【スタッフコラム】ギター、はじめました。
商品プランナー 斉木
先日、夫が突然ギターを抱えて帰ってきました。
その数日前、好きなアーティストがアコギ一本でライブする姿をみていたわたしが「こんなふうにギターが弾けたら、きっとたのしいだろうね~」とつぶやいたのを聞いて、すこし早めの誕生日プレゼントにと贈ってくれたのです。
あのあらゆるイベントごとに非協力的だった夫が……!?(夫よ、ごめん)と言葉を失うほど感動するとともに、絶対弾けるようになってやるぞとひとり決意を固めた瞬間でした。
さっそく「初心者向け!」とデカデカ書いてある教本を買い、開いたページをTVのリモコンで押さえつけ、1本のギターを奪い合うように弾いています。
アレっ弦って上から数えるんだっけ、下からだっけ? やばい、指つる……とプチパニックな私を尻目に、ベース経験者の夫は一段飛ばしでマスターしていきます。負けず嫌いな私は歯ぎしりしながら食らいつくのですが、結局弾けるより先に指の腹が痛くなり、練習を断念。翌日また挑戦してみる、を繰り返しています。
わが家の周りにはピアノを習っている子どもが多いようで、休日の夕方には同じフレーズを繰り返し練習する音がどこからか流れてきます。今までは「私もあんなふうに練習してたな~」と先輩面で懐かしんでいましたが、今や彼らは同志。窓越しにエールを贈っています。
▲ピックには亀のイラストが。時たま見ては「焦るな焦るな」と心落ち着けています
そんなギター生活を始めて数週間。先日、衝撃のギタリストと出会いました。
それは、「最高にスカッとするから!」と多方面から勧められていた、映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』を観ていたときのこと。ネタバレしない範囲でお伝えすると、この映画、徹頭徹尾不条理というか、あらゆることが意味不明。その上ハイテンションなんです。
そんな映画のなかでもひときわ異彩を放つのが、爆速で走る大型トラックに仁王立ちしエレキギターをかき鳴らす、真っ赤なツナギの男。ギターには火炎放射器がついていて、時折仲間を鼓舞するために炎を放ちます。支離滅裂です。
でもひよっこギタリストの私にはそんな彼すらどこか神々しく見える。あの不安定な状況でもギターを弾けるなんて、どれほどの研鑽を積んだのだろう……バカバカしいけどすごい。すごいけどバカバカしい。観終わった後は不思議と元気がみなぎっていました。
そういえば、昔読んだ本にこんな一節が。
ユーモアへの意志、ものごとをなんとか洒落のめそうとする試みは、いわばまやかしだ。だとしても、それは生きるためのまやかしだ。苦しみの大小は問題でないということをふまえたうえで、生きるためにはこのような姿勢もありうるのだ。
-『夜と霧 新版』みすず書房 ヴィクトール・E・フランクル著 池田 香代子訳
あの真っ赤なギタリストの彼を笑っているけれど、30過ぎてギターに手を出し、指の腹がヒリヒリしてシャンプーがつらいなんて言っている私だって、充分こっけいです。その上、いま費やしているこの時間や労力が実を結ぶことは、きっとない。
でも、それでいいんだと思っています。だって、ギターがあるおかげで暮らしがちょっと、いやだいぶ愉快になったんだから。
そんなわけで、今週末も『おもしろきこともなき世を面白く』をモットーに、ギターと向き合おうと思います。
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