいたり、泣いてみたり、怒ってみたりしたっていいけれど、そういう気分にもなりきれない、からからかわいたさびしさが、心に腰を下ろすとき、どう...
2024年4月19日(金)
ごろごろと困難がつみかさなると部屋をでる。 部屋をでると、小雨がふっているような、ふっていないような感じである。傘はもたず、フードをかぶって、街をあるく。吐く息はまっしろ。平日の...
2024年3月18日(月)
短いスカートを揺らしてコンビニへ走り、唐揚げ弁当を買う。友だちはほっぺたよりもちいさなパウンドケーキと午後の紅茶を買っている。教室に戻り、わたしたちのほかに誰もいなくなった教室に...