【いつもの服は、名脇役】第3話:普段着はつまらないなんて言わせない!ボーダーとチノパンの技ありコーデ

40代のボーダーやチノパンのコーデはどうすべき?カジュアル感を出しすぎず、キレイな印象を与えるコツをスタイリストが解説。安心感が魅力の普段着ですが、小物や着こなしを変える方法を知っておくと、ときめきや新鮮さをうまく取り戻せます。

編集スタッフ 糸井

「なんだか最近、クローゼットから服をえらぶ時間がつまらない」

と思っても、何か着ないと仕事に行けないので、先週と同じコーデに今日も今日とて袖を通す。いわば「普段着マンネリ」が続いたある日、思ったことがありました。

「でも普段着ならではの良さもあるのでは……? 」

そうして生まれた特集『いつもの服は、名脇役』。1・2話目を通して、スタイリストの西森さんに、普段着の名脇役っぷりを謎解きしてもらいました。

3話目では、そんな普段着への愛着を一層取り戻し、これからも永く付き合っていくためのコツを伺います。

「安心感が魅力の普段着ですが、小物や着こなしを変える方法を知っておくと、ときめきや新鮮さをうまく取り戻せるんですよ〜」と西森さん。

具体的な実践編として、今回は代表的な普段着であがった「ボーダーカットソー」と「チノパン」を使った着こなしノウハウを教えてもらいました。

 



 

全身白コーデのハードルを下げてくれる

西森さん:
「ボーダーをインナーとして、白シャツ&白パンと合わせたコーデです。ボーダーがあることで、全身白コーデでも気負いなく着こなせます。シャツ越しに、柄が若干透けるのも可愛いですよ。

足元は、スニーカーとかであえてマリン感を前面に出しても素敵ですが、これからの季節はサンダルもおすすめ。

バッグには明るい色を入れると映えます。もちろん白いトートを合わせてもいいですね」

 

派手めスカートも、ボーダーが調和材に

西森さん:
「赤いスカートのように目を引くアイテムにもチャレンジしやすいんです。

白いトップスだと、赤いスカートが結構目立つのですが、ボーダーだと意外とうるさくないし、調和材になりますよ。一見派手そうな『柄×色物コーデ』も、ちょうどいいんです。

白いスニーカーや、スリッポンなどで足元は軽く。ちょっとしたお出かけコーデになります」

 

袖や裾からチラ見せさせて

西森さん:
「私も一時期はまっていたのですが、インナーでボーダーをチラ見せするのもとってもおすすめです。

袖や裾からボーダーをのぞかせて、段差を楽しんでみてください。白いトレーナーや、短めのカーディガン、首元の開いたチュニックなどに合わせても映えますよ」

 

濃いめストールで、首元をアレンジすれば

西森さん:
「黒や紺など、濃いめのストールを巻くだけでも、ボーダー特有の首回りシルエットに変化をついて、いつものコーデが引き締まります。

首元にボリュームをつけることで、自然と目線がストールに向かうので、程よくボーダーの印象を緩和することができます」

 



 

ベージュワントーンコーデで、こなれ感UP

西森さん:
「バッグや靴など、あえてベージュトーンで揃えると、こなれ感のあるおしゃれ着に。

デニムだとカジュアル感が出すぎるコーデも、チノパンなら綺麗めな印象のまま。

トップスは、着丈が短いものでももちろんOK。シャツワンピのように長いものなら、前を開けて羽織りスタイルでも素敵です」

 

「可愛すぎる」甘めブラウスもほら、お手のもの


西森さん:
「甘めのレースブラウスのように、単品だと『可愛過ぎかな』と気負うアイテムを合わせても。

チノパンだと、デニムよりカジュアルにならないので、綺麗めなまま、ボーイッシュでもガーリーでもどちらでも行けるようなコーデが成立します。

あとはその日の塩梅でどっちにも転べますよ。たとえば、バッグもちっちゃめな可愛いもので、パンプスやヒールなど、甘めの靴を履けば、授業参観のようにプチフォーマルな場面にも。スニーカーにすれば、よりカジュアルになりますね」

 

派手スニーカー×地味バランスの好相性

西森さん:
「ベーシックな色味のチノパンには、赤いパンプスや、ラメや銀とか、派手めな靴を持ってくると、派手×地味でバランスが整います。

足元をロールアップすれば、足元が一層引き立ちます。ワイドシルエットのチノパンなら、裾を伸ばして、つま先から靴をチラ見せする程度に抑えても素敵です」

 

いちおしは、後ろポケットの差し色IN

西森さん:
「最後にいちおしなのが、バンダナを後ろポケットからチラ見せさせることです。

黄色や赤、ドット柄やペイズリー柄を差し色にするだけで、普段のチノパンの気分を手軽に変えられますよ。これからの夏、白いTシャツとチノパンコーデで、是非試してみてください」

「普段着にときめかなくなってどれだけ経ったのだろう……」という悩みから、3話に渡り、スタイリストの西森さんに相談してきました。

動きやすい、触って気持ちいい、シルエットが落ち着く、温度調節がしやすい。私たちが普段着に求めていたものを知り、気が付いたのは、いつもの服だって理由を持って選んでいるということ。たぶん小さな発見だけど、それは伸びやかで、やさしい気持ちになれる事実でした。

そうして、空を見上げた今日もまた、地味にすごい普段着の名脇役っぷりに、助けられつつ。

 

(おわり)

【写真】川村恵理

 


西森 萌

大学卒業後、アパレルの販売員をへて、岡尾美代子氏に師事。2011年にフリーランスのスタイリストとして独立。雑誌や広告、カタログを中心に、インテリアや雑貨、ファッションなど幅広く活動中。


もくじ

 


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