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【スタッフコラム】無邪気がいちばん

【スタッフコラム】無邪気がいちばん

編集スタッフ 齋藤

とある本に書いてあったのですが、人は無邪気なときが一番力を発揮できるそうです。もうほんの少しだけ正確に言うと、脳みそが一番スムーズに動いてくれるのは無邪気なときなのだそう。

だから無邪気でいると行動力も上がるし、アイディアも浮かびやすいのだとか。

無邪気でいるためにはコツがあって、その中のひとつに他人を揶揄したり、悪口を言わないというものがありました。ダメとはわかっていたけれど、道徳として諭されると天邪鬼な私はツンと顔を背けたくなってしまいます。でも、他人を揶揄すると自分もそう言われるのではと考えて、自分の行動も制御するようになってしまうのだとか。本当はしたいのに我慢するから、無邪気ではなくなってしまうというわけです。もちろん全員がそうというわけではなく、そういう傾向があるよ、という話。でも私には身に覚えが確かにある。

良い意味で他人のことを気にしない、とやかく言わないって、すごく大切なようです。

さて、無邪気な人。

全然力が入っていないように見えるのに、実はすごいことをしている人って結構いて、私はそういう人が大好きです。それは一緒に仕事をしているカメラマンさんだったり、料理家さんだったり、知り合いのお母さんだったり。

そうそう、以前文学のイベントに参加した時のことでした。お名前は忘れてしまったのですが、ゲストにいたのは小柄で可愛らしい白髪のおじいちゃん。でも実はすごく有名な指揮者の方だそうで、業界では大御所中の大御所なのだとか。

その方の横で、若手の詩人の女性が詩の朗読をした後のことでした。まるで子どものようにキラキラした目で詩人の女性を見た指揮者のおじいちゃんは、パチパチ拍手をしながら今にもぴょんぴょん跳ねまわりそうな様子で「あなたは素晴らしい!本を出した方が良い!」と大絶賛。(どうやらすでに本を出版している詩人だということは、よくわかっていなかったようです)そのあまりの無邪気さに、会場には春の風みたいなふんわりした空気が流れました。

それに、京都の大学にドイツから来た哲学者の方の話を聴きに行ったときも。哲学と聞くと堅物で気難しい、という印象かもしれませんが、その方はもう哲学が楽しくて楽しくてしょうがない様子。教壇に立ちながらも、まるで友だちとテニスでもやっているかのように溌剌とした表情なんです。見ているだけで、とってもパワーをもらいました。

大人になっていろんなことを知って、いろんな事情を考えるようになって、ときには考えすぎてしまうこともあるけれど。悩んだからといって良い答えがでてくるわけではないのが人生の難しいところです。

だったら、自分も楽になれて、そして一番力を発揮できる状態でいる方が良いなぁと、私は思います。

難しい人生を、難しく捉える必要なんてないですものね。

無邪気って、きっと最強です。

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