【スタッフコラム】小麦粉の部屋では眠れない
編集スタッフ 糸井
つい先日の夜でした。
なぜそんなことになったのかよくわからないのですが、たっぷり大きめの小麦粉の袋が、部屋の中央であろうことか思いきり破けてしまいました。
私は気がつくのが少し遅かった、というよりも、ちょっと呆然としていたのでしょう。どのくらいだったか、ポカンとしていたそのあいだ、エアコンとサーキュレータの両刀使いの甲斐もあり、小麦粉は部屋中をかけめぐったようです、気がつけば。ワンルームの10畳一間、見事にやられてしまいました。キッチン、果ては洗面所の換気扇付近まで、小麦粉の世界! です。
中央本棚の一冊一冊、出しっ放しのエコバッグの表面、髪にも、まくらにも、人差し指でさら〜っとなでるとそこにいる。かろうじて閉め切っていたクローゼットは守られて、洋服たちは無事だったのが救いです。
とはいえ、まるで家のなかでミニ火山が噴火し、火山灰が降り積もっているような状況とでも伝えられるのでしょうか。快適のすべてをつめこんでいる部屋がそんな姿になってしまったこと、それをもとのあるべき姿に戻す大変さを思うとひとり、心が震えてきた。
追い討ちをかけるのは、その日は一日出かけていて体力もわずかなこと。帰ったら寝ようと思っていたのにこれから掃除を……とするには……。
「すみません」と部屋に対して思いつつ、近くのどこかに避難することにしました。
探すと、検索トップに自宅から徒歩3分のすぐ近くのものがありました。ホテルといっても、おしゃれなところではなく、シンプルなビジネスホテル。「ああ、帰り道でよく目に映っていたあそこか」とすこしの親近感が後押しとなります。思いのほか安くつきそうだし、今日くらいこんな贅沢も、いいよね。
最小限のものをバッグに詰め込む。着替えと、パソコンと、充電器と、化粧品。行きがけにケバブと、おやつも買って。
ついたホテルの部屋は、よくある、簡易的なインテリアのある部屋でした。見渡したとて、いつものお気に入りの洋服も雑貨もなくて、箱のなかにいるみたい。
こういうときって、どう過ごすんだったっけ? と、とりあえずテレビをつけて、お風呂に入って、ケバブを食べて。1時間もすると慣れてきたのか、快適に過ごそうと、ポロポロと優しいギターの鳴る音楽をかけたり、去年買ったままだった単行本を開きながら、おやつの袋をやぶり。それはそれで快適に過ごせている自分をみて、強くほっとしたんです。
小麦粉まみれになった本や雑貨のように、もしまた急に持ち物がすっかりなくなったとしても、身ひとつあればまた心地よい部屋はつくれるし、快適も戻ってくる、ほら、ここでだって過ごせているじゃないか。
だから、大丈夫、大丈夫。掃除をしたら大丈夫。自分の気持ちを落ち着かせて、もうすぐ眠ることにしました。明日から掃除の日々が始まることを考えると……いえ、それは今は忘れておけばいいか。
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