長く愛用していたお気に入りの傘が、ついに壊れてしまいました。
ネイビーの生地に、子供のにぎりこぶし大のレモンが一面に広がった、目にもルンルンする柄の傘でした。
樹脂製の持ち手が変質していたり、閉じにくくなったり、買い替えのサインはちらほらあったのですが、いざ次を探そうとすると、なぜか腰が重くなってしまって。まだ使えるしなぁと。
けれどついにその時が来てしまい、傘探しを再開することに。
ちょうど、自分のファッションを「少しだけ落ち着いた雰囲気にシフトしてみたい」と思い始めたタイミングでもあったので、「これから5年後くらいに、どんな自分になっていたいかな?」と、未来の自分に問いかけながら探してみることにしました。
不思議なもので、「これでおしまい」と気持ちの整理がつくと、次に手にしたいものと自然に目が合うようになるのですね。あ、これだ、と一目惚れしたのは「雨の日を愉しむ長傘」です。
広げた時の直径は100cm。上半身をカバーできる安心感のある大きさです。
味わいのある凹凸が美しいバンブーの持ち手は、滑りにくくて持ちやすいのが嬉しいポイント。
でも、私が本当に心惹かれたのは、その機能性以上に、この傘が醸し出す「佇まい」でした。
あぁ誰に頼まれたわけでもないないのに、いろんな角度で撮りたくなってしまうよ。
まずは玄関にちょい置きして、パシャリ。
晴れた日に、風通しのいい場所に広げて干している様子も、遠くから、近くから、パシャリ。グレーのチェックって、なんて上品なんだろう。


靴箱に掛けてある様子も好きだな〜と、写真を撮りつつ惚れ惚れしてしまいます。

バンブーの持ち手にはじまり、石突きやつゆ先のレトロな風貌も、ときめきが詰まった大切なパーツです。


小さくて普段はその存在を忘れているけれど、ふと目が合う瞬間があって。つゆ先の、まるで「てるてる坊主」のようなフォルムに新鮮な驚きを覚えたり、この小さくて繊細なパーツを一体どんな人たちが作っているのだろうと、背景にある仕事に思いを馳せてみたり。
生地と親骨を結びつけるパーツのようですが、布に着地した雨粒が、このつゆ先を経由して地面へと静かに落ちていく。そう思うと、雨の通り道として、なんて美しいデザインなんだろうと感じます。

もともとはバラバラだったパーツが、選び抜かれてひとつの傘としてバランスよくおさまっている。その姿には、静かな華やかさがあって本当に素敵です。
「この傘が似合うようになりたい」と、これからの自分をポジティブにイメージできたので、私の傘選び、いいところに着地できたと思っています。

普段は自転車でビューンとワープする道も、傘をさしてゆっくり歩いてみると新鮮ですね。道すがら、紫陽花のつぼみをいくつも見つけることができました。

雨の日は昼でも薄暗く、だからこそ紫陽花の色彩がとんでもなく綺麗に見えますが、あの景色が今年も見れるんだなと、楽しみな気持ちが湧いてきます。
実は、雨の中を歩くのって面倒だし、「あぁ、嫌だなぁ……」とうんざりしながら家を出ることの方が多いです。
けれど時折、目の前の景色や雨音にじっと耳を澄ましているうちに、いつの間にか自分の世界に入り込んで、心があちこちへ旅をしているような感覚になることがあります。気づけばあっという間に目的地に着いていて、ワープしたかのようなその時間が、思いのほかリフレッシュになっていて、ささやかなご褒美のように感じることも。

この長傘は、雨の日のどんよりとした空よりも一段明るいグレーなので、傘の下にいても視界がふわりと明るく感じられるのも、嬉しい発見でした。
憂鬱になりがちな梅雨入り前に、大切にしたいと思える傘を新調できて、本当によかったです。
***
当店オリジナル「雨の日を愉しむ長傘」は、グレーとブラウンの2色展開。どちらもデイリーに持ちやすい、落ち着いたデザインです。
詳細は商品ページをご覧ください。
商品ページを見る