
本日発売となった、暮らしを愛するひとのためのロングシャツ。
イギリスのクロージングブランド『マーガレット・ハウエル』との念願のコラボレーションによって実現しました。
「暮らしを愛するひとのため」。私たちが大切にしてきたこのテーマを旗印として、『マーガレット・ハウエル』デザインチームの皆さんと一丸となり、生地や縫製に関わる多くの人の手を介して生み出せた、特別な一着です。
こちらの特集では、「一枚のシャツ」ができるまでに関わってくださった方たちとのお仕事の裏側をお伝えし、このシャツにかけたこだわりと、その想いの一端をご紹介します。
商品ページを見る「暮らしを愛する」の本質をさがして

昨年の秋、シャツの開発に向けて、『マーガレット・ハウエル』デザインチームの皆さんとともに企画打ち合わせが始まりました。私たちがともに作りたいとお願いし、提示したテーマは「暮らしを愛するひとのためのシャツ」。
暮らしの中で気負いなく着られる “ ふだん着 ” を、『マーガレット・ハウエル』と一緒に作りたい。そんなささやかな願いがありました。
このテーマを受けて、長年お取引があるという織布工場を提案してくださいました。
▲『マーガレット・ハウエル』で長年デザインを担当する池田さん(写真中央)をはじめとしたチームの皆さんとともに、打ち合わせを重ねてきました
池田さん:
「『暮らしを愛する』ということの本質は、やっぱり『動く』とか『働く』とか『作業する』っていうことですよね。単に家の中を美しく整えることだけではなく、掃除をして、料理を作って、時には外で土にふれて庭を整える。そんなリアルな日常の営みそのものを慈しむこと。
その時に着やすく、動きやすく、そして着込んでいくうちに味になる。今回のシャツは、そんな特性が必要だと思いました。
一方で、私たち『マーガレット・ハウエル』が普段使っている生地は、高密度に織り上げられ洗練された素材が中心です。
マーガレット本人からすると、『カシミヤのセーターだろうが、高級なシャツだろうが、すべて日常で着てほしい』というスタンスではあるのです。でも、『汚さないように大事に着なきゃ……』と考えるのが普通だと思います」

池田さん:
「だからこそ、『北欧、暮らしの道具店』のお客さまのライフスタイルと、私たちがこれまで経験してきたものづくりの引き出しを掛け合わせたい。
『五感でわかる柔らかさと質の高さ』と、『日常でタフに使えて、洗うほどに風合いが育っていく』という、どちらの特性も持ち合わせた生地を採用したいと思ったんです」
私たちがお願いしたテーマから、シャツ生地のベースまで解像度高く考えてくださいました。
そうした想いを持って提案してくださった織布工場を一目見たいと、店長 佐藤と開発メンバーは実際に足を運び、現場を見学させていただきました。
「景色が見える生地」を手がける、織布工場へ
訪れたのは、静岡県にある織布工場。生地づくりの核にあるのは、40〜50年前に作られたというヴィンテージの織機です。
長年稼働し、綿を雪のように積もらせたその織機が働く姿と音を目の当たりにした時、言葉にならない感動があったと佐藤も振り返ります。
すでに生産が終了し、メンテナンスにも多くの手間を要する旧式の織機。最新の高速織機が10分で織り上げる距離を、この織機は1時間以上かけて、ゆっくり、ゆっくりと進んでいきます。
この「ゆっくりと手間をかけること」こそが、何ものにも代えがたい風合いを生むのだそう。
▲織布工場の4代目の女性社長(写真右から3番目)、『マーガレット・ハウエル』デザインチームの皆さん(写真右手のおふたり)とともに
池田さん:
「糸を無理に引っ張らないから、生地の原料そのものの良さがそのまま素直に出てくるんですよ。そうすると、柔らかさが出るし、着込んで洗うほどにどんどん自分の体に馴染んでいく。
最新の織機は、例えるなら新幹線みたいなもの。『ダーッ!』とものすごいスピードで作られていくんです。
一方で、こちらの工場の織機は鈍行列車のような感じですね。鈍行に乗っているからこそ、パッと窓の外を見たときに『あ、ここに茶畑が見えるな』とか、『ここにこんなものがあるんだ』って、しっかり見えるじゃないですか。
この工場の生地は、まさにそんな『景色が見える生地』なんです」

