【ケの日のこと】今年の冬は、古いアラジンストーブを使うことにしました。

「家族と一年誌『家族』」編集長 中村暁野


第27話:火を灯して


 

庭には霜がおりて、冬の匂いを感じます。山に越してきて二度目の冬。「ここの冬は辛いよ〜」とみんなに散々脅され覚悟していたからか、意外にも楽しく過ごせた去年。真っ暗の空にピカピカ光る星や、雪に覆われた木々の眩しさ。美しさばかりが心に残っています。

けれど、そんなふうに冬を楽しめるのも外から一歩部屋に入れば暖かい、という前提があってこそ。家をどう暖めるかはとても大事な問題です。

もともとわたしはエアコンが苦手で、東京で暮らしていた時はガスファンヒーターを使っていました。エアコンに比べ割高ではありますが、一台で部屋中暖かく、何より素晴らしいのはピッとボタンを押すとすぐ暖かな風を送り出してくれるところ。しかし難点は、再びピッと消すまで永遠に風を送り出してしまうところ。夫はヒーターをつけっ放しでソファで映画鑑賞し、そのまま朝まで寝てしまうというのを何度も繰り返し、それはわたしにとって地味に大きな日々のストレスでした。ソファで寝ている夫を横目にピッと消しては「消すなんてひどい!」「寝るならベッドで寝なよ!」という会話を何度繰り返したことか……。

そんな夫婦喧嘩の火種でもあったガスファンヒーターは山暮らしでは使用できず、去年は灯油式ヒーターを使いました。ボタンを押してから点火までの時間がかかり灯油をいれる手間もあるけれど、暖かさは十分。そして延長ボタンを押さないと数時間で切れるので夫の寝落ち対策にもばっちり。ですが、今年はそんな灯油ヒーターではなく、昔ながらのアラジンストーブを使うことにしたのです。

きっかけは夏の終わりの台風。わたしの住む地域にも被害があり、丸一日停電したこともありました。そんな経験から、いざという時に電気を使わず使える暖房器具がいいなあと、押入れの奥にしまっていたアラジンストーブを引っ張りだしてきたのです。

子供が生まれて以来、危ないかもと仕舞い込んでいましたが、子供達の成長をみていると、暖かいけれど火は熱いよ、危ないよ、ということを感じながら過ごすのもひとつ大切なことかな、とも思います。そんなわけで、マッチをシュッと擦りストーブに火を灯し、青い炎が灯るのを子供達もじっと見ている最近。ストーブの上でお湯をわかしたり、スープを煮たりは、今年の冬の「ケの日」の楽しみとなりそうです。

しかし、ふと夜中に目を覚ましてリビングに行くと、ストーブの近くに寝落ちしている夫の姿が……。ストーブを火種にした夫婦喧嘩もまた、始まりそうな予感です。

 

【写真】中村暁野

中村暁野(なかむら あきの)

家族と一年誌『家族』編集長。Popoyansのnon名義で音楽活動も行う。8歳の長女、1歳の長男を育てる二児の母。2017年3月に一家で神奈川県と山梨県の山間の町へ移住した。制作中だった『家族』2号も、年明け(1/14)の発売が決定した。http://kazoku-magazine.com

 


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