【フィットする暮らし】BROCANTE 松田尚美さん 第4話:みんなの想いで作られる「私らしさ」だってある。

編集スタッフ 齋藤 編集スタッフ 齋藤

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シリーズ「フィットする暮らしのつくり方」Vol.14は、フランスの古道具を取り扱う「BROCANTE(ブロカント)」の店主、松田尚美(まつだ なおみ)さんです。

全4話を通し、お店をはじめた理由、暮らしへのこだわり、育児と仕事の両立に至るまでお話をお伺いしました。

最終話となる今回は、バイヤーとして、そして店主としてのこだわりや想いを通し、松田さんのフィットする暮らしがどういったものなのか、お伝えします。

 

自分の感覚とみんなの気持ち、両方を大切に。

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現在はお店の運営だけを担当しているそうですが、以前は松田さん自身もバイヤーとしてフランスへ赴き、買い付けをしていました。田舎の方では小さな村の単位で、定期的に蚤の市が行われているのだとか。

松田さん:
「フランスのデザインはゴールドなんかの装飾が付いた、こってりとしていてデコラティブなものが多いんです。蚤の市に行っても、8割は日本の暮らしに取り入れるには難しそうなもの。

私自身シンプルでシックなものが好きですし、それに装飾的なものよりもそういったものの方が、誰もが楽しめるのではと思っています」

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フランスに行ったことのなかった私は、てっきりフランスの雑貨はみんな「BROCANTE」に置かれているような、素朴で愛らしいものばかりなのかと思っていました。

けれどどれも松田さんの目を通し「お客さんが楽しんでくれるものかどうか」を考え選び抜かれたもの。そのことを知り、この居心地の良いやわらかな空間は丁寧に作り出されているものなのだと、改めて思わされました。

松田さん:
「一点ものなので、見つけた瞬間に決めないとなくなってしまいます。だから常に自分が何を欲しいのかわかっていなければならない。

自分の心にストンストンと落ちる感覚を、何よりも大切にしています。

そのため日頃から、雑誌もスマホもほとんど見ない。情報ではなく、自分自身の感覚とお店を訪れてくれる方の気持ちを、何よりも考えています」

 

来てくれた人に「何か」を持って帰ってもらいたい。

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松田さん:
「私は『自分が良い』と感じたら、それがどんぐりだろうがその辺の石であろうが持って帰って飾りたいなと思うんです。

薀蓄や作られた背景で判断してものを選ぶよりも、『自分の本当の気持ち』の方が大切な気がしていて」

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松田さん:
「ブロカントは年月を経ているから、例え同じプロダクトでも細部に目を凝らすと微妙に違う。だからこそ『お気に入り』を見つけた時、お客さんの心にも深く響くのではないかと思っています。

真っ白いプレーンなお皿でも『ここで買ったお皿で食べるパンは違う』なんて言ってもらえたり、たまに気に入った家具をずっと撫でているお客さんもいますね。

そういう姿を見ると、私の気持ちを共有できた気がして嬉しいんです」

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「せっかく来てくれたのだから、何かを提供したい」

松田さんの話からは、そのような想いが溢れているように感じます。例えば上の写真。私は最初、これが何だかわかりませんでした。聞いてみると「鉄で作られたアルファベット」とのこと。

松田さん:
「組み合わせて意味を持たせてもいいし、好きな形や風合いのものを単体で飾ってもいい。値段も手頃なので、好きなように楽しんでもらえたらと思って置いています」

用途が明確だと「必要があるかどうか」という考えが先に出てしまう。けれども「何かいいな」という素直な感覚で手に取る楽しさを、共有できたら。

ふらっと訪れても、まるで木の実を拾うみたいに持って帰れるものがあれば、誰もが楽しめます。お店に置かれたものには、松田さんのこのような想いが詰まっているのです。

 

やりたいようにやるだけが、自分らしさ?

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松田さん:
「フランスへ行くと、周りに振り回されている感じの人がいません。個人個人好きで良いんだよ、という考え方。次男を産む前、フランス人の友人に『もうひとり欲しいけれど仕事が忙しいから無理』と言ったんです。

けれど『仕事は仕事だよ』と言われました。

その反面、日本にいる時は仕事も育児も私がどうしたいかではなく、世間とか周りの人のことが気になってしまうなと感じています」

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松田さんから伺ったフランスの人々の価値観。それは思い思いにブロカントを楽しむというスタイルとして、お店にも色濃く反映されているように感じました。けれども松田さんはフランス人のライフスタイルを実際に見て「好きだけれど、そこまではできない」と言います。

選択肢は多くあるのだから、自分の人生は自分で切り開き、他人の顔色なんて気にせず好きなように生きる。そんな生き方もきっとステキです。私自身そういう人こそ「自分を持っている」なんて思って、憧れていた時期もありました。

けれども誰かの想いに寄り添って、どうやったらその人を満たしてあげられるだろう、そう考え行動した結果作られる自分もまた「自分らしさ」と呼べないでしょうか。

誰にも負けないオリジナリティーを発揮することや、自分のやりたいようにやるばかりが「個性」ではないように思うのです。

どこからともなく来た役割をそっと受け入れ、その中で生きること、がんばること。

そんな周囲との調和を保ちながらみんなを大切にしようと思うことこそが「松田さんらしさ」であり、松田さんが選び取ってきたスタイルなのではないかと感じました。

連載の最後は、松田さんご自身の言葉で、締めくくりたいと思います。

 

松田尚美さんにとって「フィットする暮らし」とは?

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私にとってのフィットする暮らしは、自身に正直である事でしょうか。

物事の選択は勿論、仕事、家庭と日々の繰り返しの中で、自分が素敵だなと思うものにいかに素直でいられるか。

心にわだかまりがある事は結局長続き出来ないし、それが衣服や身の回りの物又は仕事となれば、息苦しさを感じてしまうでしょう。

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私の父親は自ら図面を引き家を建てた人。余計な物は一切買わないのがポリシー。

そして母親はシンプルな物が好きなセンスの良い女性。

2人とも決して多くものを持つ人ではありませんが、そのストイックな姿勢が、今の私の全てのように思います。

 (おわり)

【写真】岩田貴樹


 

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第1話(11月21日)
思わぬ転機。30歳で店主と母親になって。

第2話(11月22日)
都内4人家族。フランスの古い家具を楽しむインテリア。

第3話(11月24日)
たくさん泣いて、そして今。仕事と子育ての間で。

第4話(11月25日)
みんなの想いで作られる「私らしさ」だってある。

 

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松田尚美

アパレルの販売を経験後、夫とともに立ち上げた東京都自由ヶ丘にある造園のプランニングとフランスの古道具を販売する「BROCANTE(ブロカント)」の店主・バイヤーとなる。2児の母。

http://brocante-jp.biz/


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