人が織機の機嫌を伺いながら動かし、土日は織機も人間も等しく休ませる。
そんな人間らしいリズムの中で生まれる生地は、ふれた瞬間に、「良いものを手にしている」と感じられる、たしかな風合いがあります。
見えないところも美しい。
縫製工場で実現したシャツの「誠実さ」

丹念に織り上げられた生地を、着心地よく着られるように。
シャツの縫製を依頼したのは、30年以上にわたって『マーガレット・ハウエル』のシャツを支え続けてきた、福島県にある老舗工場です。
周囲の里山の緑が美しく、小高い丘を登った先にある縫製工場へ、私たちスタッフも足を運び、一枚一枚のシャツが丁寧に縫われているその過程を見学させていただきました。
シャツの襟、袖、胴、ボタン、ネームタグ付け……。数え切れないほど多くの工程を職人さんたちが、シャツの裏側の普段は見えない箇所まで一から丁寧に縫い上げていきます。縫製工場で採用されている「本縫い」という手法で縫い上げていくことで、何十回洗っても同じ状態を保てる洗濯耐久性の高さが実現するそうです。

池田さん:
「縫製の技術は『シャツの顔』を決めてくれるものだと、私たちは考えています。
マーガレットが敬愛するアーコールの椅子はどの角度から見ても美しいように。このシャツも、脱いだ時の内側や、洗った後の佇まいも美しいものになるようお届けしたいです」
縫製が確かだからこそ、洗いざらしでラフに着ても素敵。そして、袖を通すたびに嬉しくなるような、静かな豊かさを感じられる。そんな洋服として、このシャツを手に取っていただきたいです。
一枚のシャツに宿る、ふたつのフィロソフィ

こうして、たくさんの人の手と想いをのせて『暮らしを愛するひとのためのロングシャツ』が出来上がりました。
池田さん:
「『マーガレット・ハウエル』のシャツの原点は1970年に遡ります。
ドレスシャツが全盛だった当時のイギリスで、彼女はあえて糊付けをしない、きっちり縫えているシャツを洗いざらしに仕上げるということで発表したのが最初です。彼女のお父さんが、シャツを家で洗濯して、洗いざらしにしてかけていたその雰囲気が好きだったからだそうです。
マーガレット自身の『どんなに素材がよいものも、日常の中で着てほしい』というスタンスも、きっとそんなところに宿っていると思います」
そして、マーガレットさんはこのようにコメントされています。

こんなシャツを、自分でも作りたいと思ったのです」
— マーガレット・ハウエル

マーガレットさんが「シャツ」に込めている思い、そして『マーガレット・ハウエル』チームの皆さんと並走して今回のシャツを作ったことを受けて、佐藤もこう振り返ります。
店長 佐藤:
「私たちのお店は、創業当初、北欧のヴィンテージの器を自分たちで買い付けて販売する事業からスタートした歴史があります。
ある種の貴重なお宝のようなものだけれど、私たちはあえて『ふだんの食事で、シンクで泡をつけて洗って、暮らしの中で道具として使うのはどうでしょうか』というコンセプトを込めてお店の名前を『北欧、暮らしの道具店』としました。
『マーガレット・ハウエル』チームの皆さんが話してくださったことは、そんな私たちが心からシンパシーを感じるものでした。
『使えることが嬉しい』、『着て嬉しい』ということを、私たちのブランドで作っている洋服でもとても大事にしていきたいことだなと思っているんです」
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マーガレット・ハウエルさんの暮らしに憧れ、彼女のライフスタイルに大きな影響を受けたという店長佐藤による開発秘話と着回しコーデを収録した特集も同時公開しています。
ぜひこちらも併せてご覧ください。
「店長佐藤の開発秘話&着回しコーデ」を読む『マーガレット・ハウエル』の3店舗でも並びます
▲MARGARET HOWELL SHOP & CAFE 高輪ニュウマンの店内の様子
9/10(木)から、『マーガレット・ハウエル』の実店舗での販売もスタート。
オンラインでは当店のみ、実店舗では『マーガレット・ハウエル』の3店舗で手に取っていただけます。
近くにお店がある方はぜひ覗いてみてくださいね。
取扱店舗:3店舗
1. MARGARET HOWELL SHOP & CAFE 高輪ニュウマン
2. MARGARET HOWELL SHOP & CAFE 大阪 グラングリーン
3. MARGARET HOWELL SHOP & CAFE 天神
※営業時間等の詳細は、各店舗へご確認ください。
photo:加藤新作(1,2,7,10,12,13枚目)、安川結子(4枚目)