【スタッフコラム】今、マナティーに夢中です。
編集スタッフ 青木
3月のはじめに、沖縄へ行ってきました。
生まれ故郷の石垣島には時々足をのばしていたけれど、それは二十歳までの話。小さい頃少しの間だけ暮らしていた沖縄本島へ行くのは、かれこれ35.6.7年?振りでしょうか。
記憶はあやふや。アルバムを開くか、母に聞かないと分からないほどに前のこと、昔のことになっていました。ちょっと前のことだと思っていたのに、
なので久し振りというよりは、初めましてこんにちは沖縄!という心持ちです。
沖縄は地図で見ると小さいけれど、とても広くて細長く、オフシーズンだからなのか、想像よりもうんと静か。そんなところも素顔の沖縄に出会えた感じがして、なんとも心地よく感じたのでした。
ラムネのビンみたいな色した海には、時間を忘れてうっとりしたし、
日暮れどきに、空と海が一つの色になってゆく様子を、ただただ眺めるのもそりゃぁ素敵だった。
景色と空気だけで、十分すぎるほどに満足。でもせっかくなので、観光も一つ。ジンベイザメだけは一目見ておこうと水族館へ行きました。
ゆったりゆったり、力を入れずに無理なく泳ぐ様子は美しいですね。こんなに大きな生き物が、同じ地球に暮らしてるなんて。
じーっと見ているうちに、自分の体も水槽に入ったかのような感覚になることがあって、海や自然の一部になるような感じがして、それが好きだから水族館や動物園が好きなんだということを思い出しました。
景色もジンベイザメも素晴らしかったし、沖縄は何を食べても美味しかった。
けれど、いつもの日常に戻り、ふと思い出すのはマナティーのことばかり。
マナティーの家は、ジンベイザメがいる大きな館内を出た所にポツンとありました。
プカーっと浮かんで動かないので、様子を伺いながら、マナティについての説明文に目を通します。
ジュゴンとの違いや、草食性の哺乳類であること。メキシコからやってきたこと。レタスやかぼちゃを喜んで食べること。5分に一回は呼吸をしに水面に顔を出すこと。先祖をゾウと同じくしていることなど、はじめて知ることばかりが書いてありました。
中でも一番の衝撃はこれです。「搬入日 1978年」。
つまり、私が沖縄に住んでいた時にはすでにここにいたということになるんです。動物は短命なのかと思っていましたが、私よりも先輩ではありませんか!なんて長生きなんでしょう。
発見された時は何歳で、何歳の時に沖縄に来たんだろう。あれこれ思い巡らせていたら畏怖の念のようなものが込み上げてきます。
「ずっとここにいたんですね」とか「もしかしたら一度お会いしてたかもですね〜」とか、心の中で声をかけ続けてしまいました。
するとですね、ゆーっくり旋回してきて目が合ったんです。しばらく見つめ合っていたような気さえします。
いや、どうなんでしょう。水槽の向こう側から、こちらの様子は見えているんでしょうか?勘違いかもしれませんが、なんだかすごい時間だったので、目が合ったということにします。
だって、動物と「目が合う」って、なんだかすごいことに思えるのです。
沖縄にはマナティがいる。
その事を知らずに出掛けて、本当によかった。知らなかったおかげで「予期せぬ出逢い」に恵まれました。
色々調べて回るのも楽しいけれど、知らずに出会った時の心がブルブルする感じもたまらないなと思ったのでした。
というわけで今、マナティに夢中です。
▲すっかり虜になり、しばらく眺めていたら、こんなシンクロも見られました!
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