【こっそりシネマ】第4話:「今の私、これでいいの?」不安になった時、手にとる映画(編集スタッフ・寿山)
編集スタッフ 奥村
映画は、わたしを代弁してくれる?
思いきり夜更かしできる金曜の夜は、ひとりで映画を見るのが好きです。
なんだか晴れない気分の時も、見終わった後には、心なしかスッキリしていて。映画はわたしの言葉にできないモヤモヤを、代弁してくれる存在なのかもしれません。
選ぶ映画に、その人の気持ちがあらわれているのだとしたら。身近なあの人は普段どんな映画を見ているんだろう?
この連載ではクラシコムのスタッフに、こっそり見ている「プライベートな映画」のことを、包み隠さず教えてもらいます。
人生に不安を感じたとき、支えてくれた映画
今回映画を紹介するのは、編集スタッフ・寿山です。
焦る姿を見たことがないほど、いつも穏やかなスタッフ寿山。ブレない安定感のある人柄です。けれど意外にも、「自分らしい生き方って何だろう?」と、昔からずっと悩んできたのだとか。そんな寿山が映画に目覚めたのは、中学生の頃だと言います。
スタッフ寿山:
「中学の時、部活になじめずに帰宅部になりました。だから放課後はたっぷり時間があって、いつも映画を見ていたんです。父も映画好きだったから、勉強しないで映画ばかり見ていても怒られなくて。いつも一人で『こっそりシネマ』してたんですよ」
今回紹介するのは、そんな寿山が当時に見て、不安な気持ちが救われたという作品です。
映画の舞台は1960年代のアメリカ。ベトナム戦争で兵士として戦った、青年2人の友情を描く物語です。
主人公のバーディは、戦争で心と体に傷を負って帰郷。しだいに精神を病み、「鳥になりたい」という思いに執着しはじめます。そんなバーディを助けようとする、親友のアルですが……
編集スタッフ 寿山:
「中学時代、同級生と比べて、部活に熱中できず映画ばかり見ている自分は変なんじゃないかって悩んでいました。けれど、誰の目も気にせず『鳥になりたい』という夢を追いかける主人公の姿を見ていたら、『人は人、自分は自分でいいや』と素直に思えたんです」
編集スタッフ 寿山:
「昔からマイペースな性格なのですが、周囲の目が気になって『私、これでいいんだっけ?』と不安になる時がやっぱりあります。
自分の決断に自信を持てなかった時に、この作品を見て、主人公のひたむきな姿に勇気をもらえました。これで “いい” かどうかは、自分が決めればいいんだと、背中を押してくれた作品です」
▲休日のひとり時間にお酒を飲みながら。久しぶりに見返したら、学生時代を思い出したそう
「もっと自分に正直に生きてもいいのかも?」と思えた作品
▲きっかけになった写真展のパンフレットと、その後に見た映画「フリーダ」
「今の自分、これでいいの?」と改めて考えるきっかけになった映画が、寿山にはもうひとつあると言います。
スタッフ寿山:
「メキシコの画家フリーダ・カーロの半生を綴った『フリーダ』という作品です。去年、彼女の遺品を撮影した写真展を見に行って、その生き方に興味を抱いて手に取りました」
▲遺品の写真が、懸命に生きたフリーダを物語っていて感動しました
編集スタッフ 寿山:
「病気や交通事故で体に障害を抱えながらも、決してへこたれずに、画家として、一人の女性として、自分の信じた道を突き進んだフリーダ。そのパワーに、映画を見ながら圧倒されました。
自分に正直に生きる彼女の人生に、『バーディ』を見た時とはまた違うところから『いまの私、これでいいんだっけ?』という自問自答の感情が生まれたんです。
社会人になって、上司から教わった『常識』や『社会人としてのルール』を意識し始めてから、気づけば自分の気持ちに正直に生きることを後回しにしてきた気がします。
今の私は、自分を見失っていないかな? 本当にやりたいことや、自分らしさを無視していないかな? そう俯瞰して考えるいい機会になりました」
『自分らしさ』と『大人』のバランスって難しい
映画の話を聞きながらも、度々あがったのは「今の私は……?」という問いかけ。寿山はいつも、映画を見ながらも「自分を確認している」ような気がしました。
編集スタッフ 寿山:
「大人になることって、難しいなとよく思います。自分らしさを失わず、大人として生きる。わたしはまだ、そのバランスが上手くとれていないなと感じるんです。
だからこそ、自分に正直に生きられている映画の主人公に惹かれて。彼らが『自分らしさ』を持ちながら、『大人』として、どうバランスをとって生きているのかにすごく興味があります。
大人でありつつも、自分でありたい。そんな気持ちのヒントになる何かを探しているんだと思います」
今回のこっそりシネマ
『バーディ』
1984年制作
監督…アラン・バーカー
主演…マシュー・モディン
DVD:1,400円+税
発売元・販売元…株式会社ハピネット
(C)1984 TRISTAR PICTURES, INC. ALL RIGHTS RESERVED.
※2018年6月現在の情報です。
(おわり)
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