【夏の疲れをケアするヒント】第3話:エアコンによる冷え、冷たいもので胃腸が弱ったときの対処法

編集スタッフ 野村

夏は、コンディションを整えるのが難しい。

もっと上手に体を休ませたり、夏の疲れをうまくケアできれば、猛暑でも不調を抱えることなく健やかに過ごせそうです。

そこで今回は、日常的にハーブを用いた体のセルフケアを実践している「マヒナファーマシー」の中山晶子(なかやま あきこ)さんに、お話を伺ってきました。

1話目では、自分をケアすることの大切さや1年を通しておすすめなラベンダーの活用法について。2話目では、夏のセルフケアに役立つおすすめハーブを。そして今回は、夏の時期の体温管理やおすすめの水分補給方法などについて、お伺いしていきます。

 

エアコンによる「冷え」をケアするには

中山さん:
「夏でも寒いと思ったら、体を温めるのが大事です。冷えているなと感じたら、体温を一回常温に戻す。その感覚を自分の中で持っておくと、それだけでもちょっとしたセルフケアになります。

たとえば、夏だと暑くてシャワーだけの日も増えますよね。でも熱がたまっているのは主に上半身で、じつは下半身は冷えています。腰までの半身浴にするとか、ちょっと熱めのシャワーをあてるなどして、下半身を中心に温めてあげてください。

そうやって一回冷えた体温を常温に戻すと、バランスが保たれて体調も悪化しにくいんです」

 

寝苦しい夜は、「氷まくら+レッグウォーマー」でしのぐ

▲中山さん愛用のショールとレッグウォーマーは「TAKEFU」というブランドのもの

中山さん:
「私の場合、1日の終わりには、冷えた箇所を常温に戻してから寝るようにしています。冷えている足回りや腰回りをマッサージしながら常温に戻して、レッグウォーマーを着用。

私が愛用しているものは、竹を原料にした繊維で作られていて、通気性が良く気に入っています。温めもしてくれるけど、さらっとしていて気持ちいい。夏に適した素材だと思います。

どうしても暑くて寝苦しい時には、氷まくらや保冷剤をショールやタオルで巻いて、首のあたりにしいて寝ると、涼しく眠れます。

暑くて汗をかくのは、背中から上。夏は上半身と下半身の温度が違っていて、全部が暑いわけではないということを分かっておくと、対処がしやすいですよ」

 

冷たいものを飲みすぎて、胃腸が弱ったときは

暑い夏には、冷たい飲み物をたくさん飲んでしまって、気がつけばそれが原因で体が冷えたり、胃腸が弱くなったりという経験が多くあります。おすすめの水分補給の方法には、どんなものがあるのでしょうか。

中山さん:
「冷たいものを取りすぎて、胃腸の調子が悪いなという時には、梅醤番茶をよく飲みます。

梅は、ちょっと元気がないなと感じるときや、風邪のひきはじめにすごく良い食材。お湯で溶かして飲むだけで、胃腸の不調が穏やかに回復しやすいんです。胃腸が回復すると全身の巡りがよくなって、体温のバランスも取りやすいと思いますよ」

 

それでも冷たいものが飲みたい時には

▲マヒナファーマシーで販売している「ジンジャーミントコーディアル」

中山さん:
「どうしても冷たいものを飲みたい時もあると思います。そんな時にはハーブティーを煮出して、冷やして飲むのもおすすめ。作り方は、沸騰させたお湯をハーブに注いで、3分間待つだけ。ミントのハーブティーは清涼感や鎮静作用もあっていいですね。

ハーブのエキスがつまった、コーディアルシロップというものも市販されているので、炭酸水やお湯などで割って飲めば体を整えてくれます。私も夏はミントと生姜をブレンドしたコーディアルシロップを作っていて、ミントの清涼感があって、生姜が胃腸も温めてくれるので、夏の暑気払いにおすすめですよ」

 

緊張した時や、気分がすぐれない時のお守り「フラワーレメディ」

中山さん:
「心のセルフケアにおすすめな、フラワーレメディもご紹介しますね。

フラワーレメディとは、緊張したりとか、ちょっと落ち込んだりといった、気持ちのバランスがうまく取れない時に使うものです。なかでも一番使いやすいのは、5種類のフラワーエッセンスをブレンドしている、ファイブフラワーレメディ。『レスキューレメディ』とも呼ばれています。

心のバランスが崩れている時は、些細なことでもさらに気持ちが嫌な方向に振れてしまうことってあると思うので、そういう気持ちを引きずらないように、私はお守りのように使っています。

レスキューレメディを使うと心が落ち着いてきて、寝つきが良くなったなんて人もたくさんいますよ」

 

気に入ったひとつのハーブと仲良くできればOK

中山さん:
「ハーブについてたくさんご紹介しましたが、いろんなことを盛りだくさんに知らなくても大丈夫です。自分の納得できるやり方で、なにかひとつのハーブと仲良くするだけで、きっと心地よく過ごせると思います。

外からの影響を受けやすいなと感じる人は、ラベンダーひとつ持っておくと安心。夏の暑気払いにはペパーミントやローズマリー、突発的な心の乱れのバランスを取りたい人は、レスキューレメディを持っておくという感じです。

そうやって徐々に、ハーブやフラワーレメディーを身近に感じてもらえたら嬉しいです」

***

詳しくセルフケアのことについてお話を伺うことで、自分をケアすることの大切さを理解でき、今まであまり知らなかったハーブ自体にも、より親近感を持つことができました。

そして、夏の間の体温調節のバランスの取り方なども具体的に知ることで、今年の夏はいつもより自分を大切にして乗り切れそうです。

残暑が厳しい日が続きそうですが、今回ご紹介したお話を、残りの夏を健やかに過ごすヒントにしてみてください。

 

【写真】鈴木静華


もくじ

中山晶子

2011年より、「マヒナファーマシー」を主宰。2015年、東京・下北沢に実店舗をオープン。実店舗では、体と心に働きかけるハーブや植物由来のアイテムを中心に、暮らしを健やかに彩る商品の販売や、ワークショップを開催している。
2020年の秋には、「月と暮らす」をテーマとした冊子の発行や商品販売、ワークショップの開催を予定している。

マヒナファーマシー:https://www.mahinapharmacy.com/


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