【スタッフコラム】今年のマイベストブックを、5冊選んでみました。
編集スタッフ 津田
今年、どんな本を読みましたか?
忘年会に参加したり、ヒット商品のランキングや今年の漢字などが発表されたり、頭のなかの「年末指数」がぐんぐん高まっています。
今回のコラムでは、読書から今年を振り返ってみようと、2016年に自分が読んだ本のなかから、ジャンル横断で勝手にマイベストな5冊を選んでみました。
みなさまの記憶に残った1冊は、どんな本でしたか?
第1位「自信のない部屋へようこそ」
— 私は、長いこと自分の部屋に「人を招く」ということをしたことがなかった。(p2)
この文からはじまる、暮らしやインテリアにまつわるエッセイです。著者の雨宮まみさんは、1K以上の部屋に住んだことがないひとり暮らし歴20年だそう。
私も32歳でひとり暮らし歴7年。1Kにしか住んだことがないので、親近感をおぼえて手に取りました。
「30代でひとりで暮らす」というのは、楽しくもあり、ちょっとした肩身の狭さもあり、でもやっぱりこの上ない自由を手にしている幸せがあると思うのです。
この本に出会ったとき、ちょっと大げさですが、そういう自分の生き方を「幸せだ」と言葉にしていいんだなあと受け入れられたというか。ひそかに人生の先輩を見つけたような気持ちで。
とくに心に沁みたのは、第2章『女のひとり暮らし』。同じような境遇の友だちにオススメしたいです。
第2位「風が強く吹いている」
▲手元に本がなく……風が強いイメージで撮りました
三浦しをんさん、好きです。箱根駅伝、好きです。なので、この小説は、私の好みドンピシャリでした。
そういえば『敗れざる者たち』(沢木耕太郎著、文藝春秋)や『チア男子』(朝井リョウ著、集英社)など、スポーツ系の小説は好きだった私。自分の好みって、意外と気がついていないこともありますね。
ひとりの言い出しっぺからはじまり、チームができて、途中で怪我をしたり仲違いしたり、なんやかんやで最後は自分たちなりのゴールを果たす、というスポーツ小説ならではのお約束の展開も、全然嫌いじゃないです。
むしろページをめくりながら、お約束の展開を期待している私がいます。泣きたいときに、泣ける映画を観る、あのときの心境にも近いのかもしれません。
第3位「マチネの終わりに」
本屋さんで平積みになっていたのを見かけ、表紙がステキだったので手に取りました。
題材は、40代の大人の恋。これが切なかった〜。
二人の間に起こる大小さまざまの事件によって、距離がぎゅっと縮まったり、はたまたすれ違ってしまったり……。設定もロマンティックで、どっぷり小説の世界に浸れます。
続きが気になって一気読みしたいのと、ドラマティックな展開にときめいて読み終わりたくないのと、最後のほうは全く反対の2つの気持ちを胸にページをめくっていました。
編集チーム内で「面白かったよ」と紹介したら、さっそく二本柳も読んだとのことで、一緒に写ってもらいました。クラシックギターを聴きながら、もう一度読みたいです。
第4位「花森さん、しずこさん、そして暮しの手帖編集部」
店長佐藤のすすめで、なんと編集チーム全員が読んだ本。
クラシコムに勤めて4年目ですが、チーム全員で同じ本を読み、その感想を話し合ったり、学んだところをシェアする体験は、これが初めてでした。
あの「暮しの手帖」の作られ方を知るのはもちろん、そんな読書体験という意味でも、今年印象に残った1冊です。
第5位「いぶり暮らし」
登場するカップルは、カフェ店長の彼女(よりちゃん)と、年下のフリーターの彼氏(巡)。このふたり、同棲しているけど、お休みが被るのが日曜日だけなんです。
1週間のなかで一緒に過ごせる大切な日を楽しくするために、「いぶり」つまり「燻製」に挑戦していくというお話。
どんな食材を、どんなふうに燻製するのだろう……。よりちゃんがお料理上手で、燻製した食材に「ひと手間」加えたごはんが美味しそう……。食いしん坊にはたまらない漫画です。
休日に家事を済ませたあと、ソファでだらりと読んでいると、夕飯に何かおいしいものを作りたいなという気持ちにさせてくれます。
「好奇心を人任せにしちゃ、ダメだよ」
ここ数年、小説から遠ざかっていました。
気になる話題の本もあるし、好きな作家さんも何人かいるのに、本屋に行っても「また今度でいいか」と後回しにすることが多かったです。
ところが今年の4月ごろ、ある尊敬する編集者の方から「好奇心を人任せにしちゃ、ダメだよ」と言われて、ものすごくドキっとしました。
それをきっかけに、小さな目標を設定。気になる小説や漫画を後回しにせず、ちゃんと自分で読んでみようと。
物語でしか味わうことのできない世界は、自分の頭のなかで描けるもの以上に、とても広く、とても刺激的だと、あらためて思います。
新しい年にも、小説や漫画がそばにあるといいなと思います。人生の大切なことを思い出させてくれる、お守りのように。
▲おまけショット。好きな本ばかりで撮影中にはしゃいでいた様子をカメラマンを担当したスタッフ塩川がしっかり押さえていました(笑)
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