【スタッフコラム】私の「元気」の出し方は
編集スタッフ 小林
気づけばもう7月も後半。
大変ありがたいことに、やるべき仕事はたくさん。会いたい友達や、読みたい本、出かけたい場所など、予定が次々と埋まっていく毎日です。
しかし最近、実家で一人暮らしをしていた父が体調を崩し、急遽入院することに。
今までの生活に加えて、考えなきゃいけないことや、やらなきゃいけないことが一気に増え、とにかくバタバタと過ごしていました。
幸いなことに順調に回復しているのですが、突然の出来事に、なかなか自分たちの生活リズムがつかめないまま。
そしてふとしたときに、「あれ、最後に料理をしたのはいつだったっけ……?」と、自分たちの暮らしがすっかり変わっていることに気がつきました。
疲れている。忙しい。もう夜も遅いから。
そんな理由から、ここのところ外でさっと夕飯を済ませたり、お惣菜やお弁当を買って帰ったりといった生活が続いていました。
けれど、なんだか疲れが抜けない。元気がでない。
今の自分たちにとって、一番楽な選択肢を選んでいるはずなのに、夫も私もぐったりしている。
このままだとまずいのでは……?
どうしようかといろいろ考えた結果、ちょっと遅くなってもいい、今日は、自分たちのペースを取り戻すために自炊しよう!と一念発起。
まずは食材を買わなければと、仕事後の疲れ切った体をひきずるようにして、スーパーに向かいました。
久々にスーパーに入ると、目に入るのは、ずらっと並んだ色とりどりの野菜たち。真っ赤なトマト、つやつやの茄子、色鮮やかなピーマン。
そんなエネルギッシュな野菜たちに後押しされるかのように、手に持っていたカゴの中の空白が、どんどん埋められていきます。
そうしてスーパーを一通り回って、買い物をし終えた頃には「自分、よくやったぞ!」という達成感がほんの少しだけ出てきていました。
家に帰って、お腹に力を入れて、深呼吸。
よーし!と気合を入れて、まずは玄米を炊き、お味噌汁の準備を。そして次に、野菜の下ごしらえをしていきます。
とんとんとん、ぐつぐつぐつ。
普段の私だったら、夕飯づくりはとにかくスピード勝負。
いかに手際よく、物事を同時進行できるかを考えながらつくるので、全て終えた頃には結構ぐったりしちゃうのです。
けれど、今日は自分たちの暮らしを見直すための「儀式」のようなものだから。
焦らずに、いつもは適当にしちゃうところも、少しだけ丁寧に作業してみよう。
ひとひとつ、手を動かしていけばきちんと終わるから、ゆっくりでも大丈夫。
そんなふうに自分に言い聞かせながら、久しぶりに穏やかな気持ちで、自分の中の固まっていた感覚をほどいていくような気持ちで、料理をしていきました。
暮らしていると、思い通りにいかないことや、いっぱいいっぱいになってしまうことが、度々訪れます。
そんなとき「いかに力を抜けるか?」「少しでも楽になるか?」を考えることって、すごく大切なことだと思います。
毎日走り続けなければいけない中で、全てに100%の力で向き合うことは、やっぱり難しいから。
けれど「一番楽な手段を選んだことで、元気になるとは限らない」ということもあると思います。
どこかで、よっこらしょと、重い腰をあげてみる。ちょっと面倒なこと、そして、自分の後ろめたさに繋がっているようなことに、手を出してみる。
やっぱりやるのにはエネルギーがいるし、うまくいくとは限らないけれど、もしかするとその行動が、気づかぬうちに伸びきっていた日常をぴっと引き締めて、明日への活力を与えてくれるかもしれない。
そしてそんなふうに「面倒」だと思っていたことが、案外、自分の中で大切にしたいことだったりするのかもしれません。
▲この日のおかずはスタミナがつくように、麻婆茄子でした!
たぶん、私にとってのそれは、自分で料理をつくること。
なんてことないものでもいい、そのとき食べたいと思うものをつくって、食べることなんだと、このときに改めて気がついたのでした。
元気が出る方法は、きっと人それぞれ。
力を抜くだけじゃなく、ちょっと頑張るときがあってもいい。
その時々に合わせてうまくバランスをとりながら、今日も1日、気持ちよく走り切りたいなと思います。
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