
こんばんは。北欧、暮らしの道具店です。
月に1回お届けしている「夜ふけの絵本ラジオ」。
東京・高円寺にある絵本のお店「えほんやるすばんばんするかいしゃ」を営む荒木健太さんに、ちょっと不思議で、どこかホッとするお話を選んでもらい、声でお届けするポッドキャストです。
せわしない毎日を心地よくしめくくる、夜じかんのおともにでもなればうれしいです。
今夜のお話は
『山ねこホテル』

今夜は、柴野民三作、茂田井武絵『山ねこホテル』というお話をお届けします。
山ねこの ボンシイクは
とても おおぐいです。
山のけものを みんな たべてしまいました。
もりの とりを
みんな たべてしまいました。
もう たべるものが ありません。
そこで いちにちかんがえて
もりのなかに ホテルを たてることにしました。......
『山ねこホテル』p.33より
荒木さん:
「このお話を読んだ人がどんな風に感じるのか、ちょっと気になります。
おもしろいと感じる人も多いと思うし、こわいと感じる人もいるかもしれません。単純にかわいいと感じる人もいそうな気がします。他にもいろいろありそうですが、どんな風に受け取っても不思議ではありません。ただ、絵を見るかぎり、かわいいし、言葉選びもあっけらかんとして深刻には感じません。方向性としては楽しく受け取っていい雰囲気です。一方、お話はどうでしょう。なかなかすごいことが起きています。絵も言葉もシリアスに描かれていたら、とんでもない恐怖物語になりそうです。でもそうは描かれていません」

「つまり、ここは物語の世界。真に受けなくても大丈夫なわけです。絵と言葉と物語のバランスに惚れ惚れします。絵が言葉を補い、言葉遣いが物語を補う。その絶妙な関係性に、私は生きる上でのヒントをもらっています。ちなみに、今から約80年前の作品です」


荒木健太
東京・高円寺にある絵本専門の本屋「えほんやるすばんばんするかいしゃ」店主。店頭には古本・新本の絵本があり、作家の原画展示も行うほか、「果林社」の屋号で絵本も出版している。
166-0003 東京都杉並区高円寺南3-44-18
14:00-20:00 ※火・水定休
Instagram:@ehonya_rusuban